世界記録を作った二子玉川のパークラン

『毎週土曜日の朝に5kmを走ろう・歩こう』というパークランはイギリスで2004年に始まった。地域のコミュニティが健康な生活を送れる習慣づくりにとポール・シントン・ヒューイット氏が始めたパークランの第一回の参加者は13名とボランティア5名。今日、パークランは世界21カ国、1800箇所で行われるまでに広がりを見せている。

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日本ではこの2019年4月に初めて開催された。それまで初開催での最高参加者数は159人だったのが、日本初の二子玉川では343名と大幅な記録更新となった。大成功を収めた日本のパークランだが、パークランジャパンの理事を務める今矢賢一さんは、人数が成功の指針ではないと語る。

「確かに初回の参加者数の多さは、すごいことだったと思います。しかし数が多いことよりも、継続的に開催していくことの方が重要だと考えています」

今矢さんは生活の拠点があるオーストラリアでパークランに出会った。運営はすべてボランティアのため、参加が無料なことに加えて、ボランティア自身がやりがいを感じられる仕組みと雰囲気がどの国のパークランにあることに感銘を受けた。

「ランニングで競技性の高いイベント、というのではなく、誰でも体を動かそうよ、というプラットフォームになっているのがいいんです。松葉杖をついたリハビリ中の方がテイルウォーカー(スイーパー役)と一緒に歩いているのを見て、どんな立場の人でも受け入れてくれるイベントとして機能していて、すごく素敵だと思いました。5kmという距離も適切だと感じます。時間や場所の制約が少ないんです」

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様々な立場の人が気軽に参加できることが、パークランを始めたポール・シントン・ヒューイット氏の願いであり狙いだった。今矢さんは言う。「創業者のポールが日本でのパークランに期待していることのひとつは、社会の孤立化の解消です。日本の孤独死や、属するコミュニティの減少というものが海外でもニュースになっているようで、そうした孤立化の解消にパークランが役に立てないかと。ご年配の方がボランティアとして参加する、あるいは散歩がてら参加してもらう、そういう流れができるといいですね」

パークランのリザルトページには、これまでに参加したパークランのタイムや順位が表示されるが、さらにボランティアとして参加した履歴も表示されるという。走るのこととボランティアをすることは、同列なのだ。

(次ページ)全国各地でのパークラン開催のために必要なこと

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