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(文 AI / 構成・写真 村松亮)

 以前、onyourmarkのNEWSでも取り上げた『yoga smile』とは、関西エリアで最大級の規模を誇り、2007年にスタートして今年の5月で10回目を迎えたヨガイベントのことです。このイベントの魅力とは非常にシンプル、ヨガを通じて日本文化を再発見できること。

 ここでは、2013 春の会をレポートしますが、10月に実施される『yoga smile』2013 秋の会の予約も先日スタート。気になる方は公式サイトをご覧ください!

お寺とヨガがうみだす相乗効果
座禅とはつまり?

 舞台となるのは、京都最古の禅寺、建仁寺、両足院。普段は一般公開されていない歴史と伝統のあるお寺です。両足院の副住職でもあり、このイベントを支える伊藤東凌さんはずばり、このイベントの核心部分を端的に話してくれました。

「私はヨガと出会ったことで、”坐禅”のイメージがガラっと変わりました。”坐禅”とは宗教的な行為で、スピリチュアル的なもの。ずっとそう思っていましたが、本当は日本人がみんな持っている “ちょっと座って心を落ち着かせてみる” そういうことに近いと。つまり、心地よくする術を知り、呼吸と体を繋げ、どうやって良い状態へ持って行くのかの技術のこと。それはまさにヨガそのものとも言えるんです。だから、今の自分の坐禅は、ヨガをやっているのか、禅をやっているのか、おおげさに言うと線引きができないんです。結局、2つは大きく繋がってるんだと思いますね」(両足院の副住職・伊藤)

 禅とヨガ、この2つは本質的には同じものだと言います。なぜなら最終的にたどり着きたい目的地が同じで、ただ道のりの違う1つ1つのツールにすぎないから、なのかもしれません。ではいったい、そもそも坐禅とは何なのか?

坐禅とは、まさにヨガである

 坐禅とは、姿勢を正して坐った状態、精神統一を行う禅の基本的な修行法をさし、ココロを整える、無にするものと言われています。しかしいざ坐禅をすると、力んだり緊張したり、更に人から見られているという方向意識が働くことで、当初の目的とはかけ離れたものになるのだとか。副住職の伊藤東凌さんはさらに続けます。

「まずはカラダが整っていて、呼吸がベストに近く整っていなければ、”ココロが良い状態に” なんてことはあり得ないと思うんです。つまり、まずは器をつくること。そしてその中に健全なココロと健全なカラダが宿る。ヨガの方法論を学ぶこと、呼吸をとりポーズをとることは自然にカラダの意識を高めてくれます。たとえば、スポーツを通じて “力を入れる”ことを意識できる方はとても多いと思いますが、ヨガのように緩める・解くということを理解することはなかなか難しいと思うんです。これは禅にも非常に役に立ちますね」(両足院の副住職・伊藤)

 ライフワークにヨガやスポーツを取り入れている方の多くはこの”器”の感覚を持っているように思います。“自分と向き合い、調整する”、このチューニング作業の繰り返しが禅でありヨガであり、スポーツ。そして伊藤さんのような、お寺の副住職という立場の方にも私たちと共通の意識があることはとても興味深いことでした。

マニュアルでは測れない、自分でしか体感できない
ヨガを深めるための考え方について

 今回、沢山の魅力的な先生が参加するなかで、ケン・ハラクマ先生とHIKARU先生にお話を伺いました。

 日本のヨガの第一人者として、世界中を飛び回りヨガを伝えるケン・ハラクマ先生、お会いするのは今回が初めてでしたが想像以上に魅力的な方でした。もともとケン先生は京都を始め、お寺でのヨガクラスやワークショップなどを定期的に開催されていますが、意外にもヨガスマイルへの参加は今回が初めてとなったようです。そもそも、“お寺でヨガをする”こと、これにはどんな意味があるのでしょうか。

「お寺のプログラムの場合、仏教の教えとか考え方をお寺サイドとシェアして、時には住職さんにはプログラムの中を一緒に手伝ってもらうこともあります。あとはこの静かな空間でヨガをする、普段と内容は同じでも “静的な部分”というものを大切に指導します」(ケンハラクマ)

