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ジェニファー 実業団だとSNSに厳しいとかもあるんですかね?

桃澤 確かに、実業団選手でアカウントを持っている人でも、結果報告しかしていけない、って聞いたこともありますね。それと比べると、青学の選手は、こういう情報が求められているっていうのが、無意識に分かっていますよね。大学の時から発信しているから。

ジェニファー 海外の選手、エマ・コバーンとかは、けっこうプライベートなこととか、面白いことを載せるから親しみやすいですよ。それで、もっとファンとか応援が増えると思うんですけどね。岩出さんも、そういうので、身近に感じますね。

桃澤 日本の陸上って露出がダメ。それこそ、レースでガッツポーズすると怒られたりするんですよ。地元の大会で優勝してガッツポーズしたら、「何喜んでいるんだ、こんな小さい大会で喜んでいる場合じゃないだろ」って言われたことが…。他の大会でガッツポーズしても、「他の選手にリスペクトがない」なんて言われたこともあります。

ジェニファー 1位になったら、ガッツポーズをしていいと思うんですけど。

OYM──走ることで自己表現をするなら、もっと発信力がある人が増えてもいい気がしますね。特に女子選手。

ジェニファー そう。だから、岩出選手のことしか知らないってなっちゃう。

西本 それと、世界大会に行って思うのは、真夏のレースでも日本の女子選手はランシャツ・ランパンが多いんですよね。海外の選手は、セパレートなのに……。

ジェニファー 私も、大学の時には、そういう格好に憧れていた! せっかくコアを鍛えたんだから見せたいじゃないですか。プロなら、なおさら隠すこともないですよね。

桃澤 夏のレースは、そのほうが絶対に有利なはず。風通しも良くなるし。

ジェニファー ショーツなんてありえないですよね。大学では、スパッツとかだったし。やっぱり日本の習慣なのか、スポーツブラで走ったりしないじゃないですか。そういうイメージがある。私は、織田フィールドでスポーツブラで走ったりするけど。

桃澤 男でも、シャツを出していると、めちゃ怒られたりするんですよね。スパッツを履いて、シャツを出していたら、めっちゃ怒られるんですよ。高校生に悪い影響与えるとかで…。

ジェニファー タックインすると、熱がこもるのに…。

桃澤 そうそう、そのスタイルをやり始めたら、めちゃくちゃ涼しいんですよ。風がお腹のなかを通ると、全然違う。

西本 オリンピックを機にそういうところから変わってほしいな。

桃澤 かっこよさを求めてほしい。大迫選手の真似したいって言う人も多いと思うし。

西本 こうやって、オリンピックやMGCの選手がバンとやることで、街の景色も変わりますよ。

ジェニファー 自分のファッションを出してほしいかな。

桃澤 中学生や高校生が「いいな」って思えるような、かっこいいなって思うような格好で走ってほしい。今、中学生に話を聞くと、オレゴン・プロジェクトのユニフォームがかっこいいって言いますね。高校のチームだと学法石川高(福島)がかっこいい。

ジェニファー 私もOTC(=オレゴントラッククラブ。オレゴン大学陸上チーム)のを持っていましたよ。ロゴとかかっこよかったから。せっかくプロなんだから、憧れられるようになるのはすごくいいと思う。日常生活はなかなかSNSなどで出せないのかもしれないけど、レースで、かっこいい色のウェアを着たり、なんだろう…楽しんでほしいかな。

西本 タトゥーとか入れたりね(笑)

ジェニファー オリンピックのマークを入れるのも有名ですよね。

桃澤 もっとストーリーも伝わると思う。

ジェニファー 日本人は誰も入れていないのかな…。別に見えるところじゃなくてもいい。

桃澤 いっそのこと、誰かがやって議論を巻き起こしてほしいですね。まあ、タトゥーはともかく、リクルートスーツと一緒で、同じ人たちが走っているように見えますよね。外人選手はもうちょっとキャラがある。ネックレスなんかも、いまだにダメなところもある。

MGCで上京する桃澤選手、でも観るのはホテルで!?

OYM──ところで、皆さんは、MGC当日は、どのように観戦するんですか?

桃澤 僕はテレビですね。雰囲気は味わいたいので東京には来ますが、ホテルで一人で見たいと思います。自分は井上に勝つことが目標ですが、現地で応援しちゃったら、井上のファンになってしまいそうなので、コース上では応援しないって決めているんです。

西本 路上に出たら、たぶん応援しちゃう。

桃澤 はい、絶対にしちゃうんで。

西本 応援しろよ(笑)

ジェニファー 喜ぶと思いますよ!

桃澤 俺以外には負けてほしくないな。俺が勝った時に、俺にハクがつくから(笑)

OYM──もうホテルも予約済み?

桃澤 はい。コースに近いところにとりました。

ジェニファー バーとかじゃなくて、ホテルで見るんですか?

桃澤 ホテルで一人で見ます。一人で見るのが大事なんですよ。

西本 同級生とかは、井上選手の応援に行くんじゃないの?でも、ゴールする頃にチェックアウトの時間が……。

桃澤 チェックアウトの時間を延ばします!

OYM──ジェニファーさんは?

ジェニファー 私もテレビで見ようと思っています。朝早いじゃないですか。それに、コース上だと一瞬じゃないですか。やっぱりテレビで見たほうが、何が起きているかが分かるから。トラックだったら、“このスピード、すごい”ってなるんですけど、マラソンはテレビのほうがいいのかな。でも、男子も女子もってなると、どうやって見たらいいのかな……。

OYM──今回のこの企画でけっこう選手も覚えたのでは。

ジェニファー 本当ですね。バックグラウンドをいろいろ教わりましたね。

西本 2人がテレビで続いたので、あえて“現地”と言いたい。これはスタートを見るべきなんです。厳密にいうと、スタートそのものは見られなくてもいい。スタート2時間前にいることが最高なんです。

ジェニファー じゃあ、行ってみようかな。

西本 僕と桃澤君が初めてあったのもスタート前なんですよ。箱根駅伝6区のスタートは朝8時なんですが、僕は6時に行ったんです。そしたら、彼がアップをしていたんです。彼のアップが少し変わっていたんです。普通の人は速いペースでジョグしているんですけど、彼は、6区の下りはかなり速いペースで脚を回すことになるんですが、他の選手の倍速のような超ハイピッチで走っていたんです。僕らはそれを見て勝手に“桃ダッシュ”って名付けたんです。スタート前の様子を見ると、彼らがどういう意気込みで臨むか、その表情とか空気とか、緊張感が味わえるんです。それはテレビや新聞では教えてくれない。

markを読んでいる人たちは、走れる脚があるでしょう。都内に住んでいるなら、早朝に家から新国立まで走って行くのがオススメ。なんかざわざわしている。そのムードは東京に住んでいる人しか味わえない。おそらく、ゴール後も会場周辺では号外が配られると思いますよ。

ジェニファー すぐ出るんですか?

西本 うん、それをもらって帰る。レースはどっかでテレビとかワンセグで見ればいい。でも、スタート前の緊張感、ゴール後の余韻がいいんです。

OYM──レース中は、いろいろ回るんですか?

西本 まだ決めてませんが、前日にコースをみながら、最終的に決めようと思っています。スタートラインに並ぶ選手を観るだけで、ぐっとくることでしょう。箱根駅伝もそうだけど、MGCもスタート前がたまらないのは確か。走れる脚をもっている“あなた”は、新国立競技場の辺りをジョグしていると、あなただけのMGCを味わうことができるかもしれません。

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MGC直前座談会 コース、選手、ストーリー、MGCの見方と楽しみ方をとことん語ります<前編>

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