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2012年10月21日に初の開催となった「ちばアクアラインマラソン 2012」。“封鎖したアクアラインを1万5千人のランナーが走れる” ことで、話題となったこの大会をonyourmark編集部員の村松が走ってきました。

onyourmarkを立ち上げた2011年の夏からヨガをはじめて、小学校の頃からやってきたフットサルとサッカーは時折、肝心のランニングはといえば、大会数カ月前の昨年7月から。いわゆるエントリーランナーでした。

「〇〇をはじめて人生が変わった」という美談はよく耳にしますが、ランニングやヨガは、この〇〇に当てはめられることが多い。とくにフルマラソンは、見えない景色が見えた、涙を止めることができないほど感動した、と、ゴール後に待ち受ける思いの数々。それが僕にも同じようにあったのかといえば、感動はあったにせよ、少し違ったものでした。

大会を終えて、新年も迎えて、だーいぶ遅れてのレポートになってしまったことに理由がないわけではありません。

42.195キロを走り切ったからこそ、分かることがあるとするなら、それに気づくことができたのが、僕の場合は大会を終えて、今だったということ。「おお、なるほどな」と、年始のこの時期に腑に落ちたわけです。

さて、それは何なのか―。

「当分いい」「もう走らないかも」
フル完走者の声でよく耳にすること

僕にとっての幸運は、手前味噌ながらも、オフビートランナーズという連載を担当していることでした。速く、長い距離を走ることが讃えられ、いい記録を狙い、フルマラソンを完走することがエラい。それがランニングのすべてはない、ということを数名のランナーから学びました。通常、フルマラソンへエントリーするとなると、目標はサブ3、またはサブ4と、高い目標をもって挑み、むろん、そっちの方が勇ましいし、モテそうですが、僕が立てた目標は、どれだけフルマラソンというものを楽しめるか。言葉にするとむず痒いですが、まあ、そういったものに近かったのです。

フルマラソンを走ったのを機に、日常的に走ることをやめてしまう、そんな人は少なくありません。せっかく身に付いたランニングの習慣を失いたくはない、理想は生涯ランニングを楽しめるような基盤をここで作れること。そのために、42.195キロにチャレンジしてみよう、といった気持ちでトレーニングをスタートしたわけです。

“生活にランニングが根付いているか”
テストとして試されているような準備期間

週3~4回、なるべく長い距離を、同じペースで走る。平日の朝は5~7キロ、休日は10キロ~20キロ。定石どおり、一ヶ月前には30キロも走りました。数字だけでみると、良い準備ができたようにも見えますが、決定的に欠けていたことがありました。それは、“レースを走る自分をイメージして練習してなかった” こと。

たとえば、ちばアクアラインマラソンのコースには複数の坂道が登場しますが、僕は一度も坂道のトレーニングをしてきませんでした。フラットな道を42.195キロ走れるカラダを準備できたかどうかも不明でしたが、ちばアクアラインマラソンのコースを完走できるカラダを作ろうとは、はなから考えられていなかったわけです。

反省点の方が多いものの、良かったこともあります。いざ大会を目指してみて感じたのは、準備期間こそ、毎日のワークライフバランスがいつも以上に重要だということを知りました。というのも、良い準備をするためには、“この時期にこれぐらいはやっておかないといけない”という目安があります。それをこなすには、いつも以上にライフスタイルを整えないといけない。些細な体調不良は仕事人の常かもしれませんが、42.195キロを走る身としては決定打にもなります。

結局、この準備期間とは、日常ではそうそう達しないレベルで、自分の体調に過敏になれる時期であり、本当に“生活にランニングが根付いているか”を、まるでテストされているような時期とも言えます。そういう意味でも、僕は多くの人にフルマラソンのエントリーをおすすめしたいなとも思います。

アクアラインを走ってみて
反省と失敗、その先にあった答え

当日の天候は、無風で快晴。日差しは強く、まさに夏日でした。持参するエネルギージェルはOYMRCの記事を参考に(笑)、スタート30分前に注入するベスパ×1、手持ち分は10キロ、20キロ、30キロで注入予定のハニースティンガー×3、35キロで注入予定のベスパ×1。時計はSUNTO QUESTを着用して、シューズはPUMAのフウジンで挑みました。

大会の目玉となるアクアラインまではスタートから約9キロ。キロ5分半のペースで順調に快走し、沿道からは時折、フラダンスや大漁旗といったローカル色のあるユニークな声援があったのが印象的でした。折り返し地点の22キロまでは、キロ5分台後半~6分前半のペース。良いペースでした。

目玉だっただけに、落とし穴もアクアラインでした。アクアラインを走り終えたところで、約19キロ。天候に恵まれたのもあり、コースのなかで最も気持ちよく走れた場所もまた、ここでしたが、予想以上のアップダウン。25キロを過ぎたあたりから、坂道で消耗した足が言うことをきかなくなり、30キロを越えたあたりで、足がほぼ止まり始めます。このあたりの諦めには我ながらアッパレといいますか、続けて、突如右足首に違和感を覚えてからは、歩いたり、走ったりの繰り返し。結局、ラスト5キロはなんとか走りを再開させ、記録タイムはグロスで4時間56分、ネットで4時間52分。

トレーニング中、長い距離を走ると違和感のあった右足首を、“なにさ、そんな些細なこと”と放っておいたことも大きな反省でした。小さなこともフルマラソンでは命取りになる、と実感。それと、しつこいようですが、単に準備不足だったのではないでしょうか。

根本的に走り込みが足りなかったこと、イメージせずただ走っていたことが一番の原因です。

思わぬことから、一時的に生活から
ランニングがなくなってしまった!?

止まった足を無理に動かし、ラスト5キロを走った代償として、僕は膝を故障してしまいました。「生涯ランニングを楽しめるような基盤をここで作る」とまあ、意気揚々とマイペースに臨んでおきながら、まして自分のカラダを酷使して記録を狙ったわけでもないのに・・・故障が完治するまでは日常的に走れなくなったわけです。

無理をしていいカラダを作れた人は限界に挑戦してください。でも、準備の整っていないカラダで無理をするぐらいなら、制限時間いっぱいかけて、エイドステーションをもれなく全部回って、その大会を誰よりも楽しみ尽くす。それぐらいの選択をした方がいい、とも思えます。走ることが好きな人であればあるほど、その先のランニングライフを考えた選択をしてほしいと、ということです。

故障が直ったら、また本格的に走り始めますが、まずはのんびり再開して、水泳でもはじめてリハビリしようかと思っています。

最後にこの大会にエントリーするきっかけをくれたPUMA RUNNINGの皆さんにお礼を申し上げます。今まで以上に走ることが何かを知ることができ、走ることがよりいっそう好きにもなりました。ありがとうございました。

PUMA RUNNING
ちばアクアラインマラソン公式サイト

(文 村松亮)