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(イラスト 伊藤健介/文 小俣雄風太)

ストレングス&コンディショニングとは?

2019年の箱根駅伝で、悲願の初優勝を果たした東海大学の西出仁明コーチが、ウェイトトレーニングを学生の指導に取り入れるにあたり、自らウェイトトレーニングを実践するために通ったのが東京・深川にあるジムGS Performanceだ。主宰する加賀洋平さんは、『ストレングス&コンディショニング』(以下S&C)のスペシャリスト。

このS&Cこそが、ウェイトトレーニングを軸にしたアスリートのパフォーマンスアップの鍵となる概念だ。1960年代後半、ネブラスカ大学の陸上選手だったボイド・エプリーはウェイトトレーニング実践者であり、氏にウェイトの教えを乞うたアメフトチームが全米選手権で2連覇を達成。そこからS&Cの有用性と概念が広まった。

マラソンのようなエンデュランススポーツも対象となるS&C

80年代後半から90年代のスポーツ科学の発展に伴い、その基礎が築かれた。アメリカでS&Cを学んだ加賀さんはその役割を、「『勝利』という目標に対して、できることを全部やる」ことだと前置きした上で、「大元にあるのはウェイトトレーニング指導で、それがアスリートの身体能力を向上させ競技動作の改善につながります。スプリントや方向転換などスポーツ動作の指導、心肺機能の鍛錬、栄養アドバイスなどもS&C指導者の仕事です。それ以外にもS&Cの指導範囲は現在進行形で広がっていて、全てのアスリートを対象として指導ができます」と説明する。もちろん、マラソンのようなエンデュランススポーツも対象となる。

S&Cの最大の利点は「健康」

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ウェイトトレーニングによる身体能力の改善がいかにアスリートの競技力向上を導くのか、加賀さんはその本質に「健康」があるという。「S&C指導者が提供できる一番重要なものは健康です。トレーニングで向上した筋力による競技上の利点は大きいですが、競技力を上げるには練習が必要です。その練習には健康でなければ参加できないし、健康でなければそもそも試合にすら出られません」

持久系競技において昨今トレンドのトレーニング方法にHIIT(高強度インターバルトレーニング)がある。その肝である「短距離・高強度」の練習には、必然的にそれに耐えられる肉体が必要になる。試合本番以上の強度に達する練習に取り組むためには、競技動作で育てた筋力だけでは不十分。ウェイトトレーニングで故障しづらい(=健康な)体を作ることの価値はそこにある。

「膝や股関節の痛みに悩むランナーは少なくありませんが、適切なウェイトトレーニングを実施して筋力と柔軟性をつければ、その改善や予防ができます。長時間走る練習だけをしているとむしろこうした筋肉は落ちていきます。持久系競技にこそウェイトトレーニングが重要なのです」

※2019/4/10発売「mark11 トレーニングは贅沢時間」転載記事

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