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もう日本のトレイルランニング界最大のお祭りと言って良いでしょう、UTMF(Ultra Trail Mount Fuji) / STY(Shizuoka To Yamanashi) がいよいよ始まります。第一回大会、第二回大会と続けてSTYに参加させて頂いた僕は、今回は取材兼サポートというかたちでこの大会に関わることになりました。

大会前日の4月24日に現地入り、スタート/ゴール地点である河口湖畔の八木崎公園会場に足を運ぶとブースが並び、前日エントリーも始まっていました。目立つのは昨年にも増して国籍豊かなこと。あちこちで様々な言語が飛び交います。当日エントリーもできますから、国内の参加者は仕事の調整などもありなかなか前日エントリーは叶わないという事情もあるでしょうが、それにしても年々国際色が豊かになっていくのがこの大会の特徴だと実感しました。

石川弘樹さんに遭遇。前日エントリーではトップ選手と身近に触れ合えるメリットも

日本のレースに世界の強豪が集まるようになった

国際色豊かなのはトップ選手の顔ぶれにも現れています。午後5時からはスタート会場の向かいのホテルで記者会見が行われました。その中には昨年トル・デ・ジアン優勝のイケル・カレラ(スペイン)、昨年のレユニオンで優勝したフランソワ・デンヌ(フランス)、そしてUTMF連続出場で日本でのファンも多いセバスチャン・シニョー(フランス)など。女子では昨年UTMBで2位となったヌリア・ピカス(スペイン)、トル・デ・ジアン連続優勝のフランチェスカ・カネパ(イタリア)といった実力者が名を連ねています。

イケル・カレラ(スペイン)

フランソワ・デンヌ(フランス)

セバスチャン・シニョー(フランス)

ヌリア・ピカス(スペイン)

フランチェスカ・カネパ(イタリア)

こうした有名選手が集まるようになったのもUTMFがUTWT(Ultra_Trail® World Tour)というシリーズ戦の一つとなったからでしょう。会見ではこのシリーズのプレゼンテーションも行われました。

UTWTは100km以上の世界の象徴的な開催地で行われるレースを束ねたシリーズ戦。2014年は10レースが組み込まれた。

海外メディアからの注目度も高まった。

鏑木毅実行委員長によるコースガイダンス

そして今回走る選手の皆さんや、サポート、応援の方々にとって一番大事だと思われるコースガイダンスが、鏑木毅実行委員長によって行われました。

総評としてはA8(西富士中学校)の前と後では全く性格の異なるコースであること、つまり前半は比較的走れるコース、後半は日本ならではの厳しい山岳コースとなる。特に前半余裕を持って、後半に備えることが重要になるということが強調されました。
それを踏まえた上で、コース上のポイントが5つ示されました。

1)A1〜A2の間の扚子山の下りはテクニカルで走ることは困難。注意して降りること。
2)三国山地はマーキングが他のエリアに比べて少ないのでコースアウトに注意すること。とはいえここは日本の山の素晴らしい部分を味わえるエリア。楽しいんで欲しい。
3)水ヶ塚の先もコースアウトに注意
4)W1粟倉からA8までは標高図には出てこない細かなアップダウンがあるので念頭においておくこと。
5)この大会のハイライトになるのがA8から先の天子山地。スリッピーなコンディションとなっており、特に雪見岳からの下りは注意が必要。

また本栖湖周辺のエリアが新たにコースに組み込まれたことでトップ選手で1時間半〜1時間40分が加算されることになるだろうとのこと。例えば時計回りだった第一回でジュリアン・ショリエは18時間53分で優勝したが、今回のコースであれば20時間ほどかかっただろうとのこと。とはいえ、今回は選手層も厚く、優勝者が20時間を切ることは間違いないだろうと予想していました。

本栖湖周辺のコース試走

鏑木実行委員長も触れていた本栖湖周辺のエリアですが、実は記者会見前に走ってみました。まずコース変更に伴いエイドステーションも少し奥まった「本栖湖いこいの森キャンプ場」に変更。この脇のトレイルから登って行きます。ここから300m強の登りで中ノ倉山まではフレッシュな足では大したことはありませんが、天子山地を越えてきた選手にとっては「また登らされるのか!」と気持ちが萎えるポイントになりそうです。登りきってしまえば、比較的走れるトレイルが続きますが、時々岩の多いテクカルな場所も顔を出すので、調子に乗って進んで足をすくわれないように注意が必要。

もう一度パノラマ台まで登り返して、烏帽子山からは一気に下ります。この下りもつづら折れの走りやすい下りですが、ここまで長い距離を進んできた選手には堪える下りになるでしょう。全体としてトラバースする部分が痩せていることが多く、選手にはここを注意して怪我なく進んでほしいなと思いました。

さて、間もなく待ちに待った大会がスタートします。この3日間でどんなドラマが生まれるのか楽しみですね。