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編集部が実際に体験したものだけをリポートする「mark gear by onyourmark」。〈HOKA ONE ONE〉の顔とも言える〈CLIFTON〉と新作の〈RINCON〉を、4回ずつ同じメニューで比較検証。似て非なるこの2モデル。果たしてその違いとは?

〈CLIFTON 6〉と〈RINCON〉、なぜ今回この2モデルを「mark gear by onyourmark」でピックアップしようと思ったのか。それは〈HOKA ONEONE〉のロードランニング部門のベストセラーシリーズ〈CLIFTON〉に一見すると似ている〈RINCON〉が、どんなシューズなのかという疑問がひとつ、またその〈RINCON〉の登場により〈CLIFTON〉が、どう住み分けられているかがもうひとつ。ならばと、今回“比較フィールドテスト”することと相成りました。

テストするのは先日公開された「ラン・ストーリーは突然に。目指すは東京42.195km」で、新人編集部員太朗から“Mr.ストイック”として紹介された私、高橋。特にストイックにしているつもりはないのですが、「え、誰?」と思われる方のため、また今後もシューズの紹介を担当することになりましたので、念のため自己紹介を。

中学、高校時代は陸上部でしたが、高校では怪我をしたり、なかなか思うように記録を更新できなくもなり高校2年の時にバーンアウト。以来2008年、第2回目の東京マラソンは走りましたが、社会人になってからはほぼ走ってはいません。身体を動かすのは主にサッカーとフットサル。

そんな自分が走ることに本気になり始めたのはトレイルランニングにのめり込み始めた2016年から。距離を優先に走りこみ、月間走行距離は150km、200km、300km、400km……。昨年末には500km越えも。現在42歳。月間200kmを走る人たちを信じられないとやや引いた視線を送っていたのに、以外とやればできるものですね。

トレイルランニングをやっていると周りには超人ばかりで、あまり大きなことは言えませんが、今年1月の勝田全国マラソンでは約2時間52分で走ることができるようにまでなりました。このタイムはまあまあと言っていいのかなと思っています。幸運にも来年の東京マラソンを走れることになり、2時間40分をターゲットタイムとすることとしました。

さてさてどうなることやらですが、すでにマラソンシーズンも始まっているので、これから僕なりに気になるシューズをお届けしていければと思います。

〈CLIFTON〉の進化の過程

前置き長くなりましたが、改めて今回は〈HOKA ONE ONE〉の〈CLIFTON 6〉と〈RINCON〉のインプレッションを。

〈CLIFTON〉は〈CLIFTON 2〉から〈CLIFTON 5〉まで履き続け、その進化を見続けてきたのですが、初めて履いた時の衝撃は忘れられません。友人にススめられるがままにトライしたのが〈CLIFTON 2〉。その不思議な感覚、トランポリンのような、はたまた低反発マットのようななんとも不思議な感覚、それまでにはなかった圧倒的なクッション、ソールの柔らかさに驚かされたわけですが、以来普段履き、帰宅RUN、軽めのjogから少しペースを上げてのランニングまでヘビロテするようになりました。

続く〈CLIFTON 3〉はよりクッション性を強めた印象があり、(ゆっくり目のjogで特に)着地から蹴り出しまで〈メタロッカーテクノロジー〉をより感じられるシューズとしての進化が見られました。

*メタロッカーテクノロジー = 〈HOKA ONE ONE〉が独自に開発したミッドソールテクノロジー。スムーズな足運びを促すため、ドロップを最小限に、かかと部とつま先部を滑らかに削ぎ落とした独特の形状をしている。ロッキンチェアーのようなローリング運動を導き、着地から蹴り出しまで自然で効率的な体重移動を実現する。

〈CLIFTON 4〉は個人的に、それまでの“クリフトン=柔らかいクッション”のイメージをガラリと変えた印象を受けたモデル。反発性が増し、さらにアッパーもエンジニアードメッシュに変更、ラストがややシャープになり、フィット感がUP。より効率的でストレスフリーなまま、スピードを上げて走れるタイプのシューズへとシフトした印象が強い。〈CLIFTON 5〉は〈CLIFTON 4〉とソールユニットは同じで、アッパーのエンジニアードメッシュの編み方が変わった点で、よりそれぞれの足にフィットしやすい仕様変更。より速く走るために細部へこだわった印象でした。

