万有引力の法則の提唱者として知られる物理学者アイザック・ニュートンは「もし私が遠くを見ていたなら、それは巨人の肩の上に立っていたからだ」という言葉を残した。「巨人の肩に立つ」とは人類の英知の積み重ねを踏まえるといった意味だが、学問のみならずスポーツの世界でもそれはあり得る。次世代アスリートのステップとなり、彼らがモチベーションを高めて新たな高みを目指すきっかけとなる5人の偉業を振り返る。

(イラスト 竹田匡志 / 文 井上健二)

オリンピックに一番近いパラリンピアン。それがドイツの走り幅跳び選手マルクス・レームだ。

レームは14歳の夏、ウエイクボード練習中の事故で右脚の膝下を切断。陸上競技に転向して走り幅跳びで才能が花開いた。

2014年のドイツ陸上選手権では健常者を破って優勝し、世界陸上界に衝撃を与える。

その記録8m24は、’12年のロンドン五輪なら銀メダルが獲れる水準だったのだ。

レームの夢は健常者とともに五輪で競うこと。

’16年のリオ五輪出場を目指したが、国際陸連はカーボン製の義足が有利に働かないことの証明を求めた。

義足の反発力は跳躍に有利だが、助走の加速は健常者に劣る。

だが有利か不利かの証明は難しく、結局レームはパラリンピックに出て8m21の大会新記録で連覇を果たす。

パラリンピアンであることを誇りに思うレームが戦っているのは「障がい者が健常者よりスポーツで優れているわけがない」という偏見なのだ。

※2018/4/20発売「mark09 カラダのミライ」転載記事

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