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競争には「自分自身と競う」という側面がある

OYM:先ほど、パーソナルベスト(PB)という話が出てきましたが、Stravaの初期はKOMこそあれど、PBの設定はなかったと記憶しています。PBを導入することになったきっかけは何かありますか? アスリートのモチベーション維持に一役買っているなと実感していますが。

ジェームズ:PBはアスリートをモチベートする上で非常に効果的なものなんだ。ご存知のように、コミュニティが大きくなるにつれてKOMやQOMが盛り上がっていったが、次第に人々の関心がKOMが獲れるか獲れないかということばかりになってきてしまった。そこでまずはフィルター機能を導入したんだ。年齢別あるいは性別でフィルターをかけることで、すべてのアスリートが競争にアクセスできるようにと考えたんだね。

ただ競争というのは他人との競争だけではなく、自分自身との競争という側面もある。そこでパーソナルレコード、パーソナルベストという考え方が出てきたんだ。セグメントに限定せずに過去のランと比べて自分が速くなったかどうかを比べられる『マッチドラン*』という機能も実装している。モチベーション源というのは外部的なもの、あるいは内側から出てくるものの両方があると思うが、その両方からのモチベーション維持に貢献できるようしているんだ。

*Stravaサミット限定機能

Stravaのビジネスモデルは大きく分けて3軸

OYM:Stravaの収益モデルについて教えてください。

ジェームズ:まず収益モデルとして一番大きいところは有料サービスだね。月額625円の『Stravaサミット』に加入すると、トレーニングデータの精度を上げたり、安全面に配慮したビーコンという機能が使えたり、パーソナルヒートマップを見られたりと充実した追加機能を利用できるようになる。そして2つ目の収益源は、『Strava Metro』という事業だ。これは収集したデータを匿名化し、安全に走ることのできる都市計画に対してデータを提供するという事業を行っている。3つ目はRaphaやZwiftといったブランドと協力して行う『スポンサードチャレンジ』。アスリートのモチベーションを高めるのにも役に立つ試みだね。

Stravaサミット ー「全部入り」が人気

OYM:1つ目のStravaサミットは、もともとプレミアムっていうサービスだったものを2018年10月にサミットという形で3種類に分けたと思いますが、3つの中で一番加入者が多いのは? あるいは3つ全部入るという人が多いのでしょうか?

ジェームズ:昨年の8月にプレミアムをStravaサミットに改めた。これは「トレーニング」「セーフティ」「アナリシス」の3つの機能パックからなる有料サービスで、アスリートが必要な機能を使えるようにするための変更だった。だが一番人気なのは、3種をまとめて購入するオールアクセスと呼ばれるパッケージで、これならStravaを使い尽くすことができる。それに料金も3パックを年間で買えばお得になるしね。もちろんそれ以外にも、例えば心拍計を買ったから「アナリシス」機能だけを購入しようなど、別々で必要な機能のみ買われる方もいる。が、全部まとめて入る方が一番多い。

Strava_CEO

アスリートのデータが社会を変えうるパワフルさ

OYM:Strava Metroについて、スポーツが社会に還元される素晴らしい取り組みだと感じました。こういったインフラへの働きかけは、英語圏以外の国でも進んでいるのでしょうか? 日本でもその可能性はあるでしょうか?

ジェームズ:アクティビティを社会に還元していく、というのはまさしく我々のミッションと結びついているところで、コミュニティに貢献するこの事業を誇りに思っている。このStrava Metroでは、オーストラリア、アメリカ、イギリス、その他のヨーロッパ諸国、ラテンアメリカの180以上の都市あるいは都市開発局・計画局とすでに事業を行っている。だがまだ現時点では、日本の自治体や政府当局と話が進んでいる段階ではない。

具体的な事例としては2種類が挙げられる。1つ目はロンドン交通局が行ったような、都市の安全性向上のためにデータを活用するということ。もう1つはコペンハーゲンでサイクリング用の橋を架けたあとの交通量の変化の分析といった、新しいインフラ開発へのデータ提供だね。

(次ページ)日本のユーザーはグローバルの2倍、動いている

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