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犬の伸びのように、心地よくストレッチ

遠いインドにあっても、犬は人間にとって身近な存在です。街を歩けば野良犬はそこかしこをうろうろしているし、物語に著された犬も少なくありません。古くはバラモン教の聖典『リグ・ヴェーダ』の中に「神の犬」としてサラマーが登場、その子サラメーヤは地獄の神マヤの番犬として活躍します。しなやかに、自由気ままに生きる犬の生態は太陽礼拝のシークエンスにおいてもおなじみです。目覚めた犬は連続してストレッチをすることがありますが、あの寝起きの犬のストレッチがアーサナとしてまとめられたのが、今週ご紹介する「ウルドゥヴァ・ムカ・シュヴァナーサナ(上向きの犬のポーズ)」と次回の「アド・ムカ・シュヴァナーサナ(下向きの犬のポーズ)」です。

ウルドゥヴァ・ムカ・シュヴァナーサナ、通称「アップドッグ」は腕と脚を強化し、胸を広げ肩と背中上部を開く代表的な後屈のポーズ。特に胸棘筋という、胸を張る筋肉を刺激します。

・ 腰幅に開いた両足は、つま先をピンと後ろに伸ばす。
・ 両手を肋骨の下あたりで床に置き、肩・肘は手首の真上、床に対して垂直にポジショニング。
・ 肩を床から離すと同時に両足の甲を床へプッシュ、太ももの内側を内旋させながら持ち上げる。
・ 鎖骨と胸筋をゆったりと広げたら、首は背骨の延長線上のカーブに連ね、視線は上に。
・ 腕よりも胸が前に突き出ていることを意識する。
・ 前方に伸びる胸と後方にプッシュする脚の拮抗する力を利用して、骨盤と腹部の落ちこみを防ぎ心地よく体を伸ばす。

EASYポーズ:
・ ビギナーは通称「スフィンクス」のポーズから。
・ 肘は90度に曲げて床をプッシュ、下腹部を床につけたまま、背中上部でアーチを描く。
・ 肘は肩の真下に置き前腕を床につける。
・ 平行に開いた足先はぐっと後ろに伸ばし、太ももは内旋。仙骨にスペースを与えるイメージで。

もしこのアーサナで腰に負荷を感じるようなら、それは背中ではなく腰を反らせているから。脊中上部の胸椎から反るようにすれば負担が分散され、腰を痛めることなくポーズを行えます。

NGポーズ:
手首よりも肩が前に出てしまうと手首を痛めるので、肩位置は必ず手首の真上に。

UNDER THE LIGHT YOGA SCHOOL
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【ヨガをはじめよう アーカイヴ】
#01 太陽礼拝 A / B
#02 体幹補強
#03 内臓活性

【正しいヨガポーズ アーカイヴ】
#01 椅子のポーズ(ウトゥカタアーサナ)
#02 四肢で支える杖のポーズ(チャトランガ・ダンダアーサナ)

(撮影 渡邊英守/文 倉石綾子)