では〈CLIFTON 6〉、そして〈RINCON〉はどうか。

〈CLIFTON 4〉〈CLIFTON 5〉でよりレース向きのモデルへとアプローチを繰り返すなかで、〈RINCON〉が生まれたのだろうと推察しました。それに伴い、〈CLIFTON 6〉は原点回帰したのだろうと。ただ、単純に〈CLIFTON 2〉〈CLIFTON 3〉の頃のスペックへ戻したわけではなく、ブランドとして技術面でのアップデートがあるのは間違いないわけで、過去の良い部分を生かし、かつ余分な点を取り除くよう努めたのだろうと。

ミッドソール、アッパーの感覚はこれまでのどのモデルとも違っています。率直に言って〈CLIFTON 6〉はクッションと反発のベストバランスを探り、かつ限りなく軽さを求めたシューズとの印象を持ちました。これらのファーストインプレッションをもとにフィールドテストするまでの間に考えていたことは「この2足にはそこまで大きな違いはないのではないか?」ということ。ブランドのインフォメーションでも

WEIGHT/(ともに27.0cm計算)
〈RINCON〉:218g
〈CLIFTON 6〉:255g

とウェイトもわずかの差、ドロップもともに5mmです。

それらもろもろのインフォメーションから、今回はそれぞれ1週間内に、スロージョグ、インターバル走、峠走、フリーランで感触をチェックしようと考えました。ポイントとしたのは以下の通り。

<スロージョグ>
走ってみての第一印象、ゆっくり走って何か違いは見つかるのか

<インターバル走>
スピードを上げた場合、〈RINCON〉ではよりスピードを上げたくなるシューズか、また〈CLIFTON 6〉ではどこまでスピードに耐えれるかどうか

<峠走>
何よりブランド創業のテーマとなった「どうしたら膝、足首に負担をかけず、かつスピードを殺さずに下りを走れるか?」(さらなるルーツは「楽に速く山を駆け下りたい」という思いから)という疑問に対し、〈HOKA ONE ONE〉の最新のテクノロジー(メタロッカーテクノロジー)でどれだけ快適性を生み出してくれるのか、無理に出力を上げるようなことはせず、なるべくニュートラルな感覚で走り、その上でどれだけスムーズに、楽に下れるのか

<フリーラン>
インターバルや峠走の後、疲労がある程度溜まったコンディションで、体調を見ながらビルドアップするイメージ。最初をゆっくり、力まずにシューズの力に頼って走って場合、どれくらいのペースで走るのが心地よいかの確認。また出力を上げ(特に後半)多少無理して走った場合、どこまでペースを上げることができるか

〈RINCON〉の方がスピードが出やすいシューズであることから、先に〈RINCON〉、翌週に〈CLIFTON 6〉の順で走りました。峠走のみ、これはフィーリングでしかないのですが、同じ日の感覚で判断したいと思い同日にしています。なぜ先に〈RINCON〉なのか?理由はもし〈CLIFTON 6〉を先にした場合、〈RINCON〉でそのタイムを意識して走れば、そのタイムは楽に超えれると考えたためです。逆に〈CLIFTON 6〉を後にすることで、もしかしたらタイムの差は生まれないのでは?〈CLIFTON 6〉で〈RINCON〉のタイムを上回るようなことになれば、ほぼこの2モデルの差はない。当初のイメージ通りなのではないか、と。

では実際はどうだったか。

見た目の印象としてもっとも違いがあるのがアッパー。〈CLIFTON 6〉のアッパーのメッシュは2重構造、ラバーで補強もされているのに対し、〈RINCON〉はシングルレイヤーで軽量化を図っている。

