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昨年末に募集した、UTMF(ウルトラトレイルマウントフジ)2020に向けたプロジェクト『マフェトン理論でUTMFへ挑戦!』。参加者も確定し、いよいよ本格始動。3人のトレーニングを追いかけながら、マフェトントレーニングの真髄に触れていきます。

「マフェトンはエンデュランスに最適」との推察から

日本が世界に誇る名峰、富士山の周りを舞台とする100マイルレース、UTMF(ウルトラ・トレイル・マウント・フジ)。大雨や降雪によるコース短縮など様々なドラマを生んできた同大会も早いもので次回で8回目になります。初回を知っている人からすれば、ジュリアンやヤマケンが駆けていた時代が懐かしく感じることでしょう。

2020年のUTMFにonyourmarkはひとつのプロジェクトを掲げ取り組むことになりました。

『マフェトン理論でUTMFへ挑戦!』。

そう。マフェトン理論です。
このプロジェクトにご応募いただいた方々ありがとうございました。多くの方が100マイルレースを完走するための理論を求めていることがわかったのと同時に、マフェトン理論に興味を持っていることも見えました。一方でこの理論を聞いたことはあっても深く理解するまでに至っていない人が多いこともわかりました。

昨年雑誌『mark』で取材した矢崎智也さんがマフェトン理論で信越五岳トレイルランニングレースにのぞむことを聞き、その後『onyourmark』で追加取材した記事のタイトルを「マフェトンは100mileレースで思い描いた結果を得るための最適解か」
としたのは、onyourmarkの考えとして“100mileレースで思い描いた結果を得るためにマフェトンは最適”との推測、考え、希望があったから。

今回参加される方々のトレーニングを追いかけながら、このトレーニング理論がロングディスタンスレースにどのような効果を及ぼすのか、UTMF本番まで、数回に渡り紹介し、多くの人が今後100マイルレースやウルトラレースに挑戦する上での指針になればと思っています。

それでは今回の参加者3人を紹介していきましょう。

共通点は「自分が納得できる走りがしたい」

山野尚大さん <ニックネーム“ヤマさん”> 42歳 コンサルティング会社勤務

普段はコンサルティング会社でプロジェクトマネージャーとして働きながら、1児の父親として家事も精力的にこなす、多忙な毎日を送るヤマさん。今回の応募に対し、その爽やかなルックスからは想像できない、最も長く、熱いメッセージをくれました。ヤマさんは2019年のUTMFに当選するもコース短縮による忍野でのストップを経験。自身の走り自体も納得いくものではなく、2020年のUTMFの目標は『最高のトレイルランニング体験を取り戻すこと』としています。普段はあまり走る時間を取れないようですが、マフェトン理論を少しずつ身体で理解してもらって、効率の良いトレーニングを積んでいってもらえればと思います。

「昨年は100マイルを走り切ることはできませんでした。天候による中止ですが、僕自身の走りも満足いくものではありませんでした。現在42歳。トレイルランニングを始めた頃と比べると無理が効かなくなり、レース中の苦しさも増した気がします。トレイルランニングとは辛いものか?いや、そんなことはない。落ち葉でふかふかのトレイルを踏みしめる感覚。ヘッドライトを付けて暗闇に立ち向かう高揚感。心地よい疲労と眠気を吹き飛ばしてくれる神秘的な夜明け。目頭に熱いものを感じながらゴールテープを切る瞬間。トレイルランニングとは、苦しいけど楽しくて充実したものだったはず。2020年のUTMFでは、スタートからゴールまで安定したパフォーマンスを保って気持ちよく走り続け、ゴールは妻と娘と一緒に最高の笑顔で迎えたいと思っています」。

橋本哲二さん <ニックネーム“はしもっくん”> 42歳 エンジニアリング会社勤務。

2014年のSTYでは8位入賞を経験、ハセツネでは9時間を切るタイムをたたき出すなど、これまではミドルレンジで力を発揮してきたはしもっくん。その反面ウルトラレンジでは後半に足を痛め、思い通りのレースが送れない経験をしています。今回のプロジェクトへの応募は、初100マイルを、これまで同様上位を争う展開をしながら、かつ楽しく、気持ちよく走るために応募。これまでのトレイルでの最長は先述のSTYの92K。

