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胃と小腸はつながっているが、両者はホルモンを介して互いの働きをサポートしている。たとえば、ガストリンとセクレチン。胃の出口付近にあるG細胞から分泌されるガストリンは、胃壁に潜む壁細胞に作用して胃酸の分泌を促進する。

胃から小腸の入り口である十二指腸へ押し出される消化物は胃酸を含んでいるが、十二指腸は胃壁ほど胃酸に対するバリア機能が高くない。そこで胃酸を含む消化物が入ると小腸はセクレチンを分泌。セクレチンは胃酸を中和する物質(重炭酸塩)の分泌を促すと同時に、胃のG細胞によるガストリンの分泌を抑えて胃酸を抑制する。

そして注目したいのはグレリンとモチリン。グレリンは空腹になると胃の細胞から分泌されるホルモン。食欲を司る脳の視床下部に作用して食欲を増進させる働きがある。

それに先立って小腸はモチリンを分泌。モチリンは胃を収縮させ、残り少ない歯磨きのチューブからペーストを絞り出すように、胃から消化物を小腸へ移動させようとする。このときお腹がグーとなるのだ。
腹の虫は胃と小腸からのメッセージに他ならないのである。

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