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2020年4月に刊行したonyourmark発の雑誌mark13号では、特集『生きるためのアウトドア』においてサステナブルをQ&A形式で取り上げました。企画タイトルは、『2020年に考えるサステナブル』。スポーツやアウトドアを楽しむ人々にとって、今年はサステナブルの大きな一歩を踏み出す一年になるという手応えがあっての企画でしたが、その直後に未曾有のパンデミックに見舞われました。新たなる脅威に直面して、だからこそでしょうかこの2020年の初冬に、サステナブルを希求する声が大きくなっていると感じます。2020年の今、知っておきたいサステナブルを、mark13号から抜粋し、全3回でお送りします。

Q:そもそも「サステナブルな社会」ってなに?

A: 未来の世代に いまの暮らしを継承できる、持続可能型の社会のこと。

サステナブルとは「持続可能な」「ずっと続けられる」という意味があります。いま、世界各国が模索している持続可能型の社会とは、地球の環境を守り資源を節約しながら、未来の世代に平和で豊かな暮らしを継承できる社会のこと。ただし、これは容易なものではありません。サステナブルな社会の実現を阻むものは環境問題とほぼ同義ですが、ただの環境問題ではなく地球規模の問題を含んでいます。

環境問題や資源の枯渇といった問題を早期に予測していた国連は1970年代から環境教育を行ってきましたが、環境問題に特化していたのではこの問題を解決できないと気づきます。1990年代になると持続可能型の社会の実現には自然環境の問題に加え、文化の上に成り立っている経済活動と人間社会という地球規模の課題が複雑に絡みあっているという考えが生まれ、1997年には「環境問題とは持続可能性(サステナビリティ)の問題である」と宣言がなされました。

Q:私たちが目指すサステナブルな社会、そのゴールって?

A: 誰もその答えを定めていません。

地域、文化、社会、宗教の違いを乗り越え、対話を重ねた先にサステナビリティがある。
酷暑や季節外れの台風、ゲリラ豪雨などが度々起こり、気候変動や地球温暖化を自分ごとに感じる人々が増え、持続可能性への危機感が高まっています。世界各国が共通の課題として掲げるサステナブルな社会ですが、それではどういう状況になったらそれが実現したと言えるのでしょうか。「パリ協定」で定められた、各国の温室ガス削減目標が達成されたときでしょうか?

実は、この問題にはゴールが存在しないのです。そもそも国や地域、文化、社会、宗教によりサステナブルの定義は変わります。答えを定めていないのは、サステナブルな未来のありようをみんなで話し合って決めていこうとしているから。サステナビリティの実現はプロセス志向の営みなのです。ただ一つ言えるのは、サステナビリティとは「大地で育まれた命が最も大切である」ということ、「命を守るために何かを犠牲にしない」という前提の上にあるということ。「Values, behavior and lifestyle towards a sustainable future」、つまり国や文化という違いを乗り越えて互いに対話して、自分たちの価値観を変容させ、行動を起こし、ライフスタイルを変える。そのプロセスの先に、サステナブルな社会があるのです。

Q:私たちにできるアクションについて。地域でできることはなんですか?

A: これからは地域主導のアクションに注目を。

日本でも15の自治体が気候非常事態を宣言、私たちが自治体を動かし、国を動かす!
2002年のヨハネスブルグ・サミットで日本政府と市民が提案した「持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development:ESD)」が採択されました。これは「サステナブルな社会の実現には、気候変動、生物多様性、人権といった、現代社会が抱える問題を自分たちの課題として捉え、解決に至る価値観や行動を生み出す教育や学習が必要だ」という訴えでこれまでユネスコが主導してきましたが、昨年採択された「ESD for 2030」では、今後は国連が主導するのではなくそれぞれの国や地域に任せるという方針を明らかにしています。

実際、日本でもすでに15の地方自治体が気候非常事態を宣言し緊急行動を呼びかけています。これは、「自分たちはこういうアクションを起こすよ!」という宣言です。日本で口火を切ったのは、漁獲量の激減で海の異変を敏感に感じとっている漁師を多く抱える長崎県の壱岐市。長野県の白馬村は地元の高校生が主体的に動いて自治体を動かし、非常事態を宣言させました。学会や研究機関も続いており、今後は教育機関もこれに続くと考えられています。今後はさらに他の地方自治体や民間のセクターから追随する動きが出てくるでしょう。

「2020年に考えるサステナブル」vol.2に続きます!

監修:永田佳之

聖心女子大学文学部教育学科教授、同大グローバル共生研究所副所長。「豊かな教育社会とは何か」をテーマに、国際理解教育やESD、オルタナティブ教育・ホリスティック教育に取り組んでおり、ユネスコ/日本ESD賞国際審査員なども務める。著書・編著に『気候変動の時代を生きるーー持続可能な未来へ導く教育フロンティア』(山川出版社)など、多数。

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