1:Slow Jog

〈RINCON〉

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〈CLIFTON 6〉

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初回のスロージョグでは特に大きな違いを感じることはありませんでした。強いていうならば、やはり〈CLIFTON 6〉の方が柔らかさを感じ、疲労が溜まっている時のジョグ(実際にどちらも週末に追い込んだ練習のあと月曜日に実施)では、筋疲労のストレスを緩和してくれる印象。ミッドソールは全く同じに見えていましたが、〈RINCON〉はクッションはあれど〈CLIFTON 6〉に比べると硬めな印象。またアッパーのフィット感の点で〈CLIFTON 6〉はソフトかつフィット感があり、多少ランニングフォームが乱れても安定感を失うことはない感覚を得ました。柔軟性、安定性という点で選ぶなら〈CLIFTON 6〉に軍杯ですね。

ミッドソールのデザインは全くと言っていいほど同じ。厚みも変わらずともにヒール29mm、フォアフット24mmと(27.0cmで計測)。〈CLIFTON 6〉のアッパーに施された(白い)ステッチは従来のモデルより軽さを出すため、かつ走行安定性を促すためのデザイン。

スピード走行で爆発力を見せた〈RINCON〉

2:Interval Training

〈RINCON〉

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〈CLIFTON 6〉

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続いてインターバルトレーニング。1000mを3本、トレッドミルで時速17km設定(約3’32/kmペース)で実施。なぜトレッドミルで?と思われる方もいるかもしれません。余談ですが、1人で走ることが多いため、スピードトレーニングをするにはトレッドミルがもってこいなのです。

トレッドミルのため、スプリットがわかりづらいですが、〈RINCON〉ではメニューをコンプリート(ログはは少し短め担っていますが、トレッドミルが時速17kmに達してから3分40秒間で計測)。

逆に〈CLIFTON 6〉では1本目こそこなせたものの、2本目の途中、約500mあたりから時速16.5km(約3’38/kmペース)に下げ、3本目も時速17km設定(約3’32/kmペース)でスタートするも時速16.5km設定(約3’38/kmペース)、<16km/h(約3’45/km)>とダウン。時速17kmではコンプリートできませんでした。

ポイントとなったのはやはりクッションと反発性のバランス。〈CLIFTON 6〉の方がクッション優先な分、接地面でブレが生じると反発力への転換に時間がかかる印象。着地から蹴り出しまでの時間を短くできている(回転数を上げれている)うちはいいのですが、スピードについていくのが難しくなりフォームが乱れてくると、キックする(蹴り出す)タイミングを見誤り、エネルギーロス(空回りして)してペースを落とさざるを得なくなりました。

それに対し〈RINCON〉はクッションは効いているものの蹴り出す瞬間の反発力が予想以上にあり、着地をスウィートスポット(個人の感覚になりますが、ミッドフットやや前め)で捉えられればリラックスしてペースをキープすることができました。3本目では疲労が少し溜まってややフォームが乱れましたが、余裕を持ってやりきることができました。

3:Hill Climb & Down

〈RINCON〉

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〈CLIFTON 6〉

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続いては峠走。これは東京と神奈川県の境目、大垂水峠で行いました。スタートは高尾ICの入り口、距離にして片道約4.3kmです。この間に約200m高度を上げます。途中では斜度が7%になるところもあるのですが、フルマラソンに起きかけた場合、実際これくらいの傾斜は大会によってはあると踏まえ、選びました。

先に下りの話をすると、グラフを見てもらうとわかりますが、4.3km登り切った後、ちょうど5kmから下りに切り替わるように調整しています。
5km以降のスプリットはそれぞれ、


〈RINCON〉では4’00、3’44、3’55、4’00
〈CLIFTON 6〉では4’22、4’00、4’06、4’09

峠付近の斜度がやや急な前半2kmで約15秒から20秒、傾斜がやや緩やかになる後半2kmでは約10秒の差が生まれました。最後の300mほどは流しています。先述した通り、なるべくニュートラルな状態を意識して走っての結果だけに、この差にはとても信ぴょう性を感じました。
〈RINCON〉で走っている最中は特にリラックスすること、力を入れずに足を回転させることを意識しましたが、その反発力はまさにブランドのキーワード“TIME TO FLY”通り。跳ねる、飛ぶ感覚を得られます。

