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ランニングコミュニティというと何を連想するだろう。タイム、大会への出場、それともレベルアップだろうか。

創業時からサステナブルなものづくりを行っているAllbirds(オールバーズ)が主催するランニングコミュニティSakura Dashersは趣が少し違う。大会参加などの目的などもあるが、スローガンは「地球環境だけでなく、心と体も健やかにしたい!」。ブランドのフィロソフィーでもある地球環境も意識したランコミュニティなのだ。

ランニングコーチを務める福内櫻子さんは、「土、緑、空気、太陽……。私たちが気持ちよくランニングできるのも、豊かな自然環境のおかげです。このランニングコミュニテイが環境を考えるプラットフォームになれたらうれしい」と話す。

Sakura Dashersランニングコーチの福内櫻子さん。大学時代にはユニバーシアード世界大会出場や5000mで3連覇など華々しい成績を残した。スポーツ関連のモデルとしても活躍する。Instagram:@sakurako_fukuuchi

onyourmark(以下OYM)読者にも自然環境を意識している人が年々増えている。過去にOYMでAllbirdsを取り上げた記事に登場したことをきっかけに自然環境を考えるようになった人もいれば、自然のなかを走るトレイルランナーも自然と意識が高まってきている。そこでSakura Dashersのメンバーと一緒にサステナブルについて学びたいという6人の読者に集まってもらい、ランニングイベントを開催した。

ローカルにあるサステナブルなお店をめぐる

集合場所はAllbirds原宿店。そもそもショップのある原宿には環境問題に配慮したショップが多く、スタッフも日常的にコミュニケーションをとり、情報交換を行っているという。今回のイベントは、原宿店をスタートして、サステナブルに取り組む2つのショップを巡るという約5kmのルート。

自己紹介などしながら、まずは1軒目のLORANS.原宿店に到着。Allbirds原宿店のカウンターに飾られている装花も手がけている、カフェを併設した花屋だ。メンバーを迎えたのは代表の福寿満希さん。自社で行っている社会貢献活動などについて説明をしてくれた。

「実は花の廃棄量はとても多くて、コロナ禍でもロスフラワーという言葉が注目されました。そこでローランズでは、イベントや結婚式で使われた花をドライフラワーに加工したり、店頭に並ぶ前に捨てられてしまう花を紙に変えるプロジェクトなども行っています」(福寿さん)。

他にもローランズでは、障がい者雇用を積極的に行っていて、スタッフの約75%が何らかの障がい等と向き合っているという。最近では貧困などの事情により食事を必要とする子供のために平日の17:00~19:00までカフェを開放。学習支援や職業体験、夕食などを提供する「お花屋さんのこどもごはん 原宿」もスタートしている。

株式会社LORANS.代表の福寿満希さん。フラワーサービス以外にも、ロスフラワーの活用や、障がい者の雇用支援など、様々な事業を手がけている。

「SDGsのゴールとされているのが2030年。今SDGsはとても注目を集めていますが、社会的取り組みがそこまでのブームで終わってしまうのではなく、文化となって根づき、生活に溶け込んでいて欲しいと思っています」(福寿さん)

日常生活の裏側に存在する知られざる環境問題にメンバーの眼差しも真剣。さまざまな質問も飛び交い、滞在予定だった30分はあっという間にオーバー。参加者は名残惜しそうに挨拶を交わしながらも、次のショップへ急いで走り出す。

LORANS.原宿店

住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-54-15 ベルズ原宿ビル1F
営業時間:11:30〜19:00(カフェは18:00まで)
アクセス:原宿駅「竹下口」徒歩5分、北参道駅「2番出口」徒歩5分
Instagram:@lorans.2013

ランニング中は誰もが自然と聞いたばかりの社会問題を話し出す。「何にびっくりしたか」「自分たちにできることは……」。そんな会話の熱が覚めやらぬまま到着したのは代々木公園近くにあるジェラートショップfun.ice!

