走ったあとのビールが最高に美味い。暑い陽が差し込むようになってきた今日この頃、そう感じる人も多いのではないだろうか。5月16日、今の季節にぴったりなイベント『RUN & BEER』が東京で開催された。

米国クラフトビールのパイオニアであり、アメリカ中西部最大のクラフトビールブランドとして知られるGOOSE ISLAND(グースアイランド)の研究開発ブルワーであるティモシー・フェイスが創業の地シカゴより初来日。学生時代に始めたクロスカントリーをきっかけに、現在もライフスタイルの一環としてランニングを楽しむ彼のマラソン自己ベストタイムは、なんと2時間45分。「世界最速ブルワー」とも呼ばれる彼にビールを作るということ、そして走るということについて聞いた。

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『オンリーワンより、ナンバーワンのビールでありたい』
1988年にアメリカ・シカゴで創業したGOOSE ISLAND。現在は、インターナショナルにビールを製造している。ティモシーは研究開発をメインとしながら、ビール作りのガイドラインの管理や指導のため世界中を飛び回っているという。

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元々理系の研究者だったと聞いているが、ビール作りを志したきっかけはどこにあったのだろうか?

「ある時、足に怪我をしてしまって走ることができない時期があった。だから走る以外に何か新しい趣味を探していた時に、友人がホームブリューイングを勧めてくれたんだ。怪我が治ってからも酵母の研究をするうちにビールの世界にのめり込んでいったよ。僕に限った話ではなく、アメリカではホームブリューイングが身近に行われている。GOOSE ISLANDも“ビアギーク(ビール馬鹿)の集団”と呼ばれてはいるけど、それは単なる飲兵衛やうんちくを語る人ではなく、『最高の一杯』を追い求める探求熱心な人たちの集まりなんだ」

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日々、新しいビール作りに精を出すティモシー。毎日のようにテイスティングを行うが、それと同じように毎日10km前後を走っているという。

「毎朝5時半には起きて、ヨガを40~50分やる。調子がいい時にはバービージャンプもするよ。終わったら会社まで走って出勤。基本的に飲む前に走るようにしているんだ。ブルワーはビールをたくさん飲むからどんどん太るイメージがあるけど、僕はその分毎日走って消費しているから今のところは健康。好きなものを好きなだけ食べて、飲む。ビール好きにとってビールはすべての力の源だから欠かせないよね(笑)」

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イベントでは参加者約20名と一緒に皇居周り5kmをランニング。1周で終えるはずだったが、先頭を走っていたティモシーは熱が入ってしまったのか、いつのまにか2周目に突入。元気な参加者も後を追ったが、さすが「世界最速ブルワー」の走り。ダントツ一位で最後は3分半を切るペースでゴール!

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走ったあとは、お待ちかねのGOOSE ISLANDクラフトビール!ティモシーによる乾杯の音頭で始まったディナーショーで振舞われたビールは2種類。愛する地元シカゴの市外局番を冠したウィートエール『312 URBAN WHEAT ALE』は、優しい口当たりとフルーティーな香りが広がる穏やかな一杯。ビールが苦手な方や女性にもオススメだ。もう一種は、GOOSE ISLANDを代表するホップの苦味と香りの強さが印象的だった『GOOSE IPA』。参加されていた自称ビール通の男性も「しっかりとしたボディ感があるのに不思議とスイスイ飲めてしまう!」と何度もお代わり。お肉料理にも合う、クラフトビールならではの味わいだ。

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新しい技術や素材・食文化を追い求めて日々忙しく過ごすティモシー。今回の日本滞在中も毎朝約10kmを走ってから仕事に取り掛かっているのだという。そんな多忙な生活を送りながら、なぜそこまでして走るのかを最後に聞いてみると驚くほどシンプルな答えが返ってきた。

「僕はただ健康でありたいんだ。10年後も今と変わらず元気でいたいからね。決して無理はしていないよ。毎日走っているけど距離はその日のコンディションで変えるし、朝に走るのなら夜は走らない。その日ごとに目標を立ててバランスよくやっているんだ」

健康であり続けるために、ビールを美味しく飲み続けるために、走る。でも決して無理をしないこと。この日も夜のランニングイベントだったため、朝は走らなかったというティモシー。ストイックになりがちなルーティンに柔軟性を持たせることが“ちょうどいい”を長続きさせるコツなのかもしれない。

「僕は決してランナーとしてベストを目指しているのではなく、ただ自分ができるベストを尽くすことを考えている。ビール作りも同じで、最高に美味しいものを作りたいからベストを尽くす。ただそれだけさ」

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GOOSE ISLAND
日本でGOOSE ISLANDが飲めるお店やブランド最新情報はGOOSE ISLAND公式SNSでチェック。

(写真 小俣雄風太 文 池田太朗)