下りでは、足への負荷、特に膝回りに負担もあってしかるべきですが、その点、クッションと反発のバランスが絶妙。沈み込むことなく次の一歩、次の一歩と足が出る感覚があり、乗せられました。走り込みを続ければ出力を上げなくともさらにスムーズにスピードに乗れそうです。

〈CLIFTON 6〉はやはりブレーキのかけ具合のテクニックの点で、抜群の衝撃吸収性を発揮。膝にくる衝撃を皆無と言っていいほどカット。“優しさ”、サポート力を感じました。まさに“マシュマロクッション”の力を感じるところですが、それは「クッションは〈CLIFTON 2〉CLIFTON 3〉ほどではなくとも、同じように衝撃吸収しますよ」と言われたかのよう。特に着地でプロネーションがかかってしまったタイミングでより“優しさ”を感じました。〈CLIFTON 6〉のクッションは〈RINCON〉と比べ、緩やかに沈んで、跳ねる感覚。

上りに関していうと、スプリットは


〈RINCON〉では4’54、4’49、5’12、5’30
〈CLIFTON 6〉では5’13、4’59、5’31、5’47

こちらも傾斜の差が影響している点はあれ、10秒から20秒の違いが出ました。

“厚底=登りに不向き”との考えをちらほら聞きますが、その点に関しては特にストレスを感じることはありませんでした。強いて言うなれば〈CLIFTON 6〉の方がやや重量がある分、後半になるにつれ足裁きが重くはなりましたが、シューズのせいで登りづらいというような感覚はありません。

上りも下り同様に1kmあたり10秒から20秒程度。上りはゆっくりすぎるとエネルギーロスが大きくなるため、少し出力は上げていますが、とはいえなるべくニュートラルな状態を意識して走り出てきた数字なので、もしレースへ出ることを想定した場合、その数字はそのまま直結するのかなと。

安定を取るか、スピードで追い込むかで使い分け

4:Free Run

〈RINCON〉

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〈CLIFTON 6〉

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最後は皇居でのフリーラン。この頃には“意識次第でどこまでもペースアップが可能、爆発力を秘めた〈RINCON〉”と“安定感を頼りにより長い距離を走れる〈CLIFTON 6〉”と、どちらも特徴をよく理解できていました。

トライするポイントは先述の通りですが、さらに〈RINCON〉は目標とするレースペース(3’50/km)で現段階でどれくらいの時間走れるかを、〈CLIFTON 6〉は〈RINCON〉で出したペースを目安とした場合、どれくらいの距離、時間耐えられるか。10秒から20秒あると感じた差がある中で、ペースを上げてどこまで保てるか、攻めてみることにしました。

結果〈RINCON〉はほぼ理想的に5km(皇居1周)ごとにビルドアップし、17kmから18kmの最後の1kmでは、竹橋から千鳥ヶ淵へ向かう登りの区間でありながら3分40秒まで上げることができました。感覚としてそこまでペースアップはしていないのにこのタイムで走れたことで、本命レースでも使える勝負シューズと確信しました。

〈HOKA ONEONE〉のレースシューズ、スピードを意識したモデルとしては〈CARBON X〉〈EVO CARBON ROCKET〉が知られていますが、その2足と比べても見劣りしないのでは。

反発力、推進力の点でソールユニットにカーボンファイバープレートを使用している分、やはり〈CARBON X〉、〈EVO CARBON ROCKET〉に分があるのは間違いないでしょうが、ただ、軽さ(〈CARBON X〉のウェイトは240g、〈EVO CARBON ROCKET〉は〈RINCON〉と同じ218g:ともに27.0cm計算)、クッション、反発のバランスで考えた場合、〈RINCON〉をもっとも気に入る人がいても不思議ではないように思います。

〈CARBON X〉、〈EVO CARBON ROCKET〉ともに試履き程度でしか履いたことはないので、比較することはできませんが、それほど〈RINCON〉は優れたシューズという印象。スピードを上げての走行の安定性、爆発力、素晴らしいものを秘めたシューズです。

