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自然災害が頻繁に発生し、気候危機の深刻さが明らかになってきている昨今。パリ協定では産業革命前からの地球気温の上昇を1.5度以下に抑えることを目標としていましたが、先日国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は2021~40年に気温の上昇が1.5度に達し、2018年の想定より10年ほど早くなるとの予測を発表しました。二酸化炭素の排出が地球温暖化に及ぼす影響は「疑う余地がない」と断定された今、私たちは二酸化炭素の排出を実質ゼロにするためのドラスティックな変化が不可欠となりました。

今年5周年を迎えたライフスタイルブランド、Allbirds(オールバーズ)は創業時から環境負荷を抑えた革新的なものづくりを行ってきました。ファッション業界にカーボンフットプリントの表示を提言したり、天然素材をファッションに取り入れる技術をオープンソース化するなど、ファッション業界に一石を投じてきました。

二酸化炭素排出量をゼロにすることが急務となった今、Allbirdsは2025年、2030年に向けて、どのような目標を掲げているのでしょうか。

ミッションは「ビジネスの力で気候変動を逆転させる」

「気候変動は地球全体の人々にとっての問題で、待ったなしの状況にあります。ひとりの力では到底解決できる問題ではなく、国や行政、企業、そして個人が協力して取り組まなければならないのです」(ティム・ブラウン「Allbirds」共同創業者)

サステナビリティ計画を策定する上でAllbirdsがまず取り掛かったのはミッションステートメントを明確にすること。気候変動問題の解決には、Allbirdsだけでなくシューズとアパレル業界全体での変革が求められています。ビジネスの成長とともに天然素材開発の分野も拡大することで、業界全体での変化が期待されます。

Allbirds創業者であるサッカーの元ニュージーランド代表のティム・ブラウンとバイオテクノロジーの専門家であるジョーイ・ズウィリンジャー

2025年までの目標

2025年までに、製品ごとのカーボン排出量を50%削減することを目指しています。それを実現するために、10の目標が掲げられています。

再生型農業 (カーボン削減のために農業形態を転換)
1. 再生型農家からのウールを100%使用
2. ウールの年間カーボン排出量を100%削減もしくは吸収

再生可能素材 (天然素材を石油ベース素材の代わりに使用)
3. サステナブルな手法で調達された天然もしくはリサイクル素材を75%使用
4. 主要原料のカーボンフットプリントを25%削減
5. シューズ及びアパレル製品の素材使用量を25%削減
6. シューズ及びアパレル製品の寿命期間を倍にする

環境的責任のあるエネルギー (より環境に配慮した燃料及び電気を少量で使用)
7.「自社所有及び稼働」施設で再生可能エネルギーを100%使用
8. 主要工場で再生可能エネルギーを100%使用
9. 製品輸送の95%を海上輸送にする
10. Allbirdsアパレル製品について、お客様の100%が常温洗濯、そして50%が自然乾燥

環境負荷の少ない天然素材の開発や、効率的な生産方法、輸送による二酸化炭素排出量の削減は、以前から積極的に取り組んできました。さらに、Allbirdsにとって重要な素材の1つであるメリノウールの生産背景に着目し、「再生型農業」の推進も気候変動に対する解決策として掲げています。再生型農業で土地を豊かにすることで、羊が排出する二酸化炭素を土地や植生が吸収することが可能となります。

2030年の目標の目標は、2025年の目標を元に、製品の単品カーボン排出量を95%減らすことです。達成することで、全製品のカーボンフットプリントを平均1kg以下にすることができます。

Allbirdsのサステナビリティ計画のほか、ステークホルダーとの取り組みについて詳しくはAllbirds 2020年 サステナビリティレポートをご覧ください。

また、公式サイトからもAllbirdsの取り組みをチェックすることができます。

アウトドアアクティビティを楽しむ自然環境を守り、気候変動に脅かされることなく過ごすためには、企業も私たち消費者も変化が必要です。さまざまな“サステナブル”な商品が出回る今、その商品が本当に“サステナブル”なのか、どの点が環境に良いのか見極めることが必要なのかもしれません。創業時から環境に配慮した素材でものづくりをしてきたAllbirdsのサステナビリティレポートに、未来のためのビジネスのヒントが隠されています。

Allbirds
allbirds.jp/