fbpx

脂肪は貴重なエネルギー源。肝臓にも貯められているが、肝臓に脂肪が溜まりすぎると正常な機能が果たせなくなる。

これが脂肪肝。脂肪肝に炎症が起こると肝炎となり、肝硬変、そして最悪の場合には肝がんへ移行する恐れもある。

肝がんの原因としてはウイルス性肝炎とアルコール性肝炎が知られているが、最近はウイルスやアルコールと無関係の脂肪肝や肝炎が注目されている。

それが非アルコール性脂肪肝炎。英語の頭文字を取ってNASH(ナッシュ)と呼ばれており、お酒を飲まないのに脂肪肝になったり、肝炎ウイルスを持たないのに肝炎になったりする病気の総称である。日本には約200万人の患者がいると推定されている。

NASHの背景には肥満、糖尿病、高血圧などのメタボリックシンドロームがあるが、実はスリムで健康に気をつけている人も安心できない。健康の良いというイメージが強い果物ジュースの飲み過ぎもNASHのリスクなのだ。

果物には果糖という糖質が多く含まれる。果糖は肝臓で80%ほどが脂肪になるため、果糖の過剰摂取は肥満や脂肪肝の原因となり、肝炎の引き金にもなる。生で食べるのは問題ないが、濃縮還元の果物ジュースや清涼飲料水に含まれている果糖ブドウ糖液糖などから果糖を大量に摂るのは控えたい。

【関連記事】
肝臓は化学コンビナートである
3分の2を切り取っても再生する
肝臓は糖質を新たに作り出す能力がある

【OYM家庭の医学 アーカイヴ】
♯01【肺】呼吸を司る静かなる大物
♯02【心臓】握り拳サイズの小さな巨人
♯03【血管】人体でもっとも重要なインフラを学ぶ
♯04【胃】強さと弱さを兼ね備えた悩める臓器
♯05【小腸】免疫細胞も神経細胞も集まる消化吸収の要
♯06【大腸】終わり良ければすべて良し。消化管のしんがりをいたわれ