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アシックスが描く未来図

「他社のことは気になりませんか?」

人間の運動動作を追求し、新たなプロダクトを生み、人の人生に喜びを届ける。アシックスのものづくりの精神は“エナジーセービングファミリー”で再表現された。しかし、広く愛されるブランドであること以上に、業界のTOPプロダクトを生み出したいと思うのはあって当然の真理のはず。ランニングでいうなら“より速く”を追求したシューズづくりへのこだわりはないのだろうか。例えば〈METARIDE〉の技術を生かした上で〈SORTIE〉のようなレーシングシューズを作るというような。そんな思いも込め、原野さんへ気になっていた質問をぶつけた。

「もちろん他社技術は分析しますが、その技術がどうであれ、我々のものづくりはお客様をいかにイメージして作るのか、どのようなベネフィットがお客様に提供できるのか。

〈METARIDE〉を形にして、改めて我々は原点からブレないように進むべきだと感じました。競合他社が作っているシューズ以上のものを常に頭に描いて取り組んでいますし、それは僕が入社したときから変わっていない考えです。その積み重ねによってプロダクトは発展していきます。アスリートと同じように、テクノロジーも進化しています。お客様に常に満足いただけるように、我々は研究を続ける。それは個人的には楽しいこと。スポーツに携わるメーカーが競争しあい、同じように成長を繰り返すことで、手に取るお客様が手にする価値も上がると思っています。

〈METARIDE〉は今のアシックスのピナクルであってほしいという思いから、およそ3万円という設定にさせていただきました。先に申し上げたように〈METARIDE〉はアシックスの科学技術の結晶なのです。手に取る人にはそこに価値を感じてほしいという思いがあります。

ソルトレイクシティでは、〈GUIDESOLE〉の技術を応用した3部作は、〈EVORIDE〉での完結とお伝えしました。しかし、それは第1章の完結であると同時に第2章の始まりです。

スピードを追求するレースにおいても〈GUIDESOLE〉の走行感を提供する事、これが我々の新たな挑戦であり、その答えが、レーシングシューズです。また、〈GUIDESOLE〉は他の競技へ展開することも考えています。エナジーセービングファミリーの進化も必要で、これからも、我々の挑戦は続きます。第2、第3章の幕開けを楽しみにしてください。

本社に隣接するアシックススポーツミュージアムに飾られた創業者の直筆メッセージ。色紙にもまた同じく直筆で“スポーツマン精神五ヶ条”が示されてある。