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(写真 依田純子 / 文 小矢島一江 / 動画 TOTAL TIME 1:21 記事最下段

スイム、バイク、ラン。3つの練習メニューをこなす毎日に、キレイな小麦色へと日焼けしたトライアスリートの丹羽なほ子さん。競技への取り組みはやがて、自身の身体に摂取する食べ物への関心へとつながりました。ローフードマイスターとしての顔も持つ丹羽さんの日常に、ヘルシーなライフスタイルのヒントを探ります。

トライアスロンとの出会い

トライアスロンを始めたのは、モデルをしていた5年前くらいのことです。たまたまトライアスロンをやっている仲間たちに誘われて、ノリでエントリーしたのがきっかけでした。それまで運動らしい運動はほとんど経験がなく、海で泳いだことすらなかったのですが、とりあえずカタチから入ろうと思って、おしゃれなロードバイクを買うところからスタートしたんです。

初出場の大会はもちろん緊張したのですが、ショート・ディスタンス(スイム1500m、バイク40km、ラン10km)だったこともあって、いざレースが始まると、あっという間に終わってしまい、もっとレースをしていたいって思ったんです。それまでは割と何をするにも飽き性だったのですが、トライアスロンは飽きずに続けられるんですよね。自然が相手のレースなので、予測できないことが起こるし、3種目もあるので、次のレースではもっとこうしようと思うポイントがたくさんあって、それをもうずっとくり返している感じです。

今目標にしているのは、日本で行われるアイアンマン70.3(スイム1.9km、バイク90.1km、ラン21.1km)でスロット(予選通過枠)を取ることです。そうするとハワイのアイアンマンワールドチャンピオンシップに出場することができるのですが、そのためには年代別で2位以内に入らないといけません。トレーニングメソッドやフォーム等は、日々どんどん進化していくのですが、今はチームの仲間と、練習会やFaceboookで情報をシェアしながら、トレーニングに励んでいるところです。

続ける秘訣は、ストイックになりすぎないこと

トライアスロンをやるようになってから、ある時期タイムが伸び悩んでしまい、何を変えたらいいんだろうと試行錯誤していたことがありました。その時、たまたまハワイへ行き、現地の友だちが食生活にローフードを取り入れていたことがきっかけで、わたしも興味を持つようになったんです。
ローフードは、食材を極力生で摂取する食生活のことで、加熱によって失われがちな酵素やビタミン、ミネラルを効率よく摂取することができると言われています。2年くらい前から本格的に勉強を始めて、ローフードマイスターの資格も取りました。
ローフードを実践するには、ストイックにならなければいけないと誤解している方も多いのですが、私は毎日のようにお酒も飲んでいるし、だいたい1日の半分くらいをローフードにするイメージで、1日の総体でバランスを取れればOKなんですよ。

普段は、朝食にフルーツを食べるかスムージーを飲んで、お昼はボウルに一杯のサラダを食べた後に、玄米かパンを食べます。夜はその日の体調や予定次第で、特に制限せずに何でも好きなものを食べています。
それだけでも体調はとてもよくなりました。ローフードは、食物がもともと持っている消化酵素を壊さずに摂取できるので、消化に負担がかからないと言われています。以前は食事の度に眠くなってしまったのですが、それがなくなったのは、身体への負担が減ったからだと思いますし、内臓はいつも調子よくて、疲れにくくなり、持久力もつきました。海外のアスリートもベジタリアンやローフーディストの方がすごく多いですね。
ストイックになりすぎずに、1日のバランスの中で食事を楽しむ。それが続けるための何よりの秘訣だと思います。

アスリートのためのローフード講座

お酒は、レース前の1週間はさすがに控えたりしますが、終わった後の仲間との打ち上げがまた楽しみだったりするので、やめるつもりもないですね(笑)。
ただ、けっこうみんな、レースが終わると、すぐにビールを飲んでしまったりするのですが、その前にスムージーを飲んだり、サプリを取り入れたりするだけで、身体への負担が全然変わってくるんですよ。そうすると次の日も、アクティブレストと言って、ちょっと身体を動かすことによって疲労を取ることにも繋げやすくなります。
これからはローフードマイスターの資格を生かして、そういった知識だったり、ローフードによるエネルギーバー作りを教えたりする、アスリート向けのローフード講座をやっていきたいと思っています。

岐阜から発信するナチュラルフード

これだけ毎日野菜や果物に触れていると、やっぱり食材そのもののルーツや美味しさにどんどん興味が湧くようになり、昨年7月には故郷の岐阜に拠点を移したんです。仕事を引退した両親が、セカンドライフで有機栽培の畑をやっているのですが、これがかなり本格的で、野菜も果物もお米も作っているんです。母の手作りの野菜ジャムは、地元でとても人気になっていて、今は両親を手伝いながら、生産者の立場からナチュラルフードを発信しています。ラジオNIKKEIでは農業がテーマのラジオ番組もやらせていただき、日本各地に農業つながりの仲間もできました。東京では、ローフードの講座を開催しているので、今は東京と地元とを行き来する生活です。

岐阜はトライアスロンの練習環境としても申し分ないですし、所属しているトライアスロンのチームの名古屋支部も、すごくレベルが高くて、刺激になる仲間もいっぱいいます。

これからはいろいろなところを自由に行き来しながら、理想のライフスタイルを実践していけたらいいなと思っています。

(丹羽なほ子 TOTAL TIME 1:21 |撮影 室伏努)

 

丹羽なほ子(にわ・なほこ)
1979年生まれ。モデルとしてCMなどで活躍するほか、東京広尾の「ISLAND VEGGIE」にてローフードマイスターとしても活動。6年前から始めたトライアスロンでは、2011年、ロタブルー・トライアスロン女子の部で優勝したのを始め、2013年6月にはIRONMAN 70.3 Japan大会で世界選手権出場権を獲得。9月8日にラスベガスで行われたワールド・チャンピオンシップに出場するなどアスリートとしても注目される。
▶丹羽なほ子さんによるonyourmark blog