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速さだけではない、選手の個性に注目!

OYM──西本さんはご自身も走られるし、試合観戦の数もすごく多い。

西本 フルマラソンを走るのは、多い時で年4本ぐらいです。去年と今年は1本ぐらいしか走っていないんですけど。自己ベストは3時間10分ちょっと。僕は走り始めたのが10年前くらいで、箱根駅伝や陸上競技に興味をもったのもほぼ同じ時期でした。最初はダイエット目的で走り始めて砧公園を走っていたのが、たまたま駒澤大の選手が走っているのを見かけたんです。そんなにペースも速くなさそうだなと思って付いていったら…肉離れをしました。

それで、翌年に箱根駅伝を見に行ったら、俺を肉離れに追いやった選手が走っていたんです。それが駒澤大学のエースだった宇賀地強という選手。“あいつはすごい”って思って、宇賀地選手の試合を見にいくようになりました。そして、試合に足を運ぶ度に他にも強い選手がいるのを知り、気がついたら世界中のレースに足を運ぶようになりました。それに、不自然な金髪でいると、選手やスタッフもなんとなく覚えてくれるんです。日本からロンドンとかユージーンに取材申請して乗り込んでくるオンラインメディアってなかなかいないですし。

ジェニファー 東京オリンピックはトラックを見に行きます。すごく楽しみ! 3000m障害は女子も男子もあった。

西本 じゃあ、エマ・コバーン(アメリカの女子選手)も見られちゃうわけだ。

ジェニファー 実は、エマ・コバーンが大好きなんですよ。

西本 ちょっと自慢すると、エマ・コバーンにハグしてもらったことがある!

ジェニファー うそー! エマ・コバーンとアンダーアーマーのアイシャは憧れの選手なんです。

西本 ニューヨークシティマラソンに行った時に、エマとジェニー・シンプソンとセントラルパークを走るっていうイベントがあって、エマが世界陸上ロンドンでアメリカ国旗を背負ってウィニングランしているときを撮った写真をもっていったんです。エマに渡したら、エマが「ハグして」って。ということで、世界陸上ドーハもエマに肩入れしてます。

OYM──東京オリンピックの前にも座談会をやるしかないですね。

西本 テレビや雑誌で紹介されるのは日本の選手ばかり。海の向こうからすごい選手がいっぱいやってくるのに、それが取り上げられなさすぎるのがもどかしい。

ジェニファー アメリカのランナー、キャラもすごいし。パーソナリティーがすごく出ている。

桃澤 海外選手の髪型、取り上げてほしいです!

ジェニファー ピアスとかね。

桃澤 あと、ガッツポーズとかアクションをもっと見たいです。自分、マラソンをやりたいと思ったのが、ベルリン世界陸上で佐藤敦之選手を見たからなんですよ。めっちゃ吠えていたじゃないですか。それを見て、すげーって思って、それではまったんです。

ジェニファー ウォーミングアップも人によって違うから面白い。

話はMGCにもどりまして……

西本 MGCに話を戻すと、いろんな選手が出場するけど、コースに合っているか合っていないか、9月という暑い時期に合っているか合っていないかっていうのは、結果をかなり左右するんじゃないかな。見方として覚えておいたほうがいい。

桃澤 MGCって東京オリンピックに向けても、かなり大きな意味になる。実際に東京を走る経験だけじゃなくて、8月のレースにどう調整していくかっていう意味でも、すごい経験になると思うので、大きいと思いますよね。

OYM──東京マラソンとはコースが違いますが、一部かぶる部分もあります。東京マラソンを走っている人は、アドバンテージはあるのでしょうか。

西本 あまり関係ないと思います。路面だけでなく、ビルからの照り返しやコースの高低差は別物ですから。

ジェニファー スタート・ゴールは神宮外苑ですよね。坂はどこにあるんですか。

西本 ラスト37㎞からが上りで、最初下った分だけ、最後、上らなければいけない。本当にボストンのラストみたいな感じ。

桃澤 37㎞から上るのは分かっているので、みんな、そこで仕掛けても同じ。だから、その前に仕掛けるのか……。去年の福岡国際マラソンで服部勇馬選手の後半の追い込みをみんな見ていると思うけど、どういう戦略を立てるのか…。それを考えて練習をやっていると思うんですけど、なかなかそれが読めない。どういうレース展開になるのか、楽しみですよね。

西本 僕だったら、毎日コースをジョグするよね(笑)。

OYM──みんな、下見はしているでしょうね。

桃澤 でも、アップダウンは実際に走らないとダメですね。しかも、スピードを出して走らないと分からない。箱根の5区、6区も、車で下見をする人は多いんですけど、当日に実際に走ると感覚が違うんですよ。実際に速く走るのは大事ですよね。

西本 車で下見をすると、当日は観客や中継車などで景色がかわるんですよね。

ジェニファー いいですよね、そのほうが。

桃澤 コース図にはない、小さなアップダウンが意外に仕掛けどころになることもあるし、意外にダメージになるので、そこも見ておかないと分からない。

西本 あと、路面の悪さ。

桃澤 ビル風も。

OYM──路面の悪さは、歩道を走っただけでは分かりませんね。

桃澤 意外にストレスになるんですよ、路面の悪さって。走っているときに、位置取りを間違えるのもストレスになっちゃう。で、マラソンってストレスを感じると、後半が苦しいんですよね。

西本 毎年、友達とドライブしながら箱根駅伝のコースの路面チェックをやっているんですよ。きれいに見える道路でも、意外に路面が荒れていることもある。

桃澤 平坦なのに、時々いきなり転倒するランナーがいるじゃないですか。あれって、ちょっとだけ盛り上がっているところがあると、リズムが崩れて、こけちゃうんです。そういうのは確認しておかないと分からない。東京って細かいアップダウンがいっぱいあるので、そこは確認しておいたほうがいい。

西本 コースそのものは大きく変わることはないから、研究しがいもあるでしょうしね。

ジェニファー でも、皆さん、たいてい合宿でどっか行っちゃうんですよね、長野とか。

西本 そこで距離が踏めるからね。

桃澤 あとは大会とかを使って、うまく調整してきていますよね。

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mark 12発売記念公開座談会『2020年の東京と、その先に続くレース』9/17に代官山蔦屋で開催!

mark12にご出演いただいた、この3名による公開座談会が決定!MGCの振り返り、来たる2020年のオリンピックに向けての展望、そして走ることの意義について語っていただきます。このページで今ご覧いただいているような、尽きることのなく語られる3者のマラソン・陸上愛とその化学反応を、ぜひライブで。

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