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腎臓で作られた尿は中央にある腎盂(じんう)という場所に流れ込み、尿管で膀胱まで運ばれる。

尿管は長さ30cmほど。その壁を作る平滑筋は規則的に収縮し、通常は1分間に約1mlずつ尿を膀胱へ送っている。

膀胱は尿を貯めておくタンク。その容量は約500mlとペットボトル1本分くらい。300〜400ml前後まで貯まると内圧が上昇し、尿意を覚える。

尿が膀胱から漏れないように締めている筋肉のバルブには、意識的に収縮できるものと意思と関わりなく反射的に収縮するものがある。

容量が満杯に近づいて内圧が高まりすぎると意識的なコントロールが効かなくなり、反射的に排尿が起きてしまう。

夜中に何度もトイレに起きずにすむのは、膀胱の容量が昼間よりも大きくなるため。膀胱に備わった体内時計の働きでコネキシン43というタンパク質が減ると膀胱の容量が大きくなる。

膀胱の出口(内尿道口)から尿の出口(外尿道口)を結ぶ管が尿道。男性の尿道は全長16cmほどと長く湾曲しているが、女性の尿道は長さ3〜4cmと短くまっすぐ。女性に膀胱炎が多いのは、尿道が短くまっすぐで外部から細菌が膀胱まで侵入しやすいからだ。

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