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OYMRCが参加する最初のイベント、千葉マリンマラソンまであと2週間となりました。この2週間ではこれまでのトレーニングで溜まった疲れを取り除きながら、レースに向けて調子を整えていきます。

目標レースに向けた調整の仕方でもっとも代表的なものがテーパリングです。テーパーとは「先の尖った」という意味で、レースが近づくにごとに練習量を徐々に減らして行く方法です。ペースを維持したまま走る距離だけを減らしていき、疲労を抜きながらレース当日に向けてコンディションを高めていきます。

<テーパリングにかける期間>

今回の目標はハーフマラソンなので、2週間のテーパリングで調子を整えます。3週間前に15kmのレースペース走を行ったとしたら、2週間前に10km、1週間前に5km、3日前に2kmという感じでペースを保ったまま距離だけ減らしていきます。

目標レースがフルマラソンである場合は、テーパリングには3週間かけます。そこで35km以上の距離走やレースペース走は3週間以上前に終わらせておく必要があります。

ただし、それまでのトレーニングの量や強度、疲労具合、疲労から回復するスピードや目標レースの距離によっても、調度良いテーパリングの期間には個人差がかなりあるということも知っておく必要があります。特にテーパリング中のトレーニングデータ(ペース、距離)や疲労具合などは詳細に日記に書き留めておいて、次回レースの時に資料として役立てましょう。

OYMRCでは年末の走り納め(レース3週間前)で、21kmのロング走を済ませました

<テーパリング中は量と質を同時に求めない>

テーパリングの期間に入ってからのトレーニングでは、量と質を同時に求めないようにします。強度も高く距離も長いという練習は行いません。レースペース走ならペースを保ったまま、10km→5km→2kmというように距離を短くしていきます。

また、いままでやったことのない距離のロング走や、速いペースでのスピード練習など、初めて取り組むトレーニングが無いようにします。距離も、スピードも、方法も、いままで行ったことのある範囲の中で行います。

そして疲れを取るためにも、しっかりと休養と栄養をとりましょう(これは普段から大切な事ですが)。そして筋肉にハリがあれば、マッサージやストレッチなどを行いケアします。

<レース直前に最後の刺激を入れよう>

レースの3、4日前には、ジョギングに、2km〜3kmのレースペース走か、50m〜100mほどのウィンドスプリントを4〜5本を組み合わせて、身体に刺激を入れておきましょう。心肺や脚に適度な刺激を入れておくことで、走りに磨きが掛かって調子が上向きます。

レース2日前からは30分ほどの軽いジョグを行います。この段階では、脚も身体もフレッシュになってきているので、これくらいの練習では満足できず、「もっと走りたい」という欲求が膨らむと思います。でもそれを我慢して、レースにぶつけましょう。

<レース前の食事って?>

テーパリング期間はトレーニング量が減っているので、普段通りにランナー仕様の食事(糖質とタンパク質をしっかりと、脂質、ミネラル、ビタミンがバランス良く摂れる食事)を続けていれば、グリコーゲンは体内に充填されているはずです。

ハーフマラソンなら体内に蓄えられているグリコーゲンだけでも十分走れるので、こういった食事を変える必要はなく、もし不安ならご飯、パスタ、パンなどの炭水化物を少しだけ増やすか、果物やハチミツをプラスすれば十分です。フルマラソンの場合は、レース3日前から普段のランナー仕様の食事に炭水化物などの糖質をプラスし、グリコーゲンを補充します。

<ドレスリハーサルは1週間前に>

レース一週間前の練習では、レースで実際に着るウエア、シューズ、ソックスなどを着用して走り、問題がないか確かめます。レースに向けてシューズを新調するなら本番前に何度か走って足にならして、本番での靴擦れを予防しましょう。またマメや靴擦れが出来そうなところには予めテーピングや絆創膏を貼っておくのも手です。

またレースでエナジージェルなどの補給食を使う予定なら、それも練習で試しておきましょう。ギアも、口にするものもレースで初めて使うものはないほうが良いのです。

<テーパリングの必要がないパターン>

次のレースが目標レースのための調整レースなら、テーパリングに2週間や3週間もかける必要はなく、それよりも目標レースに向けたトレーニングを続けた方がよいでしょう。その場合は、ミニ・テーパリングというやり方もあります。

例えば、東京マラソンに向けた調整レースとして千葉マリンハーフマラソンに参加する人は、ハーフマラソンの6日〜4日ほど前から距離を減らし、直前に刺激入れをします。そしてハーフマラソン後は2〜3日休んで疲れが抜けてから、マラソンに向けたトレーニングを再開させます。

次回のテーマは、レース当日の過ごし方と、レース後のトレーニングについてです。

参考文献:
ADVANCED MARATHONING (PETE PFITZINGER / SCOTT DOUGLAS)
JOE FRIEL’S BLOG (JOE FRIEL)

これまでの記事とトレーニングメニューはこちら

第23週、第24週は以下のメニューを使ってトレーニングしてみてください。あくまで一つの例ですからみなさんがその通りにやる必要はありません。みなさんが気持ち良く走れる時間、距離、回数を、自分なりにアレンジして、楽しく走ってください。

(文 肥後徳浩 / 写真 桑原慶)

【OYM running club アーカイヴ】
#01 ケガなく、楽しみながら走るために
#02 自分に合ったペースで
#03 ジョギングとペース走
#04 ウィンドスプリント
#05 シンスプリントの予防
#06 自然の中を走ろう〜トレイルランニング〜
#07 ビルドアップ
#08 インターバル Ⅰ
#09 変化走 I
#10 目標タイムとタイムトライアル
#11 レースペース走