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第88回箱根駅伝までいよいよ1週間を切りました。
お正月休みはこれを観ると決めている方も多い国民的行事の一つですが、長年、冠スポンサーを務めるサッポロビールから、放送が格別に待ち遠しくなるニュースが発表されました。
箱根駅伝限定で放映される企業広告特別編のTVCMのために、作家の村上春樹さんがナレーション原稿を執筆したのです。
このCMは、東日本大震災後から今も前に向かって進み続けている日本に向けたエールとして、「走ること」をテーマに制作されました。

こう聞いてピンとくるonyourmarkユーザーも、きっと多いことでしょう。
そう、ナレーションのベースとなるのは、村上春樹さんの著書「走ることについて語るときに僕の語ること」。長年、コンスタントに走り続けてきた作者が、初めて走ることについて綴った本作から、今回のCMのために、ご自身で文章を書き直してナレーション原稿に仕上げたのです。

村上春樹さんが、このような企業CMの制作に関わるのは、もちろん初めて。企画の趣旨に賛同し、この執筆料は本人の意向で、日本赤十字社を通じて被災地に全額寄付されるそうです。
また、CMの企画・演出を手がけるのは、同じく趣旨に賛同した映画監督の是枝裕和さん。

「走ることについて語ること」 と題した各60秒の映像には、グラウンドでナイター照明を背に走り続ける陸上部の若者たち(第1話)、幼稚園の運動会で懸命にかけっこをする子どもたちとその家族(第2話)、フルマラソンのゴールの瞬間(第3話)、ささやかな日常の中でランニングに出かける高校生の男の子(第4話)が、それぞれ描かれているそうです。
放映は2012年1月2日(月)、3日(火)の2日間限定です。

ランニング経験の有無にかかわらず、多くの読者の共感を呼び、ランナー予備軍の背中を押してきた名著の中から、どの文章が選ばれ、映像化されているのでしょうか。
2012年の箱根駅伝は、テレビの前からなかなか離れられなくなりそうですね。

(文 小矢島一江)