「長い距離を走ることにこれまで苦手意識があり、これまでウルトラのトレイルレースは敬遠してきましたが、高校時代の同級生が何度も100マイルを完走する姿を見て、自分も負けてられないなあと思い、今回挑戦を決めました。自然を楽しむことはもちろんですが、同時に自分は競って楽しむタイプです。レースで一緒になる人たちとの時間を楽しみながら、気持ちを切らすことなくゴールまで走りきりたい。初100マイルなので目標タイムの設定がまったく想像できませんが、100位以内に入れば来年の挑戦権が得られると聞きました。100位を目標に、このプロジェクトを通して、100マイルを走りきる為の理論、テクニックを学びながら、いい準備をして、スタートラインに立ちたいと思います」。

小倉遥さん <ニックネーム“はるちゃん”> 32歳 フィットネスクラブに勤務

夫婦でトレイルランニングを楽しむはるちゃん。昨年も旦那さんと一緒にUTMFに当選し、念願だった100マイルに挑戦するも、レース短縮のため忍野でSTOP。(2次募集次第ではあるものの)今回は1人での参戦となり、これまでなんとなくで取り組んできたマフェトン理論をしっかりと理解し、しっかりと取り組むために応募。学生時代は運動生理学を専攻。トレイルランニングにのめり込むきっかけも2012年大会のDVDを見たことから。思い入れのある大会で初の100マイル完走を目指します。

「頭では理解していることが、トレーニングを続けていくことで、実際に体の変化として、どのように表れてくるのか、そこに興味があります。自分の強みをなんとなくは理解しているけど、数値がどのように変化するのかも。昨年のUTMFがコース短縮となり、まだ念願の100マイラーにはなれていません。今回はどうせやるなら記録を狙ってみたいと思い、目標を35時間以内の完走としました。これからしっかりトレーニングを積んで、本番では少しでも元気に、ストロングフィニッシュしたいと思います」。

今回のプロジェクトの応募フォームに書き込んでくれたメッセージで、3人が共通していたのは“自分が納得できる走りをしたい”ということ。その点に強い思いが込められていました。なんとかゴールにたどり着くのではなく、マフェトントレーニングを積み、楽しんで、笑顔でゴールすること。目指す高みは3人それぞれ違いますが、最高の笑顔で、力強くゴールしてもらいたいですね。

筋肉の種類を知る

参加者の顔合わせとしてまず行われたブリーフィングでは、齋藤さんによるマフェトントレーニングの進め方についての解説、その後今回ご協力いただいている STRAVAの三島さんからSTRAVA、STRAVA SUMMITの便利機能、効果的な使い方についてのレクチャーがあり、最後に今後のスケジュールが共有されました。

今回の座学会で学びのポイントは 『白い筋肉と赤い筋肉、どちらを使うのか』。

マフェトン理論にして意外な内容、かつ意識したこもとなかったですが、知るとよりマフェトン理論への理解が深まる話でした。皆さんは意識したことありますか?

参加メンバーもトレーニングを続けていくうち、このキーワードの意味を体感し、理解が深まるはず。今回も含め、月に一度は齋藤さんによるマフェトントレーニングの応用や、脂質代謝を高めていくための食事、レース本番での補給についてなどの座学会を開催。また月に1度はMAFテストを行い、そこで実際に体感したことと、それに伴う疑問をひとつづ頭と体で理解しながら、進めていってもらいます。齋藤さんからのアドバイスがもちろんためになることは間違いないですが、実際にトレーニングしながら、体質の変化があるのか、実体験を共有できるのはモチベーションになってくれるはず。

マフェトン理論は基本単独でのトレーニングとなるため、3人が一緒にトレーニングすることもありませんが、チームとして刺激しあいながら、4月末まで、じっくりと体づくりに励んでもらいたいと思います。“ヤマさん”“はしもっくん”“はるちゃん”にぜひご注目を!