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(写真 田辺信彦 / 文 神津文人 / 協力 ニューバランスジャパン

三村仁司氏が手がけるニューバランスのレースシューズNB HANZO V2がついにリリースされる。onyourmark.jpでは3回の記事に分けて、3者の視点からこの注目のシューズを紐解いていく。まずはプロランナー神野大地選手に、このシューズへの想いを訊いた。

2018年5月にプロランナーに転向。退路を断ち、マラソンでの東京五輪出場を目指している神野大地選手。東京五輪の日本代表が選考される「MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)」出場権獲得のための重要なレースとなる12月2日の福岡国際マラソンには、ニューバランスの新作シューズNB HANZO V2で挑む予定だ。

NB HANZO V2は、ニューバランスと、現代の名工と呼ばれるシューズ職人である三村仁司氏主宰のM.Lab(ミムラボ)が共同開発したもの。ニューバランスが3Dスキャンを用いて計測したデータから作り上げたラスト(木型)と、M.Labが持つ数多くのランナーの足型データを基に、新しいラストを製作。アッパーやミッドソールの素材も検討に検討を重ね、エリートランナーの足元を支えるにふさわしいシューズが完成した。

「今までの陸上人生を振り返ると、僕は三村さんのシューズとともに練習をして、強くなって、成長させてもらえました。三村さんがいなければ、今の自分はいないかなと思っていますし、三村さんのシューズだからしっかりと練習を継続できていると感じています」

そう話すほど、神野選手は三村氏が作るシューズに信頼を寄せている。その付き合いは青山学院大学時代から。3年次に箱根駅伝の5区で区間新記録を打ち立てたときに履いていたのも、三村氏が手がけたシューズだ。細部まで繊細に作り込まれていて、足を入れたときの感触が抜群にいいのだと神野選手は言う。

記者発表に顔を揃えたNB HANZO V2のキーマンたち。左からニューバランスジャパン DTC&マーケティングディレクターの鈴木健氏、三村仁司氏、神野大地選手

「新しいシューズを試すとき、僕はなるべく事前情報を入れないようにしています。まずは履く前にシューズを眺めることをしているんですが、三村さんのシューズは細かい部分までこだわって作られているというのが伝わってくるんです。それが素材のせいなのか、縫製のせいなのか、詳しいことはわかりませんが、一言でいえばオーラがあって。そして足を入れて、シューレースを結んで、立ったときに、“これだ”と思えるんです」

機能的な部分で、神野選手がシューズに求めるのは、フィット性と地面を蹴ったときの反発性。現在、厚底のランニングシューズが注目を集めているが、ミッドソールが厚いか薄いか、柔らかいか硬いかという部分には、正直こだわりがないのだそう。

「先に、自分の走り、自分のランニングフォームがあって、それを妨げずにサポートしてくれるのが理想のシューズだと思っていて。仮に多くの人にとっていいシューズでも、自分の走りに合っていなければ、それは僕にとっていいシューズとは言えません。その点、NB HANZO V2は自分の足、自分の走りに合っていると感じられるんです」

「僕は練習せずに走れる才能のあるランナーではないと自覚しています」と語る神野選手。自分の走りにマッチして、着用し始めて以来、大きなケガなくハードなトレーニングを積んでこれたニューバランスのシューズは、強くなるための大切な武器だという。

「厚底のシューズが注目されるのは、結果を出している選手が履いているからだと思うんです。僕がいい結果を出すことができれば、NB HANZO V2が注目されるはず。日本人向けのラストで作られているこのシューズを、多くの人に知ってもらえるよう頑張りたいと思います」

神野大地(かみの・だいち)
1993年9月13日愛知県生まれ。大学卒業後に実業団を経て今年5月にプロ転向。セルソース所属。

<自己記録>
5,000m:13分56秒05
10,000m:28分17秒54
ハーフマラソン:1時間01分4秒(2017年香川丸亀国際ハーフマラソン)
フルマラソン:2時間10分18秒(2018年東京マラソン)

NB HANZO V2 公式オンラインストア