再びの登り、これぞ太郎山登山競走!

長かった一つ目の下りもようやく終わりそうだ。さっきまで眼下にあった上田の街並みが、木々の間から見える限りだいぶ近づいてきた。エイドではたっぷりの水と補給食をもらい、そして名物のおそばもいただいた。塩気がうれしい。そしてコースの名称にもなっている秋和のエイドからは、この日2つ目の登りが待ち受ける。序盤とは違う西側からのアプローチで太郎山山頂を再び目指す。

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この頃になると、肉体的な辛さも極まってくる。特に先ほどの下り坂で、脚はふにゃふにゃ、笑っちゃうくらい力が入らない。少しでも消耗していない筋肉をお尻やハムストリングから探してきて稼働させ登る。辛い中に、全身を使って山に挑んでいるぞ、という実感がありそれはなぜか誇らしくもあるのだった。

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いま登っている山道は、古来から人々が登ってきた道でもある。太郎山の山頂にあられる太郎山神社への参拝の道に、自分が自然だけでなく歴史の一部となった心持ちがしてくる。体一つで山に挑み肉体を追い込むと、いろいろと多感になるようだ。

そうそう、この上田スカイレースは、別名を「太郎山登山競走」という。言い得て妙だ。再び登り切って、あとはスタート地点まで下るだけ。しかしこの下るだけ、が精神的・肉体的に辛い。

フルマラソン並み!? のハードなゴール

再び木々の向こうの上田の街並みが大きく見えてくると、風に乗ってスタート地点の大星神社での会場MCも聞こえてきた。人里に戻ってきた感に、奮い立つ。

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山を出てからの舗装路も足を引きずりながら500mほど先のフィニッシュを目指す。初めてのフルマラソン並みに、全身ボロボロで、気力だけが体を前に進ませてくれる感覚。同時に、フィニッシュに入るときのあの歓喜と安堵もフルマソン並み。なんとか、ゴールしたぞ。やった!

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フィニッシャーを待ち受ける松本さんに、「また来年も走りたいですか?」と感想を聞かれ、「わからない」と答える。たぶん、“もう走りたくない”側のわからない、だったと思うけれど、まだ筋肉痛の残るGW明けにこの文章を書いていると、今では“できたらまた走りたい”側のわからない、という気持ちになっているから不思議だ。

18km、獲得標高2000mの快速(なつもりの)登山は、4時間10分56秒の冒険だった。濃密な時間。フルマラソンよりも長い時間をこの距離に過ごしたことになる。完走してみて、心は充足を覚える。

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