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RUN SLOWLY

ゆっくり走ると世界が変わる。ランニングが好きになる。

ランニングに必要な機能として筋持久力と心肺機能が挙げられる。筋持久力は着地の衝撃や負荷に耐え、長時間走り続けられる機能のことを指す。

心肺機能は、呼吸によって取り込んだ酸素を身体の隅々にめぐらせる能力のこと。身体中に行き渡った酸素は糖質や脂質を燃やし、走るためのエネルギーを生み出す。

心肺機能を鍛えると運動をしても呼吸が乱れにくくなり、心拍数も上がりにくくなる。つまり疲れにくくなるのだ。

筋持久力と心肺機能、どちらをもアップさせるトレーニングのひとつに「LSD(Long SlowDistance)」がある。文字通り、長距離をゆっくり走るトレーニング法だ。

必要な基礎体力を養え、フォームの細かな修正が可能で、高強度トレーニングの合間のアクティブレストにもなるLSDだが、「長距離なんて走れない!」というランナーには「ゆっくり」走ることをまずはおすすめしたい。

長距離でなくとも十分なメリットがあるからだ。

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高強度トレーニングに比べて身体への負担が少ないため、あまり体力がなくても取り組めること、思い立ったらすぐに行え、継続しやすいこと、痛みや怪我のリスクが低いこと、目標を達成することで自信が付くことなどなど。

定期的な運動習慣になれば、体重減少も望める。ゆっくり走る時間を自分の内面に向き合う思考の時間に当てれば、新しいアイデアが湧いたり、仕事の悩みが解消したり、メンタル面のメリットもある。

ここでいう「ゆっくり」の目安は、「ペースと心拍数(BPM)」記事で紹介したRPEスケールの「楽に感じる」レベル。「ややきつい」と感じたらそれはオーバーペースだ、すぐにペースを落とそう。

ゆっくり走り続けていくうちに、身体がランニングに慣れてくる。身体が慣れれば距離も延ばせる。長距離を走れるようになれば、身体への意識も変わってくる。

それによって食生活が変わった、ライフスタイルが変わったというランナーも少なくない。そう、「ゆっくり走る」があなたの世界を変えてくれるのだ。

監修:齋藤通生

(有)ネオディレクション代表。ベスパエリートアスリートサービスとして活躍する栄養補給のエキスパート。山本健一や望月将悟、高村貴子など、トレイルランナーを中心にエンデュランス系レースで活躍するアスリートをサポートしている。レース前~レース中、レース後の食事と補給、また、日常の食生活からコンディショニングのプランニングに携わっている。