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トレイル&ランニングの専門店「ランボーイズ!ランガールズ!」は、トレイルランナーにとって山よりも魅力的な場所かもしれない。ギア好きにとっては、好奇心を刺激する最新の商品や限定のアイテムがところせましと並ぶ。若葉ランナーにとっては、親しみやすいスタッフが上からでも下からでもない同じ目線の高さでアドバイスをしてくれる。そんな魅惑のスタッフの一人が水越正人さん。100マイルレースの完走経験もあるトレイルランナーで、走ることと山に入ること、それからギアを選んでいる時間も同じくらい好きという。その水越さんがトレイルランで欠かさないギアがGORE-TEX テクノロジーを採用したアイテムだ。
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東京生まれ東京育ちが、トレイルランニングにハマる

「トレイルランに傾倒するようになったきっかけは、周りの仲間が走り始めていたからです。SNSなどを通じて伝わってくる様子がとにかく面白そうで。自分も!と手始めに鎌倉の山へと連れて行ってもらいました。2015年のことです。すぐに夢中になりました。それまでずっと東京で育ってきて、自然に触れる機会なんてほとんどなかったですから」。

ちなみに当時の走力はフルマラソンサブ4レベル。トレイルランでは自然のなかを駆け抜けるという行為自体がただただ面白く、ロードランと違って景色にはドラスティックな変化があり、登りや下りがあって同じ道はひとつもない。それが水越さんにはたまらなく魅力的で、ほどなくレースにも参戦するようになり、ついには専門店のスタッフへとジョブチェンジしてしまった。

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R7 ゴアテックス シェイクドライ™ トレイル フーディッド ジャケット ¥44,000 ※税込(ピーアールインターナショナル

経験を積んだり、適切なギアを選んだりして、遊びにいける山の行動範囲が広げられるところもトレイルランニングの魅力だ。
「トレイルランでは専用のギアを使ったほうがいいでしょう。すべりにくいシューズ、揺れにくいザック、食べやすい補給食、寒くなりにくいウェア、暑くなりにくいウェア……。快適さがまるで違います。近所のランニングと違って、山からはすぐに降りてくることができません。だから自分の身をしっかりと守れるギアを携行したいところ」。

トレイルランニングにおける、レインウェアの重要性

「お店でよく聞かれるのが、レインウェアって本当に必要なんですか?という質問です。僕は必ず携行するようにしていますし、お店でもそうオススメしています。たとえ走り始めが晴れていても、山では天気が変わりやすく、急に降られることがしばしばあります。それから強風で体温が奪われるときにも使えます。風だけなら薄いシェルでもしのげるかもしれませんが、本格的に雨が降ったら、しっかり水を弾かないとからだが冷えて、やがては動けなくなってしまいます。山では雨でもからだを濡らさないためのウェアを選ぶことが何より重要なんです」。

「具体的には防水性のある生地で、シーム部分にはテープが貼られているもの。生地と生地を縫い合わせるときに生じる針穴から浸水する可能性があるので、ウェアの肌面側の縫い目からシームテープで目留めする必要があるんですね。それがレインウェア選びの必須条件で、あとは行く山によります。トレイルランをベースとしたアクティビティの場合は軽さが欲しいところ。でも標高2000メートルを超すような本格的な山では、比較的厚手で、耐久性の高いレインウェアがベターです。耐水圧という基準があるのですが、耐水圧が低いと防水でも激しい暴風雨だと耐えきれず、水が染み込んでしまって濡れ感を感じますから」。

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理想はレインウェアを複数揃えておいて、登る山や天気予報によって使い分けること。でも安価なアイテムではないので、まずは一着を使い回したいという声もギアを販売する立場としてはよく共感できる。
「基本は軽量性を意識したいですが、タフさというか、大雨でも大丈夫なものがいいですよね。今まではそのどっちを取るの?という問題がありましたが、2年前に登場したゴア社のシェイクドライ™ テクノロジーはそのベストアンサーになり得るのではと思っています。防水性に優れたメンブレンが生地の表面にむき出しになっているのが特徴で、その分撥水性が段違い。降り注いだ雨がすぐタマになって、そのまま落ちていくのは衝撃的でした。生地に染み込むということがいっさいありません。他のレインウェアも最初は雨を弾くのですが、一定量を超えるとだんだん染み込んでくることがあるんですよね」。

レインウェア選びの失敗談、人生唯一の関門アウト

「以前、とあるレースで伸縮するソフトシェル素材のレインウェアを使ったときのこと。どしゃ降りの雨でレインウェアの表地がビショビショになって、それが肌に貼りつき、濡れているのとほぼ同じ状態になってしました。身体がどんどん冷えて大失速、途中関門の通過制限時間に間に合いませんでした。だから撥水性はとても大事。ゴアテックス シェイクドライ™ウェアは今まで着たレインウェアのなかで間違いなく一番雨を弾きます。それから透湿性が高いのもいいですよね。衣服内の汗ムレを効果的に外へと逃がしてくれます。透湿性が低いとムレが衣服内にこもってしまい、Tシャツや地肌に濡れ感を感じ、雨に打たれているのと似たような状態になってしまいますから。先ほどの失敗レースでは表地がビジョ濡れだったのでまったく透湿していませんでした。透湿性が高いと、雨が止んでからもそのまま着続けることができます。一般的なレインウェアよりもしなやかな着心地で、シャカシャカして突っ張ることがないからストレスなく走れますよ」。

GORE-TEXシェイクドライ™ テクノロジーを搭載したウェアは、表生地を省き、メンブレン(膜)を露出させている画期的な構造が特徴。表地がないため軽量性に優れ、表面に落ちた水は瞬時に“粒”となり、揺らすだけで弾き飛んでいく。ウェア自体に水が含まれることもなく、GORE-TEX プロダクトの中で最も透湿性の高いラミネートのひとつ。

ギアを選ぶときはスペックだけでなく色にもこだわるようにしています。最近はザックとウェアや、ウェアとシューズの色はなるべく揃えて、ごちゃごちゃさせないようにしていますね。シェイクドライ™ テクノロジーのウェアは、ガンメタル系ブラックが特徴ですが、今回の全身黒のコーディネートをよりスタイリッシュに見せてくれているように思います」。

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SPEEDCROSS 5 GORE-TEX ¥19,800※税込(サロモン

GORE-TEX シューズは、メリットを正しく理解して

以前はファッション業界でPRの仕事をしていたとあって、今回の撮影にはシックな黒のコーディネートで統一してくれた。足元のシューズもGORE-TEX テクノロジーを搭載したトレイルランニング用のモデルだ。

「GORE-TEX シューズは普段はあまり履きませんが、今回久しぶりに履いてみて、改めてその防水性の高さに驚かされました。これは最初から雨が降っているようなレースでは抜群に力を発揮してくれそうです。水たまりにも臆さず飛び込めるし、それから寒い時期や雪が積もっているようなシチュエーション。水も寒風も通り抜けないので、防寒にはもってこいです。テクノロジーのメリットを正しく理解して履きこなしたいですね。繰り返しになりますが、ちょっとした川に足を突っ込んでもまったく染みてこないのは本当にすごい!」

水越正人

水越正人

1980年生まれ。東京都出身。アクセサリーブランドのプレス業を経て、現在は東京・馬喰町にあるトレイル&ランニングショップ「ランボーイズ!ランガールズ!」のショップスタッフに。トレイルランニング歴は4年。2018年に信越五岳トレイルランニングレースを好タイムで完走し、念願の100マイラーに。