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食事に含まれる糖質はブドウ糖(グルコース)として吸収されて、すぐさま血液に入る。血液中のブドウ糖を血糖、血糖の1dl(100cc)あたりの重さを血糖値と呼ぶ。血糖は脳細胞、赤血球、心臓、筋肉などの主要なエネルギー源なので、血糖値は一定範囲内に収まるように厳密にコントロールされている。

この血糖コントロールの要となるのが、他ならぬ膵臓。食後血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌される。インスリンの機能は、血糖を肝臓と筋肉に取り込ませて血糖値を正常レベルまで下げること。肝臓と筋肉ではブドウ糖はグリコーゲンという貯蔵型の糖質に転換される。

食後しばらく時間が経ち、血糖が消費されると血糖値が下がってくると、今度は膵臓がグルカゴンというホルモンを出す。グルカゴンの役割はインスリンと正反対で血糖値を上げること。グルカゴンは肝臓に作用し、グリコーゲンの分解を促してブドウ糖に転換し、血液中に放出して血糖値を上げる。

インスリンとグルカゴンはともに膵臓内に点在する直径0.2mmほどのランゲルハンス島という組織で作られる。インスリンを出すのはβ細胞、グルカゴンを出すのはα細胞だ。

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