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編集部が実際に体験したものだけをリポートするmark gear by onyourmarkがスタート。編集部員ホンネのインプレッションをお伝えします。初回は編集部きっての自転車乗り、Yuftaが新しいグローブをチェック。

これは自転車用グローブにおけるイノベーションだ。と言っても革新的な新素材やテクノロジーが投入されているわけではない。グローブが、道路を共有する他交通とのコミュニケーションツールになりえる、ということを示した点がイノベーティブなのだ。英国発、〈loffi.〉のサイクリンググローブを紹介しよう。

kickstarterで資金調達率500%というこのグローブの機能は、外観を見れば一目瞭然。リフレクター素材のスマイルマークが内外の両側に配され、暗い状況下で反射する仕組みになっている。通常、リフレクターはライダーの存在を「ここにいるから気をつけて!」と受身的にクルマに対し示す。しかしこの〈loffi.〉がリフレクターに与えたのは、「お互い安全に走ろう」とメッセージを発する能動的な役割だ。

loffi_gloves

都市部を自転車で走っていると、路上駐車をよけるために頻繁に車道側に膨らまざるを得ない。しかしこれは、ライダーはもちろん、ドライバーも気を遣うし、双方がストレスを感じるシーンでもある。そんな状況で、かざしたハンドサインにスマイルマークが見えたら、ドライバー側もちょっと優しい気持ちになれるのではないだろうか。

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それに、とかく自転車とクルマはいがみ合っているように報じられがちだけど、実際に自転車で走ってみればマナーのよい、こちらの(そしてお互いの)安全を気遣ってくれるドライバーもたくさんいることに気づく。無理をせず道を譲ってくれたドライバーには、サイクリストとしても感謝の念を示したいもの。ありがとう、というハンドサインも出番の多いものだけれど、〈loffi.〉の笑顔ならより言葉にならない謝意を明確に伝えてくれる。お互いに気持ちよく道路を使えるというものだ。

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とはいっても、グローブとしての基本性能が伴ってなければ着用したくはない。やや薄手のしっかり手に馴染むフィット感は、ダブつきもなく好印象。ハンドルを握る感覚が損なわれないので、個人的には街乗りだけでなく少し強度の高いウインタートレーニングでも活用したくなるほど。

若干薄手のため、シティライドでの使用なら気温5度あたりが使用の下限目安か。それ以下の気温なら厚手のウインターグローブが必要だが、これから5月にかけての季節まで長く活躍してくれそうだ。まだまだ帰宅時には日も暗い。そして全指がタッチスクリーン対応なのも好印象。mapアプリを参照することの多いライドではストレスフリーだ。

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すべての街乗りサイクリストにオススメしたいこのグローブだが、最近町で見かける機会の増えたUber Eatsのライダーにはとりわけ恩恵が大きいかもしれない。大きなバッグを背負うがゆえの不安定な走行を目にすることもあるが、クルマの多い都市部を滑走する彼らにこそ、交通摩擦を減らしてくれる〈loffi.〉で、街にたくさんの笑顔を振りまいてもらいたいものだ。

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ブランドが示す、グローブからのメッセージは「やぁ」(Hi)、「ありがと」(thanks)、「お先にどうぞ」(after you)と、どこまでもフレンドリー。日本での取り扱いは…& Bicycleが行なっている。製品紹介ページからは自分に合うサイズがわかるサイズガイドも公開中だ。

…& Bicycle 製品紹介ページ

(文と写真 小俣雄風太)