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有酸素運動レベルのペース走、長い距離のジョギング、ウィンドスプリントやつなぎのジョギングなどを組み合わせて、心肺機能や筋力など走るための基礎的な力がだんだんついてきたOYMRCの4人。走り方も少しずつランナーらしくなってきて、以前よりも長い距離でもラクに走れるようになってきました。

次のステップは、今より速く走ってみよう!ということで、スピードトレーニングと言われる幾つかの練習方法を組み合わせて、スピードアップ、筋力アップ、心肺機能向上など、総合的に走力をアップさせるトレーニングに挑戦します。同時に、芝生や土の上などの不整地や、坂道を走ったりして、速く走るために効率的なフォームや脚力も養っていきます。

<クロスカントリーでカッコ良いフォームを身につけよう>

アスファルトは固くて平らなので、どんなフォームで走っても地面からの反発で前に進めてしまいますが、芝生の上や、土の上など柔らかくて平らではないところでは、しっかりと脚で地面を押せていないとうまく前に進めません。不整地では、普段はお休みしている小さな筋肉が体を安定させるために動員されます。クロスカントリーを走って腰高でカッコ良いフォームを身につけましょう。

前回のOYMRCの練習会では、都心からもアクセスしやすい近郊の里山で「トレイルラン」に挑戦しました。今回は速く走ることではなく、自然の中を走ることで走る楽しさを再確認したり、自然に体に負荷をかけて心肺機能を高めたり、脚力を強化するのが目的でした。実際、走り始めて直ぐにみんなから「気持ちいいっすね〜!」の一言。山走りを表すなら、これに尽きますね。

コースは高尾山の稲荷山コースを高尾山口から景信山まで。


奥高尾に入ってからが起伏も穏やかになり、トレイルランの本格的なコースに。

<心拍計を使った効率的なトレーニング>

往復16kmのルートの中で、心拍計を使ったトレーニングを取り入れてみました。山頂と山頂を繋ぐ緩いアップダウンの尾根を使って、往路と復路でそれぞれ15分づつの「ペース走」。山道のようにアップダウンのあるコースでは地形によって負荷が変わるので、平坦のロードのように1km 何分ペース、というやり方でペース走は出来ません。この場合は、心拍計を使うことで、体への負荷を一定に保ちながら走り続けるトレーニングが効果的。

心拍数のターゲットは、80%HRMax(最大心拍数の80%) ±5拍
(年齢30歳なら最大心拍数=(220-30[年齢])と仮定して、ターゲットは(220-30)×0.8=152bpm、±5拍で147〜157bpmとなる)

で、それぞれ走りました。

登りでは簡単に心拍が上がってしまいます。一旦上がると休まない限りは下がらないので、最初の登りで頑張るとあとはゆっくりペースでしか走れなくなってしまいます。このトレーニングのコツは、登りは力を抑えて走る(歩いても良い)、平坦はしっかり走る、下りは安全マージンを保って速めに走る、という感じで走ると、このメニューが一気に簡単になりますよ。この走り方なら乳酸もあまり溜まらず、長い距離でもラクに走り続けることが出来るので、長距離のトレーニングにもオススメです。

トレイルでは心拍が大事な指標になります。

<トレイルを走る前に知っておきたい心得>

山道を走るのは景色も良いし空気も良くて、とても気持ち良いものです。ですが、登山道はランナーのためだけに作られたものではなく、一般の登山者とシェアさせて貰わなければなりません。そのため、山道を走る前には幾つか心得ておかなければいけないことがあります。

1. 山で人に会ったら挨拶をする
山の基本は挨拶です。とくにハイカーにとって、自分よりも速いスピードで接近してくるランナーを脅威に感じることがあるので、必ず挨拶をしましょう。

2. 登山道は登る人が優先
速い人が優先、と勘違いしているランナーを見かけることがありますが間違いです。道が狭く、下から登ってきているハイカーが居る場合は、彼らが登り終わるのを待ってから下りましょう。

3. 安全マージンを保つ
前にハイカーが居たら減速し、声を掛け、安全マージンを確かめてから抜きます。抜くときにどちら側から抜くのか伝えるとより安全です。

4. 人に頼らない
山では自力が基本。軽装で走りたいからと言って「地図」も「水」も携行せず、他の登山者に助けを求めるのはNGです。地図ですが、筆者は昭文社の「山と高原地図」を愛用しています。必要な部分だけコピーしてジップロックなどに入れておくと、軽いし、汗や雨で濡れないのでオススメです。地図のコピーに、エスケープルート、補給場所(茶屋や売店)、交通機関の時刻表など予め書き込んでおくと更に便利です。

<自然に感謝して走ろう>

実際に走ってみるといろいろ感じることがあると思いますが、「自然の中を走らせて貰っている」という謙虚な気持ちで走ることが大切ですね。

今回は里山トレイルを走りましたが、近くに低山が無い場合は、川の土手、森林公園、砂浜などでも同じような効果のある練習が出来ると思いますので、是非クロスカントリー走にトライしてみてください。

景信山山頂付近は視界が開けて眺めも良いです。空気が澄んでいればスカイツリーも。

第11週、第12週は以下のメニューを使ってトレーニングしてみてください。あくまで一つの例ですからみなさんがその通りにやる必要はありません。みなさんが気持ち良く走れる時間、距離、回数を、自分なりにアレンジして、楽しく走ってください。

次回はまたロードに戻ってトレーニングです!

(撮影 松田正臣/文 肥後徳浩)

【OYM running club アーカイヴ】
#01 ケガなく、楽しみながら走るために
#02 自分に合ったペースで
#03 ジョギングとペース走
#04 ウィンドスプリント
#05 シンスプリントの予防