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アウトドアやファッションブランドのカタログ、雑誌や絵本のデザイン、書籍『トレイルランナー ヤマケンは笑う』の装丁など、アートディレクター/デザイナーとして幅広く活躍する井口創さん。サーフィンをはじめ、近年はトレイルラン二ングも楽しむ井口さんにとって、スポーツは生活や旅そのものでした。

(写真 古谷勝 / 文 onyourmark)

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鎌倉生まれ、鎌倉育ち。物心がついた頃から、周囲に海や山がある暮らしの中で、サーフカルチャーに触れることは井口さんにとってごく自然のことでした。地元の先輩にサーフィンの教えを請うようになり、海で過ごす時間が次第に増えていったと言います。18歳になると一人でサーフトリップへ出かけるほどサーフィンに没頭していきました。

「いわゆるバックパッカーのスタイルで、一年ほどニュージーランドを旅しました。バンにマットレスを積んで、波乗りをしながら暮らす日々。そこで気付いたのは、サーフィン自体もさることながら、“サーフトリップ”、つまり旅そのものに魅了されたのです。だから、サーフボードを持たずにインドや東南アジアを旅したこともありました」

サーフィンを続けていくために、働く時間を自身で調整できる仕事に就きたいと考えた井口さん。帰国後はフリーランサーを夢みて、以前から興味があったエディトリアルデザイナーという職業に従事。約10年間、デザイン事務所に籍を置き、研鑽を積み続け独立。念願のフリーランサーに転職し自由にサーフィンできる時間ができたものの、部屋にこもって作業する時間も増えたそうです。

「毎日波があるとは限らないから、自分のタイミングでできる息抜きを探していました。そんなある日、空いてる時間に3kmぐらいランニングをしてみたんです。そしたら『これはいいぞ!』ってなって。それからはデスクワークで机も心も散乱し始めたら、それを整理整頓する作業として走るようになりました。ランニングは身一つでいつでも気軽にリセットできるのが魅力ですね」

独立後に始めたランニングでしたが、翌年には初マラソンで3時間37分といきなりサブ4を達成。しかし、そこからタイムを縮めることにさほど興味が持てなかったと言います。そんなときに出合ったのが、クリストファー・マクドゥーガルの名著であり、ランナーのバイブル『BORN TO RUN』でした。同著で登場する走る民族「ララムリ」は、自分たちでゴムのソールを作り、紐を結んだだけのサンダル(ワラーチ)で山岳地帯(トレイル)を100km以上走る。衝撃を受けた井口さんは市販されているワラーチ、ルナサンダルを購入して走ることにしました。

「ワラーチで走るのがとても楽しかったんですよ。走り方を試行錯誤する必要があって、裸足に近い感覚でトレイルを走ってみると様々な気づきがありました。少し大げさだけど、人間らしく自然と調和しているというか、直感的にサーフィンと似てるなと思ったんです、僕がやりたかったのはこれだ!みたいな。トレイルランニングを始めてからは長い距離を気持ちよく走る為に食生活を見直したり、早寝早起になったりとライフスタイルも変える必要を感じ、ボディトリップを楽しんでいました」

現在は葉山の友人達が主催する仙元山トレイルクラブに参加したり、丹沢や箱根のトレイルに出かけるなど、負荷をかけながらも走ることを楽しんでいます。今年はついにウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)を完走、念願の100マイラーの称号を手にしました。さらに、井口さんがトレイルランニングを知るきっかけにもなった石川弘樹さんがプロデュースする信越五岳トレイルランニングレース 100マイルも完走。

「やはりサーフィンとトレイルランニングの楽しみ方は似ているなと思うんです。サーフィンはパドルアウトする時間が苦しいけど、波に乗っている瞬間はとても気持ちいい。トレイルランニングも登りは辛いけど、駆け下りるのは最高に楽しい、それは人生や旅そのものだと思う。そしてトレイルランニングは人生の機微が凝縮された旅のようなスポーツだと思います。これからもスポーツを通して冒険を続けて行きたいですね」

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【名前】井口創
【生年月日】1978年10月13日
【職業or所属】アートディレクター/デザイナー
【やっているスポーツ】サーフィン、トレイルランニング
【URL】soiguchidesign.tumblr.com

お気に入りアイテム

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ルナサンダル
「『BORN TO RUN』の影響もあってルナサンダルで走り始めてからは、走る奥深さを痛感しました」

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