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補給

糖質は1gあたり4kcalのエネルギーになることは周知のとおり。つまり、筋グリコーゲンに蓄えられた1,500kcalをグラムに換算すると、単純計算で375g。体格や走力による差を考慮しても、200~400g程度しか体内に貯蔵できないことになる。

これはマラソンのような強度の高い運動をした場合、2時間程度で使い切ってしまう量。エネルギー切れを起こさないためにも、燃料となる糖質を途中で補給する必要がある。レース中の補給は「どれだけ早く、利用できる状態でエネルギーを入れるのか」がポイント。

「固形物で糖質をとると、十二指腸でブドウ糖と果糖に分解され、小腸から吸収されます。ここではじめてチャージという形になりますが、固形物は消化までに時間がかかり、すぐにエネルギーにはならない。そこでエネルギージェル。消化までのスピードが15~20分と早く、すぐにエネルギーとして活用できます。フルマラソンの場合はおよそ30km地点で1本摂るとラストスパートの燃料に。あとは走力レベルに応じて量の調整を」

ジェルにはさまざまな種類があるが、一般的に多いのがマルトデキストリンを主原料にしたものだ。グルコース単体に比べて、一度に多くの糖質を素早く吸収できるメリットがある。

「マラソンよりさらに長いウルトラマラソンになると、吐き気をもよおしたり、お腹が張ったりといった胃腸トラブルが増えます。ジェルの飲用によりこれらが起こると思われることもありますが、それは大きな誤解。胃腸の調子が悪くなる主な原因は、睡眠不足と水分不足です。運動をすると活動している筋肉に血流が集まり、胃腸は虚血状態になります。機能が低下したところに食べ物が入ると、症状を引き起こす。胃腸トラブルを防ぐにはまず第一に、水分補給で血液循環を促すこと。そのうえで適切な糖補給を行うことが大切です」

監修:齋藤通生

(有)ネオディレクション代表。ベスパエリートアスリートサービスとして活躍する栄養補給のエキスパート。山本健一や望月将悟、高村貴子など、トレイルランナーを中心にエンデュランス系レースで活躍するアスリートをサポートしている。レース前~レース中、レース後の食事と補給、また、日常の食生活からコンディショニングのプランニングに携わっている。

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