 そのときどきで、ケン先生のヨガは変化し、ヨガというツール1つをとっても、多様化するのだと話します。

「たとえば近年、ヨガに触れている人の多くは、圧倒的に女性の方が多いけれど、歴史のル-ツをたどればヨガとは、元々は男性が主体となって考えられていたプログラムなんです。でも実際にヨガをするのはほとんどが女性。となると、おのずとプログラムの内容や価値観、向かう方向性も、女性に受け入れられるような形に変わっていきます。これは今、ヨガを伝える、指導する際の大きな課題にもなっています。要は自分の練習としてのヨガの方向性と、伝えていくヨガの価値観、これは全く違うわけなんです。同じものを求めれば、女性にとっては相当ストレスがかかります。男性ならふんどし1つですむ話も、そんなわけにはいかない(笑)。ウエアやヨガマット、食べるもの、どんどんその違いは広がっているとも言えますね」(ケンハラクマ)

 男性と女性では骨格や筋力など目に見える部分はもちろん、ライフスタイルにも大きな違いがあります。

「結局、全員を同じ場所へ引っぱることが良いとは言いきれません。なのでポーズの仕方1つにしても、どういう風にしたら心地良いのか、今の自分のカラダがどういう状態になっているのか、そういうことを捉えながら練習するべきだってよく伝えていますね。女性の場合はとくに、生理周期という大きな流れの中で生活をする、だから毎日同じことを続けるのは凄く大変ですし、その日の状況でカラダとの向き合い方を変えていかないといけない。10人なり20人なり100人がいて、伝える側は1人、でも伝わる側の100人が、それぞれのヨガのスタイルがあっていい。早くそれを自分で発見していけるように指導していますね。ポーズひとつにしても、ライフスタイルひとつにしてもね」(ケンハラクマ)

 自身が学んできたことや、伝統や風習、それらをベースに据えながらも、柔軟なココロとカラダを持つケン先生。一度レッスンを受ければその魅力の虜になってしまうのも頷けます。伝える側の意識、これは現代ヨガの形をひも解く上でも1つの重要な要素と言えます。

神聖な感覚を記憶させる
日常の中に持ち帰ることができたなら

 シヴァナンダヨガ正式指導者で、Yoga-One東京主宰でもあるHIKARU先生は、アーユルヴェーダ・ライフスタイル・カウンセラーとしても活躍されています。HIKARU先生は、イベント立ち上げ当初から毎年参加されているので、まさにこのイベントを作り上げ、支えてきたひとりと言えます。普段からお寺や神社という場所が好きで、自身で訪れる機会も多いというHIKARU先生。お寺でヨガをすること、その魅力についてHIKARU先生ならではの視点がありました。

「この場所でヨガを伝えるときは、普段スタジオでおこなっているライティングや雰囲気づくりといった演出が一切いらないんです。むしろ、そのままでいいんです。これはインストラクターとしてすごくありがたいことなんです。わざわざ神聖モードを作り上げなくても、もうそこに神聖な空気が存在する。ですから、この場所での良い経験を少しでも日常の中に持ち帰ることができたなら、この場所でチャージした感覚をいつでも呼び起こせるようになるんじゃないかなって思うんです。それができたら、ヨガがもっと素晴らしいツールになりますよね(笑)」(HIKARU)

数千年の歴史のあるヨガの練習方法の中でも、ポーズの練習は1番分かりやすく、最もポピュラーなものです。実際に練習を続けていくことでカラダに変化があり、やがてココロにも変化が訪れる。このイベントは整った肉体とともに、神聖なる場所で、神聖なところへとつながっていく感覚と出会える。それが何よりの魅力なんだと思いますね」

 ヨガとは旅することーー そう言われることがあります。ヨガの練習を続ける中で、カラダの柔軟性やポーズのアライメントを意識し、カラダを通して自分自身を知ることもできます。でも一方で、カラダへの意識についついココロを引っぱられることもあります。もちろん、どちらも大切な要素です。ですから私たちは、ツールとしてのヨガをどのように深め、その感覚を知った先には何をみるのか。それを探し求めることはとてもわくわくしますよね。

待望の第11回目『yoga smile』2013 秋 開催!
クラスの予約がスタートしました

『yoga smile』2013 秋
日程:2014年10月18(金)、19日(土)、20日(日)
場所:建仁寺 両足院 京都府京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町591
yoga smile公式サイト:http://www.yogasmile.jp

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