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(写真はロンドン五輪マラソンのスタート/ゴールとなるThe Mall)

名古屋ウィメンズマラソンから一夜明けた3月12日午後、ロンドン五輪マラソン日本代表6人が発表されました。福岡国際マラソン日本人トップの川内優輝選手は選ばれませんでした。

 
<男子>
藤原新(東京陸協)
山本亮(佐川急便)
中本健太郎(安川電機)
 
補欠 堀端宏行(旭化成)
 
<女子>
重友梨佐(天満屋)
木崎良子(ダイハツ)
尾崎好美(第一生命)
 
補欠 赤羽有紀子(ホクレン)
 
6人全員が代表初選出となったロンドン五輪マラソン代表メンバー。男子の注目はやはり藤原新選手でしょうか。先日の東京マラソンでは、レース全体を見渡し25km以降は独走、終盤には元世界王者のゲブレシラシエをかわして2位まで順位を上げ、2時間7分48秒という素晴らしいタイムでゴール。北京オリンピックの代表選考では補欠に泣きましたが、今回は文句なしの代表選出です。
 
びわ湖毎日マラソンで2時間8分44秒という好タイムで4位に入った山本選手は、堀端選手、中本選手らに先行されながらも終盤に脅威の追い上げを見せ、最後のトラック勝負で中本選手を交わし日本人1位でゴール。雨という悪天候の中で叩き出した2時間8分44秒という好タイムや、後半の粘り強い走りが評価されました。
 
残る最後の1枠にも注目が集まりました。堀端選手、中川選手、前田選手、川内選手ら世界選手権代表メンバーがテーブルに並べられ議論された結果、世界選手権10位(日本人2位)、びわ湖5位(日本人2位)という実績とマラソンの安定度が評価され中本健太郎選手が選ばれました。堀端選手は補欠となりましたが、びわ湖で見せた積極果敢な走りが好印象でした。
 
女子の注目は、大阪国際女子マラソンで圧勝した重友梨佐選手です。日本人では大柄な選手ですがリズムの良い走りが持ち味で、メダル獲得の期待がもたれます。また、横浜国際女子マラソンで尾崎選手との壮絶なスパート合戦を制して優勝した木崎選手は、スパートのキレ味や勝負強さ、トラックで培ったスピードなどが評価されての代表選出でした。
 
2009年ベルリン世界陸上銀メダリストで日本のエースとも言われる尾崎好美選手は、今度の代表選考レースで最も苦しんだ選手だったのではないでしょうか? 4回ある選考レースのうち3回に出場し、崖っぷちで挑んだ名古屋ウィメンズマラソンで見事に2位(日本人1位)でゴール。執念でロンドンへの切符をつかみ取りました。世界選手権5位(日本人1位)の赤羽選手は補欠となりました。
 
今回は代表には選ばれなかった川内優輝選手ですが、福岡国際マラソンでの今井正人選手との壮絶なデッドヒートや、苦しくなってからの粘り強さや気持ちの強さなど、彼の走りには多くの人が感動したことでしょう。オリンピックは4年に1度しかないので、代表選考レースにも沢山のドラマがありました。彼らがマラソンにかける思いの集大成が、ロンドンの舞台で見られることに期待したいです。
 
ロンドンオリンピックのマラソンは、女子は8月5日、男子が最終日8月12日、いずれも日本時間午後7時からのスタートです。

(文 肥後徳浩)