万有引力の法則の提唱者として知られる物理学者アイザック・ニュートンは「もし私が遠くを見ていたなら、それは巨人の肩の上に立っていたからだ」という言葉を残した。「巨人の肩に立つ」とは人類の英知の積み重ねを踏まえるといった意味だが、学問のみならずスポーツの世界でもそれはあり得る。次世代アスリートのステップとなり、彼らがモチベーションを高めて新たな高みを目指すきっかけとなる5人の偉業を振り返る。

(イラスト 竹田匡志 / 文 井上健二)

20世紀まで、100m10秒の壁を破った選手は全員黒人だった。

2003年には白人とアボリジニのハーフであるオーストラリアのパトリック・ジョンソンが、黒人以外で初めて10秒を切り、新たな歴史を作る。

そして’15年には中国の蘇炳添がアジア出身選手として初めて9秒99で100mを走った。

日本記録は長らく’98年に伊東浩司が出した10秒00。

日本人は10秒の壁を見上げるだけの時代が続いたが、その呪縛を19年ぶりに破ったのが桐生祥秀だ。

桐生は’16年に行われたリオ五輪の男子4×100mリレーで第3走者を務め、銀メダルを獲得。

そして’17年9月9日、日本学生陸上競技対校選手権大会決勝で9秒98をマーク。日本人史上初の9秒台スプリンターとなる。

その偉業はロジャー・バニスター効果をもたらし、9秒台スプリンターの続出が期待される。

事実、同年9月24日にリオ五輪リレーの第一走者だった山縣亮太が10秒00の自己ベストを出した。

※2018/4/20発売「mark09 カラダのミライ」転載記事

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