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編集部が実際に体験したものだけをリポートするmark gear by onyourmark。編集部員ホンネのインプレッションをお伝えします。今回はGWや夏に活躍しそうなメレルの水陸両用シューズをピックアップ。

merrell_CHOPROCK

海外自転車釣りトリップのお供にチョイス

水陸両用、という響きに釣り人は弱い。あれもこれも兼ねる、はどちらも中途半端、の類義語でもあるけれど、このシューズに関しては「両用」の言葉に偽りがなかった。メレルの新作「チョップロック」を4日に渡る海外自転車&釣りの旅でテスト。

4月中旬、無事に雑誌mark第11号が発売されたのを見届けて、僕はパッキングを開始した。行き先は、韓国。持っていく荷物は大きく分けて2種類になる。釣りと自転車だ。日本でも海外でも、内陸部、とりわけ田舎で釣りをするのに、公共交通機関ではアクセスが悪いことが多い。何時間もバスを待つのに貴重な釣りの時間を使いたくないし、遠路タクシーで貴重なお金を浪費するのも気が滅入る。

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ソールにはVibram社のメガグリップアウトソールを採用。見るからにグリップしそうだ

そんなわけで、自力で、自転車で釣り場をめぐる旅に出たのだった。移動の時間もバイクライドというアクティビティの時間にすることで、行動時間の全てが楽しい時間になる。とはいえ、制約のない自由なんてない。全ての荷物とともに移動せねばならない自転車釣り人にとって、荷物を極限までスリム化することが必須。

着るものも(寝巻きも!)、釣り道具も、自転車用の道具もできる限り削ぎ落として行く中で、どうしてもネックになったのが釣り用のウェーディングブーツ。河川をメインに釣る以上、ウェーダー(ゴム長)は必須だけれど、それに合わせるブーツは単体で1kgを超える高重量。履いてペダリングするのも1日100kmを走るには少し重いし、何より空港での預け入れ荷物の重量が増えてしまう。

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4日間の釣り旅を搭載。ライド時はチョップロックをパニアバッグ上部にくくりつける

そこで目をつけたのが、軽量な水陸両用シューズ、メレルの「チョップロック」だ。今回はウェーディングシューズの代わりに、川で釣るためのシューズとして選択。本来は裸足でそのまま履いていけるシューズだけれど、4月の韓国の川はまだ冷たくウェーダー越しの着用となった。

いよいよアクティビティへ 釣りに自転車に活躍!

履いた瞬間に感じる足の軽さは、自転車旅の荷物としても軽量。4日間の初日は100kmのバイクライドとなるため、この日は自転車用ビンディングシューズでとにかく漕ぐ。行程中、チョップロックはパニアバッグの上で待機状態。初めての活躍の場は、滞在先の宿に着いて、街へと繰り出した時。カーボンソールで底の硬いビンディングシューズから履き替えると、ソールがしなやかなチョップロックの履き心地は天にも登るかのよう。アッパーのフィット感も吸い付くようで、いい感触。

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翌日は丸一日釣行日。ビンディングシューズは宿に置いて、チョップロックで自転車を漕ぎ出す。川沿いに走りながら、よさそうなポイントを見つけては川にざぶざぶと入っていく。この気軽さは、水陸両用シューズならでは。靴自体が軽いので、ペダリングの足の運びも軽やかだ。この日はのべ30kmほど自転車で移動したが、これくらいの距離であればむしろビンディングシューズよりも乗り降り釣りの機動性が高い。

川やダムを釣り場に選ぶと、必ず浮上するのが水辺までのアプローチの問題だ。特に自転車の走れる道路からは水辺までは切り立った崖であることが多く、大型河川では眼下に好スポットを見ながら橋の上で地団駄を踏むことも数知れず。ようやくアプローチのできそうな場所を見つけても、急勾配、道無き道、ヤブ漕ぎ、とそれはもう一筋縄ではいかない。

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この日はダム湖での釣りも、やはり岩のごろごろした急勾配の下りアプローチ。こんな状況では水に入るより先に、まずシューズとしての基本性能が問われる。しかし高いフィット感と、ソールのグリップ力でなんら不安なくポイントへIN。足元ではなく最初のキャストのことを考えながらポイントに入れるのは精神衛生にもよい。

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うまいこと数匹を釣ることができて、翌日は川へ。ざぶざぶと水の中に入っていけるので釣り場が広く感じる。どこに投げてもよいという自由。流れの中を歩いていても、シューズを水が通り抜けていくのを感じる。シューズが水を溜めて重くなるようなこともなく、なによりも濡れた岩場でも抜群のグリップ力を発揮してくれたのには驚いた。

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今回はウェーダーを着用しての履き方だったが、これは間違いなく最高の川遊びシューズだ。フットワーク軽く、川を釣り上がるのに、この軽さと水抜けの良さ、そしてグリップ力は大きな武器になる。関心しながら、快適さがもたらしてくれた存外の釣果を楽しんだ。

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速乾性能も好印象

もう一点、アクティビティ後に気づいたことにシューズの速乾性の高さがある。濡れたままのシューズを履き続けるのは、川遊び後や、釣りの途中のランチなどのブレークタイムに気になるが、チョップロックのソールまで排水孔が配された構造は通気性も高く、陸ではあっという間にシューズが乾く。空港では、履き心地のよいこのシューズを普段履きのようにして、韓国を後にした。

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1点難点を挙げるなら、川での釣りの後にシューズの中に入った砂粒が排水孔に詰まってしまったこと。川の中でも砂地を歩くような使い方をすると、外側の排水孔から微細な砂粒が入り込んでしまう。これは水抜けとトレードオフだが、通常の川遊びの範囲ではそこまで問題にはならないだろう。使用毎に、ソールをはたいて砂利を落とせばいい。

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ソールにある排水孔は使用ごとに砂詰まりをチェックしたい

それにしても高い速乾性を備えたこのシューズは、早朝家を出て公共交通機関を利用して1日釣りをして帰ってくるような使い方にもマッチしそうだ。水遊びの増えるGW、そして来たる夏。チョップロックは荷物をコンパクトに、しかし遊び方は最大限にしてくれる縁の下の力持ちになってくれるだろう。

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メレル チョップロックスペシャルページ

チョップロック製品ページ

(文と写真 小俣雄風太)