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「都会で気持ちよく暮らす」
そのヒントを探してアメリカの街を巡り、
さらに毎日10km走る、という今回の旅。
その大半を過ごすアメリカ西海岸カリフォルニアは
とにかくラン・フレンドリー(ランナーに優しい環境)である。

まずは気候。
カリフォルニアは一年を通して晴れの日が多い。
まったく雨が降らないという訳ではないが、
東京に比べれば、その割合は圧倒的に低い。
降ったとしても小雨が多く、そもそも傘をさすという文化すら無い。

さらにカリフォルニアの代名詞とも言える、カリフォルニア・サンシャイン。
直射日光の強さ?というか光の量が東京とは比べものにならない。
冬は朝と夜、また海沿いなど風が強く吹く場所は冷えるものの、
日中は日が照っていれば半袖でも大丈夫なぐらいだ。

毎朝、窓を開けると、いい天気。
単純なことだが、それだけで気分が明るくなし、
自然と「なんか走りたい気分なんだ」となる。

そんな気候とともに、気分をアゲてくれる大きな要素として
街と自然との距離の近さがある。
カリフォルニアには海も山も川も森も豊富にある。
ニュアンスとしては、
大都市の近くに大自然がある、というよりも
大自然の中に大都市がある、というほうが正しい。

さっきまでビルの間を走っていたのに、いきなり森に迷い込んだり、
おしゃれな街角を走り抜けたら、いきなり水平線が出現したり、
住宅地を走っていたら、いきなりトレイルランになったりする。

そのうえ、視界の約50%を占める真っ青な空。
少し走れば、すぐに息をのんでしまうような景色に巡り会う。
まさに毎回が冒険なのである。

そして、人。
とにかくカリフォルニアには、
ランニングだけでなくヨガやジム通いなど、
ワークアウトをしている人が多い。
「あ、君も走ってるんだ?じゃあ今度一緒に走ろう」とか、
「バイクツーリングに良い場所があるぜ。眺めが最高だから」とか
「イイ感じのヨガスタジオみつけたの。だから二股かけてるの」とか、
みんな、なにかしらのワークアウト情報をもっている。
よってワークアウトは特別なことではなく、
生活の一部と言っても過言ではない。

事実、街角のカフェやスーパーなどでも、
明らかに「ワークアウト帰りの格好」の人たちがたくさんいる。
(そして悔しいぐらいかっこいいのである)

さらに、なによりも心地良いのは、挨拶である。
(これはランニングに限った話ではないのかもしれないが)
もちろん全員が全員、ちゃんと挨拶をする訳ではないが、
大半がすれ違う時に声を掛け合ったり、目で挨拶をしたり、
笑顔を交わしたりする。

日本だと、登山をする時に少しある、あの風習。
それはやはり、気持ちよいのである。

ラン・フレンドリー。
それはダイエットや健康のために
「走らなきゃいけない」と思ってしまう環境ではなく、
自然に「なんか走りたい気分なんだ」と心と体が思う環境。
さらに言うと、
「明日も走りたいな」と思える誘惑がたくさんある環境なのだ。

そんなことを考えているとあっという間に10km。
見逃してしまった景色を求めて、明日も同じ場所を走るのである。

引地 海(ひきじ かい)
1980年生まれ。カリフォルニア州サンディエゴ出身の帰国子女。広告代理店を経て現在は(株)THINK GREEN PRODUCEにプランニング・ディレクターとして勤務。思春期に、カリフォルニア仕込みのメキシカンフードを食べて育ったため、東京でもメキシカン・レストランを探すのが趣味。好物はワカモレとハラペーニョ。
http://www.tgp.co.jp/

(文・写真 引地海)

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