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一見何の関係もなさそうな、「自転車」と「アート」と「貧困層の支援」がリンクした、素晴らしい試みをご紹介します。
 
こちらはアメリカの自転車パーツメーカーSRAMが企画している「SRAM pART PROJECT」(パーツとアートをかけたナイスなネーミング)。100個のSRAM社製部品が入った箱をアーティストに渡し、それを使って作品を作ってもらうというアートプロジェクトです。
 
驚くべきはそのクオリティの高さ!無機質なパーツが、大変身を遂げています!参加しているのは46人のアーティストで、SRAMのマーケティングチーフらが選抜したんだとか。

 
これらの作品は、オークションにかけられ、売上金は"World Bicycle Relief"という自転車を通じた国際的な支援活動を行っているアメリカの組織に寄付されるそうです。
 
SRAMが最大出資者に名を連ねているこの"World Bicycle Relief"。もともとはスマトラ島沖地震の災害救援のため、復旧や医療行為をスムーズ行う交通手段として、自転車を贈る活動をはじめたのが設立のきっかけ。のちに同じ地域で深刻な問題となっているHIV問題にも目を向け、医療従事者への自転車の贈呈を推進しました。
 
現在では、自転車を通じて「自立」と「生活の手段」を提供することを理念に掲げ、貧しい国々の学生や生活者へと援助の幅を広げています。
 
自転車を手にすることで、子供は遠くの学校へ通えるようになりました。父親は工場までの通勤が可能になり、農民は収穫物を市場に運んで売ることができるようになりました。所得の増加をもたらせば、栄養状態が改善されます。急病が発生しても医療の助けがすぐに得られ、救える命を救えるようになりました。
 
車に比べれば圧倒的に安価で、燃料もいらず、維持が容易な自転車。交通インフラの整っていない貧しい地域では、教育、医療、経済的機会あらゆる面において、自転車は私たちの想像以上に、人々の生活を劇的に改善するパワーを持っているのです。
 
World Bicycle Relief"の活動の詳細については、http://www.worldbicyclerelief.org/をご覧ください。自転車によって世界を変える、たくさんの取り組みを見ることができます。

(文 佐藤美加)