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mark13号 “FACING THE CLIMATE CHANGE 生きるためのアウトドア”の誌面上で展開されたmark編集部による災害対策座談会を転載。非常時のために用意しておきたいアイテムの数々を機能性や携行性などの視点から語り合います。トレイルランニングやファストパッキング、クライミングのための装備が使えることがわかりました。

松田 そもそも非常時用バッグって用意してる?

高橋 していますよ。トレイル用とサバイバル用と2セット。

齊藤 ええっ、分けてるんですね。凄い。

高橋 軽さを意識したのがトレイル用で、消毒などの救急関係を充実させたサバイバル用と。山のものを買い足してくうちに自然と充実しました。

小俣 自分は一切用意してないです。マズいな。

齊藤 私は手回しラジオと、スマホの充電池を用意しています。

松田 情報は大事だからね。そういう自分自身が実は用意できてないので、今回を機に考えたい。

高橋 自分はどちらかというと、スマートフォンの充電が切れても大丈夫なように、つまり電気がなくなってもなんとかなるようにと意識して準備しています。切れちゃったらパニくりそうだから。

松田 なるほど、そういう考え方もあるよね。

小俣 どう生き延びるかというか、個人のスキルによりそうですね。とりあえず個人で、数日~十数日しのぐことを想定しましょうか。

高橋 先日の取材で聞いた話で、海での遭難からの生還者で、1カ月以上も水だけで生き延びる例があるそうです。

松田 食事よりもまず水がボトルネックになるのか。そう考えると、浄水器というのはキーアイテムかも。超小さいヤツがあるから。

小俣 情報よりまずは水ですかね。

松田 バーナーはコンビニで売ってるガスボンベを使えるタイプがいいかも。それなら山でも、自宅でも使いやすいし。超小型ではないけれど、折りたためるから携行性も全然問題なし。

齊藤 火がないシチュエーションなら、山で使う行動食はやはり優秀です。

松田 いいよね。でもいわゆるジェルは甘ったるいし、そもそも保存食って糖質が中心だから、脂質エネルギーが中心のトレイルバターは役立つと思う。長期保存できて。そのままでも食べれるし。

齊藤 私もジェルが苦手で、普段から、それこそ仕事中の間食にも干しイモを愛用してます。

小俣 よく食べてるよね。自分はコンパクトなマイカトラリーが欲しいと思ってるんですよね。そういうのが入ってるといいな。

齊藤 話は変わりますが、災害時は避難所にあまり頼らず、個人で管理できるパーソナルスペースを作るといい、という考え方があります。

松田 テントは必要ってことか。それなら張りやすいモデルがいいかも。モンベルのUウルトラライト.L.タイプは、厳密にはシングルウォールのツェルトだけど、自立タイプだし、とにかく張りやすい。で、テントに寝るなら防寒着も充実させときたいよね。

齊藤 山ではベース、ミドル、アウターで分ける3レイヤーの概念が当たり前だから、それはぜひ知っておきたいというか、揃えておきたいですね。

高橋 アンダーはポリプロピレンを使った疎水糸タイプのアンダーが評判いいみたいです。

松田 ウールのアンダーもいいかも。臭わないという理由で、登山家は一枚を何日も着続けますから。

小俣 ここでもトレイルラン的な視線でウェアを選ぶといいのかもしれないですね。

松田 そのうえで多少は嵩張ってもいいから良いものを、だね。防寒ならパタゴニアのマイクロパフとか。トレイルラン的視点といえば、最近は発泡スチロールのような素材の登山用ヘルメットがあるんですよ。トランスジャパン・アルプスレースに出る人はそういうタイプを被ってる。

齊藤 手袋もあったほうがいいですかね。

松田 最後に、ガジェット類で揃えておきたいのは、定番だけどソーラーバッテリー。スルーハイカーはみんなパックの上に載せて縦走してる。

高橋 ライト類はランタンよりもヘッドライトがいいですね。機動力があるのでなんやかんや便利。

松田 あ、ヘッドライトに被せて、シェード転用させるアイテムがあった気がする!

小俣 レザーマンツールのようなマルチツール類も欲しいですよね。爪切りとか、ハサミとか、ないと意外と困りそう。

松田 ところで、女性ならではだけど生理用品って何か他に代用できるようなものはないのかな?

齊藤 あまりないですね……。だから普段の山登りでもないと不安。むしろ男性にも携行していただけると嬉しい。止血など他の用途にも使えるんですよ。でも改めてこう挙げてみると、意外と60L 級の超大型バックパックでなくても収まりそうですね。

小俣 確かに、背負って移動できないとダメだし。

松田 改めて考えてみると、山のギアはサバイバル向きですね。これなら揃えられそうだ。

小俣 はい、頑張ります!

ULTIMATE SURVIVAL TOOL PACKING LIST 装備品リスト

POINT:自宅での備蓄用と避難所などへの持ち込み用を明確に分けておくと良い。重量は自分が背負える程度に抑えること。

● 水( 飲料水・調理水)
● 食料
● カセットコンロ
● コッヘル
● エマージェンシーシート
● 乾電池
● ライター
● ナイフ
● タオル
● ヘルメット・防災頭巾

● 歯ブラシセット・洗口液
● ティッシュペーパー
● トイレットペーパー
● ウェットティッシュ(消毒可能なもの)
● 生理用品
● 使い捨てカイロ
● ビニール袋・保存袋
● ゴミ袋
● タオル
● エイドキット
● 簡易トイレ

● 軍手/グローブ
● レインウェア
● 下着、靴下などの着替え
● 歩きやすい靴
● 寝袋
● ライト( ヘッドライト/懐中電灯/ソーラーランタンなど)
● スマートフォンバッテリー(ソーラー等)、充電器
● お金( 小銭)
● ホイッスル
● マップ

※2020/4/15発売「mark13号 “FACING THE CLIMATE CHANGE 生きるためのアウトドア”」転載記事

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