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UTMF / STY 閉幕から一夜経ち、FBのウォールやblogにたくさんのエントリーがあがっていますね。それらを見るにつけ、本当に参加した人の数だけストーリーがある大きなインパクトのある大会だったんだなと改めて感じます。

そんな中、自分はといえば『UTMF / STY 日記』としたように毎日状況をアップデートする取材と所属チームのサポートを両立させようなどと都合の良いことを考えていたのですが、そのプランは見事に崩れました。要因はサポートの大変さ(正直なめてました)とレースの想像以上の高速化によるもの。とはいえ、自分の目で3日間をみっちり見てきたのは事実ですので、大会を表現するひとつの視点としてお伝えできればと思います。
(大会前日の記者会見などの模様はこちら

観戦するスポーツとしての魅力
例年通り期待と不安が渦巻くスタートライン、今回は昨年に輪をかけて豪華な顔ぶれです。フランソワ・デンヌ(フランス)、セバスチャン・シニョー(フランス)、イケル・カレラ(スペイン)、女子ではヌリア・ピカス(スペイン)、フランチェスカ・カネパ(イタリア)など国際的なスター選手が並びました。彼らを写真に収めようとゲートへ走っていると後ろから声をかけられました。振り返ると満面の笑みを浮かべた山本健一選手。昨年アンドラのレースに同行したこともあり、今回個人的に最も応援したいと思っていた選手と握手を交わし、気持ちは最高潮に盛り上がります。そしてmarkに寄稿してくれた(トニー・クルピチカのかっこ良い記事)編集者ライターでありながらトップアスリートでもある礒村真介選手、さらにはメキシコでご一緒した石川弘樹選手など、やはり思い入れのある日本人選手がスタートラインに立つ姿をカメラに収め、なんとも言えない高揚感に包まれました。

トレードマークの笑顔を見せてくれた山本健一選手

3回目のUTMF出場となる礒村真介選手

久しぶりの国内レース参戦となった石川弘樹選手

まだ桜の残る河口湖畔をフランソワ・デンヌ選手がトップで飛び出した

時計回りとなった今回のUTMFで彼らと再会できるのは、A3山中湖きらら。4月下旬とはいえ冷え込む湖畔でダウンを着込んでじっと待ちます。

陽が傾いてきたA3山中湖きらら

今年のA3エイドはプライベートエイドポイント用のデスクが用意され、トップ選手のサポートはジェルや替えの装備などをずらりと並べて選手の到着を待っています。特に海外選手の装備にはそれぞれ特徴があり、こうしたものを見ることだけでも非常に興味深いのです。

各チームの装備も見物

そして陽が落ちきった頃、最初にエイドに現れたのは圧倒的なスピードでレースを引っ張るフランソワ・デンヌ、続いてイケル・カレラ。一気にエイド内は慌ただしくなり、その迫力はF1のピットインさながら。UTMB(ウルトラ・トレイル・デュ・モンブラン)の映像で見たままのトップ選手とサポートクルーの息詰まるコンビネーションが繰り広げられます。第一回、第二回はSTYを走っていたため、こうしたトップ選手の様子を見る機会は少なかったのですが、これは観るスポーツとしても相当楽しめるものだということを実感しました。こんな間近でトップアスリートの様子を見ることができる競技はなかなかありませんので「そんな長い距離を走るのはちょっと」という方でも是非一度観戦してみることをお勧めします。

トップでエイドに入ったフランソワ・デンヌ選手(奥)と続いたイケル・カレラ選手(手前)

セバスチャン・シニョー選手は奥さんと相談。不調を訴えているようにも見えるが。

石川弘樹選手はまだまだ上位を狙える位置でA3に到着

相変わらす序盤マイペースを保ち、元気な姿でエイドに現れた山本健一選手

トラブル発生
A3では取材に続いて所属チーム(トレイル鳥羽ちゃんといいます)のUTMF参加選手のサポートに入ります。トップから遅れること2時間弱、チームの選手が到着。2時間遅れとはいえ、一般ランナーの中では相当の強者です。想定タイムよりもかなり速い到着で、本人も清々しい表情。残りの2名のサポート選手も想定タイムを上回る時間で到着。しかしながらひとりは早くも胃の不調を訴え、若干の不安を感じながら次のエイドへと向かいました。

A4すばしりは吹きさらしでサポートも寒さとの戦いです。ここでもサポート選手のうち前のふたりは順調に通過。しかし、もうひとりは最後の下りで足首を捻挫して限りなく赤に近い黄色信号が灯ってしまいました。このトラブルによって前の選手との差が開いたため、サポート班はふたつに分裂、よりマンツーマンに近いかたちの体制になりました。

そして、A7こどもの国。夜明けを迎えUTMFは二日目に入りました。事前の目論見としてはA8西富士中学までサポートをしてそこから離脱し、トップ選手をゴールで迎えるという算段だったのですが、今年のレースはそれを許さない高速レースとなっていました。この時点でなんとフランソワはA10本栖湖のエイドを発っているというのです。さすがにゴールと真反対のA7エイドからゴールに向かうには時間がなさすぎること、チームメイトをA8エイドまで(つまり天子山地へ送り込むまで)は絶対サポートしたいという気持ちがあり、ここからはサポートに徹することを決めました。そして見たのがサポート道ともいうべき、サポートチームの在り方。正直、自分は心の準備ができていなかったことを痛感したのです。

(次回に続きます)