「大量に電気を使ったり、実はアイスクリームショップはとても環境負荷が高いんです」と代表の太田亜紀さんは言う。そこでfun.ice!では、自然エネルギー電力に切り替え、スプーンはプラスチックから木製へと変更。使い捨てごみを減らすためにマイカップやマイスプーンの持参を呼びかけている。

人工的な乳化剤や安定剤、香料などは使わず、甘さも有機アガペシロップなどを使用。また食材は、農薬不使用や減農薬の旬の素材を使うことにこだわっている。季節外れの食材やハウス栽培などは、育てるために大量のエネルギーを消費しているからだという。そんな話を聞いていると、太田さんがおすすめのフレーバーを試食させてくれた。

「フードロスの観点も大切にしていて、規格外や台風などで被害を受けて、通常では売り物にならない素材なども受け入れるようにしています。皮が傷ついても味はかわらないため、傷ついたものをまとめて送ってもらうこともあります」(太田さん)

 実際に味わいながら話を聞いているから、「どうやって農家さんを探すのですか?」とリアルな質問が出てくる。「知り合いから紹介してもらったり、使いたい食材があったら調べています。だから小さな生産者さんが多いですね」

生産方法や素材にこだわっているからか、fun.ice!のフレーバーには、アイスクリームとしては見慣れないものも多い。ラ・フランスや赤葡萄、東京ゴールドキウイ、さつまいも、青パパイヤなど、ここでしか味わえないフレーバーを楽しみに訪れる人も多いのだとか。実はAllbirdsも環境負荷の少ない「再生型農業」に取り組んでいることもあり、福内さんも日本の農業が抱える問題を熱心に説明してくれた。

最後は太田さんおすすめのフレーバーを試食して、エネルギーチャージをしたところで、再びAllbirds原宿店へ。

fun.ice!

住所:東京都渋谷区代々木5-64-4 1F
営業時間:12:00〜18:00(月・火定休/冬季特別休業あり/事前にご確認ください)
アクセス:代々木公園駅「3番出口」徒歩6分、代々木八幡駅徒歩6分
Instagram:@fun.icetokyo

普段とは違うランニング。距離も短いし、ペースもゆるやか、走っている時間よりも、立ち止まって話を聞く時間の方が長かったかもしれない。普段、走っている参加者たちは、今回のランイベントをどう感じただろうか。多かったのは、「学びながら走ることの楽しさ」だった。

ランニングを通して環境について話し合うきっかけを

「テーマを持って拠点から拠点へと走ることも楽しかったし、これまで興味は持っていたけれど、改めて人と環境について話し合うことができたのも新鮮でした」、「原宿のど真ん中でエコツーリズムのような楽しさを、しかもランで味わうことができることが驚きました」。Sakura Dashersのメンバーも「ローランズさんはショップでお付き合いがあるので知っていましたが、あんなに色々な社会活動をしていたのだと初めて知って。いいきっかけになりました」と話し、福内さんも「今までたくさんのランイベントがありましたが、走る以上に学ぶ要素の多いイベントでした」と大満足。

そう語る参加者が身につけたウエアやシューズも、もちろんサステナブル素材から作られたAllbirds製品。

例えば福内さんが履いていたのはユーカリの木やメリのウールなどの天然素材で作られたレギンスWomen’s Natural Leggingと、サトウキビから作られたミッドソールとバイオベースの撥水シールドを採用したWool Dasher Mizzles

「冬用のレギンスってどうしても厚手ですよね。これはウール混でとても暖かいのに、薄くて、動きを邪魔しないのが気に入りました。スマホも入る腰部分のポケットは、こういうイベントの時に重宝します。シューズはやわらかいけど反発性があって、安定感もある。デザイン性も高いので、今日みたいなファンランにはおすすめです」(福内さん)

Wool Dasher Mizzlesを履いたOYM読者の2人が挙げたのはフィット感の良さ。「すごくフィットしているのに、ギュンと締め付けるような圧は感じない。リサイクル素材のシューズはよく聞きますが、サトウキビの天然素材を使っているのもユニークですよね」、「思ったよりもフィット感を感じました。それとデザインがやさしい印象だったので、履いた感じもやわらかいのかな、と思ったら、しっかりグリップも効くし、反発性もあって。快適に走れるだけじゃなく、スピードも出せそうな印象です」。

環境問題というと、とかく難しく語られがちだけれど、今回のイベントは、もっと気軽に、楽しみながらサステナブルを考えることを教えてくれた。「今後もSakura Dashersが環境問題を楽しく学べるきっかけの場になれば良いと思います」と語る福内さん。ランニングを通じて広がっていくサステナブルの輪にあなたも加わってみてはいかがだろうか。

Sakura Dashers
Allbirdsが運営するランニングコミュニティ。福内櫻子をランニングコーチに迎え、ランニングの楽しさや継続だけでなくヘルシーなライフスタイルを目指している。

開催場所:原宿店、丸の内店
開催日時:水曜日19:30~ (日時に変更がある場合がございます)
参加費用:300円 (参加費は社会課題に取り組む団体に全額寄付されます)
参加はこちらから