そしてこれは個人的な好みになりますが、インソールが固定式なのも良い。ほとんどのシューズが取り外し可能ですが、スピードを上げて走るシューズはできれば固定式がいいと思っています。その点も考慮してくれているのでしょう。手が行き届いています。

ウィークポイントを上げなければいけないとしたら、アウトソールのラバーを最小限にしているため、少しソールが削れやすいかもしれません。しかし過去に履いてきた〈CLIFTON〉シリーズを見る限り、走行距離は申し分なく取れるかと思います(あくまで僕個人のデータとしてですが1000kmは走れます)。

〈CLIFTON 6〉でのフリーランは〈RINCON〉同様皇居3周を目安にスタート。ですが、やや早い段階からサブ3ペース(4’15/km)に入ってしまい(〈RINCON〉のタイムを少し意識しすぎたこともあり)2周でストップ。今回は力んでしまったことで、シューズを重いと感じ、無理に出力を上げて走ってしまった感覚。スピードを上げるという誘惑に負け、距離を走れない、典型的な駄目パターンですね。接地面がぶれぶれになり、余計な力が入り、結果ペースもそこまで上げられず……。

とはいえそれは今回のテストとして想定内。やはり〈CLIFTON 6〉は無理にスピードを上げて走るシューズではなく、どちらかといえば力を入れず、身を委ねて走るタイプのシューズ。その余裕を持って走れば距離を踏むのは問題がないことは過去のモデルでわかっていたことで、今回は〈CLIFTON 6〉を贔屓目に、〈RINCON〉とどれだけの差があるかを計りたかったので、同じようなタイムで走ろうとすると、身体的に無理が生じることが分かりました。

今回はその悪いエビデンスを取ったということで。ランニングエコノミーが高い人であれば〈CLIFTON 6〉で(3’45/km)くらいでも走れそうな気がしますが、僕にとっては5’00/kmをベースに、コンディションに合わせて4’15/kmくらいまでペースを上げて走るシューズ、です。

アウトソールのラバーはヒールと前足部に限定的に。〈RINCON〉の軽さの追求はこの部分からもわかる。

使い分けとしては

〈RINCON〉はレースに向けたスピードトレーニング、またレースで履くシューズ
〈CLIFTON 6〉やや緩めのペース走、ロング走、リカバリージョグなど、体づくりから、スピードトレーニングするまでのコンディション作り、リカバリー時に履くシューズ

と捉えるのがいいのではないでしょうか。〈HOKA ONE ONE〉といえば〈CARBON X〉というほど、今や〈CARBON X〉は大人気ですが〈RINCON〉が秘めている爆発力はぜひ体験してもらいたいですね。現代においてはかなりアフォーダブルなプライス設定も魅力。

〈CLIFTON〉はこれまでのアップデートでスピードが出しやすく進化しているとはいえ、やはりタイムやペースを意識して走るというよりも、走る喜びを一歩一歩感じながら走るためのシューズ。普段ばきとして使いながら、「今日は気分いいし、走ろうかな」なんて思った時に、何も考えずに気軽に走り出せるシューズと改めて認識しました。

同じ形をしたミッドソールでありながら、こうもスピードの面で違いが生まれるとは、今回比較検証して、改めて驚かされました。軽さの点でわずかな違いはあれど、大きな違いはミッドソールのEVAの配合率。これは〈HOKA ONE ONE〉が技術的進歩とともに、時間をかけて十人十色の気持ちの良いはき心地を研究し尽くしたからこそ、(気持ち良い感覚は失わず)スピードを出す〈RINCON〉と、ブランドのベーシックを再認識させてくれるシューズとしての〈CLIFTON〉と、似て非なる二足を発表できたのだと思います。

厚底の極みともいえる〈BONDI〉もやはり注目のシューズですが、この2足がこれからの〈HOKA ONEONE〉・ランニングシューズ部門の、軸となっていくことでしょう。〈RINCON〉は2月に新色も出る模様。乞うご期待です。

HOKA ONE ONE オフィシャルサイト https://www.hokaoneone.jp
CLIFTON特設サイト https://www.hokaoneone.jp/clifton
RINCON特設サイト https://www.hokaoneone.jp/rincon