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プロトライアスリートでトライアスロンチーム Sunny Fish代表の平松弘道君☝の主催、オーストラリアのエナジージェルブランド、Shotz Sports Nutritionの社長であるDarryl Grifiths 氏のセミナーに参加してきました。

Darryl氏はIronman 世界選手権 2012で優勝したピートジェイコブスの補給戦略をプランし、裏方として支え彼を世界チャンピオンにしたすごい人。そんな「補給のプロフェッショナル」の話は、めちゃくちゃ面白く、ためになる話でした。これからトライアスロン、マラソン、トレラン等のレースがある方に内容をご紹介します。

長くなりますので結論を先に言っちゃうと、胃への負担を出来るだけ軽く、そして効率的に外部から水分とエネルギーを補給する為にはエネルギー補給と水分補給は分けて別の物として考えよう!!!って事でした。

さあ突然登場してもらいますがここに日本のトッププロトライアスリート、ヒラマツコウドウ選手がいます。
アイアンマンのバイクパート(180km)を約5時間で走るスーパーマン。
そんなコウドウ選手、1時間のインドアローラー台の自転車トレーニングをレースペースで漕ぎ、発汗量と消費カロリーを調べました。


すると、発汗量:2.5L、消費カロリー:800 K cal
という結果でした。

補給で大事になる2点は1:水分(ナトリウム含む)と2:エネルギー、先にも書きましたが、この2つを分けて考えるのが重要。

まず1の発汗で失われる水分の補給について。

発汗で体から失われる水分とナトリウム、この2つを外部からの補給によって体に取り込んでいかないと、脱水とかナトリウム不足の症状が出てしまいます。一般的に言われているのは1時間あたり約1Lの水分が、外部から補うことのできる量のマックスだそうです。先ほどバイクトレーニングをしたコウドウ選手は1時間あたり2.5Lも汗をかいているので1.5L分は不足分になってしまいます。
ここで重要なのが、失った水分を100%補う事はできなくても、できるだけ不足分を少なくする様にする事です。そして水分が不足した状態でも動き続ける事ができる体はトレーニングを通じて作っていけるそうです。

そして水分補給時に重要なのが汗に含まれて体から失われるナトリウムの補給です。
人は個人差がありますが、1Lの汗に800mgから1800mg のナトリウムを含んでいます。コウドウ選手の場合は別のリサーチを経て1000mgのナトリウムが含まれていることが分かっています。よって、コウドウ選手の2.5Lの汗には2500mgのナトリウムが含まれていることが分かります。

アイアンマンレースのバイクパート180kmを約5時間で走りきるコウドウ選手は バイクパートだけで2500mg X 5時間: 12500mgのナトリウムを失います。人間が補給できるナトリウムの最大は1時間あたり1200-1300mgと言われ、ここでも水分同様、出来る限りロスを少なくするために、効率的にナトリウムを補給していく必要があります。
DarrylのShotzブランドから出ているShotz Electrolyte Tabletには1つのタブレットに約500mgのナトリウムが含まれており、これを溶かすタブレットの個数をレースの長さや気温等に応じて調整して水に溶かしてナトリウム不足にならないよう、 不足するナトリウム補給をしましょうって事でした。

そして水分補給として甘味料の入った甘さのあるスポーツドリンクで水分補給をする事についてです。そういうスポーツドリンクはショ糖(スクロース)で甘みが加えられていて、ショ糖は体がなかなか分解できません。ショ糖が分解されてエネルギーとして使われるまでには体内で長い時間と大きなエネルギーを要するのと、体の水分を使ってしまう事、さらに含まれるショ糖が胃に無駄な膨満感を与えてしまうので多量の水分を補給しなくてはいけない時には不向きです。レースや長時間のトレーニング時などはノンカロリーでナトリウムを始めとした電解質を多く含むタブレットを 水に溶かした物を飲むようにするのが良いそうです。

次にエネルギー補給について。

上に書いた通り、バイクでコウドウ選手は1時間あたり800k Calも消費します。アイアンマンレースの5時間のバイクで4000K calにもなります。(さらにアイアンマンではこの前に3.8kの水泳もしているので、実際はもっと消費している事になります)

この消費カロリーを補う為に積極的にエネルギー補給をしていかなくてはいけないのですが、ここにも人間の補給できる最大量があり、1時間あたり(個人差はありますが)350K calと言われているそうです。なので、水分補給同様、運動で失うエネルギーを出来る限り補給で補っていく事になります。

Shotz Energy Gelは1本(33ml)当たり117 Kcal のカロリーが含まれているので、人間が1時間に吸収できるエネルギー量、350K calをカバーするのに、おおよそ3本のShotz(:117K cal X 3)を飲む計算になります。という事は、20分に1本ペース。ひえーーー。。

ここで非常に面白いコンセプトが Energy to Volume Ratio(エナジーボリューム比率)です。要は、どれだけ「効率的」にカロリーを摂取するかという事です。例えば、同じエナジージェルで補給するとして、そのジェル1本をそのまま飲み込むのと、500mlの水にジェルを溶かして飲むのだと、前者の方が体に取り込む容量は少なく同じだけのエネルギーを摂取することができるので効率的である、という事です。
エナジージェルの優れている点はこのEnergy to Volume Ratioが非常に高い(:少ない容量でエネルギーを補給できる)事に加えて、吸収が早い事です。食べ物を食べると胃の中で消化されてchyme(:どろどろしたお粥の様な状態)になってから吸収されていきますが、ジェルは最初からこのchyme状態になっているので消化のプロセスが短く吸収も早いのです。さらにShotz ジェルは体内で素早くエネルギーに転換される炭水化物:Carbohydrateで出来ているので素早く補給吸収でき、また血糖値を一定に保つそうです。まあ、ジェルのみで補給するのがどうやっても難しい人は多少の水を一緒に飲むのもありだそうです。 その場合は甘みのない水分を!

さらに、個人的に非常に興味のあったカフェイン入りのジェルについても質問したところ、カフェイン入りのジェルはレースも終盤にさしかかって、「あーなんでこんな事やってるんだろ」とか「そもそもなんでエントリーなんかしたんだろ」とか、「あーもうやめたい」とかまあ、数え上げればきりがないほどのネガティブシンキングが頭の中に浮かんできた頃にすぱ!っと入れると効果があるそう。カフェインは興奮作用があるので、最初から飲んでいると本来よりも自分の調子がいいように思えオーバーペースになったりするリスクが高いそうです。

以上、非常に長くなりましたが、本当に面白い話を聞くことができました。

長時間の運動をする時に欠かすことのできない水分とエネルギーの補給ですが、体に負担をかけずに、効率よく補給をするように心がける事が大事なんですね。

そんなジェルだけがんがん食べれないよ、という人も大勢いると思います。僕も実はそうで、今まで水にジェルを溶かして飲んでいました。そんな人は、トレーニングの時からジェルを食べるトレーニングをしてください、と、Darryl 氏は言ってました。色んな味もでていますしね。

これからトライアスロン、マラソン、トレラン等のレースに出る方、特に長いレースで補給が大事になる方、ぜひ参考にしてみてください。そしてジェルを試す時は是非トレーニングの時にも体に合うのか試してから、レースで試してみてください!!

ヒラマツ君、面白い話を聞かせてもらえる機会をありがとうございました!8月末のアイアンマンジャパンでかっ飛ばしてくださいー!

LINK to :Shotz Japan