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8月26日の「おんたけスカイレース」に向け、トレーニングに励んでいるOYM running club(OYMRC)の小矢島です。
長野県木曽郡御嶽山の山岳エリアで開催される「おんたけスカイレース」は、標高900mのスタート地点から標高 3,067mの御嶽山山頂を含む全長37km、標高差2100mのコースに挑戦するというものです。
初心者トレイルランナーのわたしを含むOYMRCメンバーは、この険しい山岳レースに向け、6週間の練習メニューに取り組んでいますが、前回の伊勢原~大山ラン&ハイクに続き、今回は、仮想おんたけ練習としてコース・プロフィールの似ている富士山「吉田ルート」でのトレーニングをレポートします!

本番に近いコースを体感

今回のルートは、富士浅間(せんげん)神社入り口〜7合目までの折り返しです。富士吉田側から登るこの道は、富士登山競走でも使われるため、トレイルランナーには定番になっているコースとか。
標高850m地点にある浅間神社をスタートし、標高2700mの7合目まで一気に登って降りると、標高差1850m、距離28kmにもおよび、本番のレースに近いコースを体験することができます。

前回ご紹介した通り、レースまでは6週間というタイミングだったため、わたしの場合、長い距離をゆっくり走る練習や、短い距離を強度を上げて走る練習など、距離や強度を変えて計画的にトレーニングする時間的な余裕がありません。
そこで、ゆるいロードの登り、勾配のきつい登り、登山道でのファストハイク、ジグザグに登る砂地など、異なる路面、傾斜、登りと下りを一度にトレーニングできるこのコースが設定されたワケですが……。
「ここはちゃんと走りきって、レースに向けて弾みをつけなければ」。ちょっぴり緊張した面持ちで車に揺られ、早朝の富士山を目指します。
今回、一緒に練習したメンバーは、引率のmasaomi_m編集長、初心者ランナーのモッティさん、メンバーの中で一番の経験者、近藤みどりさんという面々です。

いにしえの登山道をスピードハイク

出発地点の浅間神社からしばらくは、ロードの直線の登りが続き、中の茶屋を通過すると、吉田口遊歩道というなだらかな林道に入ります。
真夏のこの日、東京では32度を超えていましたが、木々の緑が日陰を作ってくれるし、空気はひんやり涼しくて、この時期のトレーニングにはうってつけの道でした。
ただし、7.5kmほど続く林道の後半は、勾配がかなりきつくなり、林道の終点、馬返し(富士山0合目)手前では傾斜が20%を超えるところもあります。
目の前に続く登りのつづら折りに、一瞬心がくじけそうでしたが、あくまでトレーニングということを心にいい聞かせつつ、ゆっくりのペースでもとにかく我慢して走り続けます。
傾斜がきつくなると腰が折れてしまって脚だけで登りがちになりますが、なるべくお尻は落とさないようにして、お尻や腿の裏側の筋肉を使って登るのが坂道でのポイントだそう。

馬返し(0合目)から富士山4合目は、登山道のファストハイクになります。富士登山と言えば、5合目から登る人が大多数だと思いますが、車のなかったその昔、富士詣で(もうで)に行く人々は歩いてこの道を登ったそうです。木々に囲まれた登山道は行き交う人々も少なく、トレランの練習はもちろん、夏の登山にもおすすめの穴場スポットだと思います。

一番きついトレーニングをクリア!

案内板に、登山の目安45分と書いてあった4合目から5合目までを25分程度で登り、なかなかのスピードハイクで、5合目の山小屋に到着しました。
ここで浅間神社以来のトイレ休憩と、売店で飲み物などを補給して、しばしの休憩時間です。
実はこの時点で、前腿の辺りがかなり疲労困憊で、足が上がらなくなっていました。傾斜が厳しい山道を行くには、それだけ足を振り上げなければなりませんが、今回の練習は、まさにその筋肉を鍛えるためのものでもあるので、目的通りではあります。
とりあえず念入りにストレッチをしたあと、5合目から7合目までをこれまた早足で登って行きます。

ここまでくると、さすがに登山客でごったがえしていましたが、わたしたちと同じようなランニングギアに身を包んだランナーとすれ違うことも多く、トレラン 人気を感じるコースでもありました。
7合目では、半袖ではちょっと涼しすぎるくらいの気温に、思わず売店のカップヌードル購入。完食したあと、登ってき た道を今度は駆け足で下ります。

5合目から7合目までは、ジグザグに下る砂地なので、足下をとられないように、駆け足ながらも慎重に下ります。
5合目から浅間神社までは休憩を入れずに一気に駆け下り、行きは4時間かかった道のりを2時間ちょいでゴールしました。

今回のトレーニングは、強度も距離も本番に近く、6週間の中では一番辛い内容でしたが、これで本番に向け、多少なりとも余裕がでてきたように感じます!
筋肉痛を長く引きずることもなかったので、それなりに脚力もついてきたのではないでしょうか。
残りの3週間は徐々にトレーニング強度を軽くしていって疲れを抜いていき、レースに向けてコンディションを整えます。
本番のレースではいい報告ができるよう、あと少しがんばりしたいと思います!

6週間後のトレイルレースを目指す練習メニュー、その3週&4週間目を紹介します。疲労や体調を確認し、ちょうど良い時間、距離、強度をアレンジしながらトレーニングしてみてください。

【OYM家庭の医学 アーカイヴ】
♯01 trail編スタート

(文 小矢島一江 / 写真 松田正臣)