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(文 中島英摩 / 協力 MAGMA

こんにちは、PRプランナーの中島英摩です。
『奥三河パワートレイル』から数か月。レースで故障した肉離れもすっかり治り、次の目標へと向かっています。(過去の記事はこちらから)わたしの次のチャレンジは、今年の夏のビッグレース「UTMB」です。

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ULTRA TRAIL DU MONTBLANC、通称UTMB。ヨーロッパアルプスにそびえる山「モンブラン」の周りを一周する、世界が誇る100マイルレースのひとつ。フランス、スイス、イタリアと国境を跨いで山脈を駆け巡ります。距離は約170km、制限時間は46時間30分。3日間続く長い長い旅。世界中の国々からランナーが集う憧れのレースです。

昨年、UTMBが開催する120km部門のTDSというレースに出走しました。初の海外レースだったのですが、山の壮大さ、息をのむような景色の美しさ、街の盛り上がりなど、すっかり魅了されました。

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昨年のレース風景

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昨年のレース風景

「UTMBを走りたい」。昨年ゴールしたその瞬間にもうすでにその思いは溢れていました。100マイルはロード率70%の仲間とのグループランを走ったのみで、まだ100マイルのトレイルレースの経験はありません。最長距離で120km。そこからさらにフルマラソン以上の距離の山道を走らなければならないわけです。だけど、未知の世界ほど冒険心をくすぐるものはない。思い切って飛び込んでみることにしました。

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UTMBが多くのトレイルランナーの憧れの存在である要素のひとつに「狭き門」であることも挙げられると思います。まずポイント獲得と抽選という大きな関門があります。エントリーには指定された期間内に指定のレースを複数完走し、完走で得られるポイントを指定の数持っている必要があります。経験や走力をもとに、過酷なレースを走るランナーの安全性を配慮してのことでしょう。このシステムは海外のみならず一部の国内レースでも導入されているものです。また、エントリーした後に枠数を大幅に超えた人達を抽選にかけます。抽選に当たってはじめて、出走可能となります。倍率は大会の人気と共に年々高くなっており、落選による翌年の当選率アップなどがあるものの、運も味方に付けなければならないというわけです。

経験と工夫がモノを言う2度目のレース準備
エントリーが確定したら、フライトの準備。多くの日本人選手がトランジットを経て現地入りします。ここで、大事なことはロストバゲージのリスク回避。入念に準備をしても、もしかすると預け荷物がトランジットで紛失!なんてこともあり得るわけです。そこにレースで使用する装備が入っていたらさぁ大変。会場となるフランス、シャモニーの街はアウトドアショップも豊富で何でもたいてい手に入るものの、やはり使い慣れたものでないと心配でしょう。レースに使用するものは基本的に機内持ち込みにするのがオススメです。(機内持ち込みルールに注意)

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現地での過ごし方は、宿は会場にできるだけ近いシャモニーの中心街でアパルトマンを借りています。これは昨年仲間に教えてもらったことで、レース前の体調を整えるためにも、日本から持っていく食べものやスーパーで買うもので自炊をして、できるだけ日常に近い状態を心がけます。食べなれないものや特別なことをしてお腹を壊してしまったら泣けますよね。去年はどん兵衛を持っていきレースの朝に食べて、“いつもどおりの朝”スイッチが入ってとっても良かったんです。また、レース後に胃腸の調子が戻らず食べるものに困った時、おかゆでも持ってくればよかったと思いました。そこで今年は、電子レンジでチンするごはん、乾燥お味噌汁、おにぎりの素、ミニラーメン、麦茶パウダーを持っていくことにしました。

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硬水を飲み慣れていない人にはお茶の粉末がおすすめ。ごはんはおかゆにもおにぎりにもできて便利。

去年の失敗をもとに、アップデートされたレース準備
さて、レース数週間前になりそろそろ荷物の準備もしなければなりません。UTMBにはレース時に持つものに対してレギュレーション=必携品が指定されています。現地で選手登録をしてゼッケンなどを受け取る際やレース中にもレギュレーションチェックがあり、これをきちんと満たしていないとスタートできなかったり減点されたりするのです。

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必携品リスト

昨年のTDS120kmから約40~50km、時間にして10時間超長くなるわけですが、フィールドは同じなのでパッキングはほぼ同じ。ただし、昨年はものすごく天気が良くて気温も高かったのですが、コース最高地点で標高2500m級、天気が悪くなると極寒です。どちらの場合も想定した準備をします。

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去年のパッキング

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今年のパッキング

去年の経験をもとに、細かい部分で見直しを行いました。今年のポイントは必要なものと不要なものを見極めて、無駄にたくさん持たないこと。基本的なことなのかもしれませんが、去年は初めての海外レースで不安が大きくかなり色々詰め込みました。ドロップバッグも同様で、どんなトラブルにも対応できるようにと着替えから食事までパンパンに入れていたものの、結局探すのが手間だったりもして、もう少しシンプルに考えることにしました。

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特にお気に入りはレインジャケット。Mountain HardwearのDRY Q Activeを使ったストレッチオゾニックシリーズです。レインシェルにありがちな「ガサガサ感」がなく、生地がストレッチするので腕振りや身体の動きに対してのストレスがなくて大のお気に入り。重さは276gで収納時もコンパクト。パンツはシューズを履いたままでも脱ぎ着することができるプラズミックイオンパンツ。

