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さすがはツール・ド・フランスの国、というところでしょうか。

依然として新型コロナウイルスが猛威を振るうフランス。しかしその間に、政府が国民の健康維持のために取り組んでいたのが、自転車の利用促進です。

第一波に見舞われた春先には、フランス政府は安全でエコな移動方法として自転車利用を促進することを決定。約72億円(6000万ユーロ)という予算規模の、国民のための自転車利用サポートが現在進行形で展開されています。

「Coup de Pouce Vélo」(“自転車利用を後押し”)と題されたこのプロジェクトの補助内容は多岐に渡りますが、最も特徴的なものは、自転車の修理にかかる費用を50ユーロ(約6,000円)まで国が払うというもの。しばらく乗っていない自転車は、タイヤやブレーキシュー、チェーンなどが痛みがちですが、50ユーロあればほとんどまかなえる予算感です。

5月の開始以降、地域の自転車店には長蛇の列ができたそう。国民のこうした反応を受け、フランス政府はこの補助期間を2020年末まで延長。修理自転車の台数目標として100万台を掲げていましたが、この11月25日にジャン=バティスト・ジェバリ交通担当大臣がその台数に達したことを宣言。「自転車乗りの国」と、その達成に喜びを露わにしました。

「Coup de Pouce Vélo」では50ユーロの修理金負担だけでなく、自転車に安全に乗るための無料講習会の実施や、駐輪場の設置にかかる補助金拠出、などハード面だけでなくソフト面でのサポートも実施。同時にパリなどの都市圏では自転車道も整備・拡張されていて、まさに国を挙げて自転車を応援した格好です。

新型コロナウイルスに対処するための施策でしたが、同時に、国民が空気を汚さず運動にもなる自転車の良さを見直す機会にもなったようです。家で眠っていた自転車が、再び息を吹き返して、多くの人の塞ぎがちな暮らしに軽快さをもたらしたことは想像に難くありません。日常生活の足としても、気分転換のツールとしても、自転車は見直されたはずです。フランス政府は、本施策を開始した5月を「自転車の5月」として2021年以降も自転車イベントを積極的に行うことを決定。フランスの自転車といえば7月のツール・ド・フランスでしたが、これからは5月も市民主体の自転車月間になるかもしれません。

日本でもコロナ禍において自転車利用が増えたと言われます。しかし誰もが安全に走れる自転車道や、乗り方のサポートなど課題が多いのも事実。国を挙げてのキャンペーンを成功させたフランスから学べることは多そうです。

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