自分では直接制御できない自律神経。でも、心拍数を意識すれば、交感神経と副交感神経のバランスを把握することができ、ひいてはバランスの良い“状態”へと意識的につなげることができるはずだ。ここでは心拍数を通じてどのように身体の状態を知ることができるのかをみていこう。

(監修 沢田秀司(順天堂大学 COI プロジェクト室 博士研究員)/イラスト 藤田翔/編集・文 村松亮)

平常時、つまり心拍数が安静時に近い状態では、副交感神経が優位となっている。一方で、運動時となれば副交感神経から徐々に交感神経が優位となる。まさに上のイラストが示すように、心拍数の変動を指標に交感神経と副交感神経のどちらが活発であるかを知ることで、自律神経が制御する身体の様々な器官がどのような状態にあるのかも間接的に認識することができる。

交感神経と副交感神経はまるでアクセルとブレーキのような関係で協調しながら身体の調節をおこなっているが、最近の研究では神経系と免疫系は密接な関係にあることがわかってきた。免疫細胞の一つであるリンパ球は、交感神経が優位になるとリンパ節に溜まりやすくなり、そして副交感神経が優位に切り替わることで再び血中に放出され、免疫応答を誘導する可能性が指摘されている。

すなわち、運動などで適度に交感神経を活発化させた後に、睡眠や休息によって副交感神経が活性化されるように切り替わることは、病原体を排除する上で有利に働く可能性がある。交感神経と副交感神経の2つのモードをバランスよく切り替えていくことは、身体にとってメリットとなることが示唆されている。

監修:沢田秀司
順天堂大学COIプロジェクト室博士研究員。早稲田大学大学院先進理工学研究科博士後期課程修了/博士(生命科学)。健康運動指導士、日本陸連公認ジュニアコーチ。大学での研究活動に加え、高校や民間企業、病院、地域行政などにおいて幅広い世代に対する運動指導に従事。専門分野は、生命科学、体力医学、老年医学。2009 年11月3日以来“1日最低5kmは走る”を継続中。

※2018/11/28発売mark10『RECOVERY FOR TOMORROW 明日のために本当の休息』転載記事

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