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基本のスタイルは、乾きの良いTシャツにショート丈のスパッツに薄手のランパン。去年スタートから履いていたロングタイツは履かない想定です。(もちろん必携品は携行)基本となる格好ではうまく身体の熱を逃がし、必要に応じて防寒着を脱ぎきすることで汗冷えをカバーする作戦です。靴下は濡れても乾きやすいドライマックス。シューズはmontrailのカルドラド。去年TDSで履いたロングセラーBAJADAに似た履き心地ながら、よりグレードアップした感覚。「厚底」でも「裸足系」でもないけれど、どんなシーン、どんな足の状態でもバランスよく走れるのではないかと期待しています。小物系は、必要に応じてゲイターやアームカバーを組み合わせ。ヘッドギアはヘッドバンド。レギュレーションの防寒系のニットキャップはザックの中へ。

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そして、もし万が一、前日になってレースの日が悪天候となった場合のために、予備で厚めのレインジャケット、防寒具は薄手のインサレーションダウンかフリースのどちらかを選択、タイツは通常時のロングタイツと寒い時期向けのサーマルロング。グローブも替えのものを用意しました。

<トレランザック>

昨年は12リットルにパンパンに詰め込んで走ったのですが、今年は6L。本当にこれ、6Lなの?というくらいたっぷり入ります。ファスナーがガバッと開くので荷物の整理もしやすく、ガサガサと少々雑に入れても問題ないのがガサツな私に向き。背面長はちょっぴり長めだけれど背中にフィット。区間ごとの行動食はいつでも取り出しやすいようにNAKEDのウエストバッグに入れることにしました。

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昨年の“あって良かった!”ギアの5本の指に入るアイテムがゼッケンベルト。日本国内のレースでは小さく切ったり折り込んだりしてパンツに付けたりしますが、UTMB各レースでは常にきちんとゼッケンが見えていなければならならず、配布されるゼッケンの袋には良い例悪い例が具体的に示されていて結構厳しいのです。脱ぎ着することも多いため、ウエアに直接付けるのではなくゼッケンベルトは必須!そして、ベルトにゴミを収納するケースを付けておくとより便利。

<その他細かいギア>

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今回、取材も兼ねているのでカメラはGO PROと防水カメラを携行。選手の見ているリアルな光景を撮影してきます!また、お腹を下しやすい私は冷えが大敵で、わずか110gの超軽量保温ボトル(タイガー魔法瓶/夢重力ボトル/200ml)とホッカイロを持参。保温ボトルは食べられなくなった時にも、ジェルをお湯に溶かして流し込んだりすることができるロングレースのお供です。

<補給関係>

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さて、何よりも大切で多くのランナーにとってレースの鍵を握る「補給」。食べられなければ走れない。脱水、嘔吐、ハンガーノック、低血糖。様々な内臓トラブルがランナーを脅かします。ベテランランナーはエイドの食べ物をうまく摂って走れる人もいます。が、しかしなかなかそんな風にうまくコントロールもできず、少ない補給で走れる低燃費さもなく。補給計画は毎回の課題です。

昨年の最も大きな失敗は、暑さ対策と終盤のエネルギー補給。日本と違って空気が乾いていてカラッと暑いので汗をかいている感覚がなく、知らず知らずのうちに脱水になり、さらにその影響でお腹を下し、そして補給がおろそかになる。現地のエイドの食べなれないものを口にするのが心配で手持ちのもので補給をしようにもその多くが調子の悪い状態で食べたくないジェルやグミ。さらに後半になるにつれ、疲れと共に補給が雑になる癖があり、ハンガーノック状態。結局最終的にはゴールから2つ目くらいのエイドからほとんど歩きに。それまでかなり良いスピードでレースを展開していたので、ものすごくもったいないことをした、と後悔しました。

そこでまずは、ミネラルの補給に2つのサプリメント系を導入。奥三河の辛く壮絶だったレースで飲んだMAGMAとミネラル系タブレットを変更して水に溶かすshotzエレクトロライトパウダーを選択。MAGMAは不甲斐ない結果に終わった奥三河パワートレイルで、脚は怪我をしていても胃腸だけは最後まで調子が良かったことを考えると、きっと役立ってくれるはず。日常的にも飲み慣れていて、レース前の現地での栄養補給やコンディションを整える助けにもなることを期待したいと思います。フラボノイドやビタミン、ミネラル等の成分を最大限高めておきたいので、2~3時間に1本。shotzのパウダーは500mlに2本。今まではタブレットを摂り続けていたけれど、必死で走っていたり補給が雑になったりすると摂り忘れること、後半は舌がただれて酸っぱいタブレットを食べたくなくなるのです。

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そして、体質的にお腹を下しやすいジェルの量はやや減らし、ジェル以外は食べなれた固形物を持つ予定。しょう油味の豆、きびだんご、羊羹などの和風なお菓子、黒糖、砂糖の少ないドライフルーツ。夜間の一部のエイドではお湯があるので、乾燥スープを砕いてチャック付袋に2つほど。水があれば1時間ほどで戻るアルファ米おにぎりもまた、夜間のエイドで活躍します。(去年はパスタばかりの中、シャケおにぎりが最高に美味しかった!)これらをエイド毎に保存袋に分け入れて、袋にはエイドの場所と距離などを書き記します。

そして、片方のボトルに入れる麦茶の粉末を持つなどして“普段どおり”に。あとはエイドのクッキーやパンなどを楽しんで食してみようと思います。フランス、スイス、イタリア。3か国のエイドを体験できると思うとなんだかそれも楽しみです。

さて。準備は万端? 装備よりも身体の準備が万端かどうか。肉離れの怪我から復帰して約3ヶ月。山を伸び伸び走れるようになって1か月半。月間走行距離も、筋トレも、山でのトレーニングも、満足いくほど出来たかと言えばとても物足りないですが、気持ちの面では不安よりも楽しみの方が勝り、とにかく制限時間をたっぷり使って完走を目指し、ヨーロッパアルプスの山々を全力で楽しみたいと思っています。

スタートまであと数週間。抑えきれない興奮とともに初の100マイルレースへの挑戦が始まります!

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