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毎日の積み重ねで自分の理想を描いていく‬‬

わたしの家には一枚の大きな絵がある。ちいさな本屋さんで見つけた子ども用のおしゃれな塗り絵で、自分の好きなように色を塗って絵を完成させるというもの。色鉛筆でもいいし、絵の具でもクレヨンでもいい。赤でもいいし青でもいい。わたしはそれを一気に塗るのではなく、日々いろんな画材を手にして、ひとつひとつ埋めるようにして塗っている。どんな絵になるのか自分でもわからないだけに、完成が楽しみで仕方ない。

目標は明確な方がいい。未来の自分がはっきり描けているほうが道は歩きやすい。でも、まっすぐで安全な道なんてだいたいなくって、道中いろんなことが起きる。怪我や故障、スランプ、体調不良。台風に地震にウイルス。もっと想像のできないことが襲ってくるかもしれない。

目標に向かってスタートダッシュを切ったら、やれやれ、まるで障害物競走の気分。でも、ひとつひとつ乗り越えれば、かならずゴールできると信じるしかない。こういう時は、とりあえず目の前にあるものから、ひとつずつ。ちょっと先が見えてきたらまたきっとダッシュできるはず。憂いていても仕方ない、立ち止まっていても仕方ない。周りがどうあろうとも、わたしは前に進む。

とにかくいまは自分の理想の絵が完成するまで、その過程を楽しむべしと思って、今日も1日の終わりに小さく色を塗る。未来の自分は、いまの自分がつくるんだと願いを込めて。

中島英摩

中島英摩

京都府生まれ、東京都在住。登山やトレイルランニングの取材・執筆をメインとするアウトドアライター。テント泊縦走から雪山登山まで1年を通じて山に通うほどこよなく山を愛する。トレイルランニングではUTMBやUTMF、トルデジアンなどのメジャーレースでの完走経験を持つ。昨年11月、つくばマラソンを3時間27分40秒で完走、今年1月の勝田全国マラソンで3時間10分27秒に大幅更新。翌週奄美大島で行われた100kmレース「奄美ハナハナウルトララン」で優勝するなど、目下絶好調。