(写真 依田純子 / 文 黒澤祐美 / 協力 THE NORTH FACE

10月20日(土)・21日(日)に開催されるROCK&RUN RETREAT CAMPに向け、クライミング未経験の信太美月さんが実践を通じてクライミングの魅力を探る本企画。

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前回は屋内ジムでのボルダリングを楽しんだ信太さん。連載3回目は、17m近くある壁の最上部から確保されたロープを装着し、一番上のゴールを目指す「トップロープクライミング」にチャレンジする。

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青空の下にそびえ立つ16.5mの壁

今回の舞台は、東京・昭島にある複合商業施設「モリパーク アウトドアヴィレッジ」に併設するクライミングジム「PLAY」。ここには国際大会が開催可能なクライミングウォールが備わっており、この日も道路を一本挟んだウォールでスポーツクライミングの日本代表合宿が行われていた。世界トップレベルのスピードに目を輝かせる信太さん。選手たちの登りに感化され、やる気も十分。はやる気持ちを抑え、まずはトップロープクライミングについてのイントロダクションを受ける。

「ボルダリングとトップロープクライミングの違いは、登る壁の高さにあります。ボルダリングはマットを敷いて5,6m程のボルダー(岩・石ころ)を登るのに対し、ロープやハーネスを使って安全確保をしながらより高い登るのがトップロープクライミング。このウォールは国際基準に則っているので16.45mありますが、屋内ジムのロープ壁は10m前後であることが多いです。必ず二人一組で行い、一人が登っている間はもう一人(以下ビレイヤー)がロープを使って安全確保をします。初心者同士は危険なので、初めて体験する場合はジムで行われている講習会に参加するか、経験者やジムのスタッフにビレイヤーをお願いするといいでしょう」(PLAYスタッフの森さん)

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ボルダリング同様、自分で用意するものはウエアと靴下のみ。シューズ、チョークバック、ハーネス、ロープはレンタル可能だ。

「最初に安全確保のためのハーネスを装着します。クライマーとビレーヤー共にきちんと装着されているか、必ず互いに確認し合いましょう。ロープをしっかり装着したら、あとは登るのみです」(森さん)

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目の前に立ちはだかるウォールのトップを見つめながら「これ、一番上がゴールですよね…?」と若干不安げな様子の信太さん。

「今登ろうとしているルートは、ボルダリングジムのグレードでいう8級程度。一見ハードに見えますが、複雑なテクニックもないので冷静に進めば必ず登りきれます。指定のホールドさえ辿れば、手足の置き場所は自由。凹凸のある壁を利用してもOKです。もう登れないと判断した時や落ちそうになった時は「テンション!」と叫んでください。ロープを使って補助します。ただしロープで身体を安定させてしまうと、推進力を助けたことになりその時点でトライ終了になってしまいます。あくまでもロープは安全装置。身ひとつで登りきるのが基本です」(森さん)

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登る楽しさとスリルを同時に味わう

説明を受けて、大きく深呼吸。両手両足をホールドにセットし、一手ずつ丁寧に登り始める。ボルダリングジムで7級までクリアしていた信太さんは、スムーズな動きであっという間に1/3地点まで到達。両手両足を離して立てる「テラス」と呼ばれる場所で一度休憩し、軽く腕を伸ばして再びゴールを目指す。

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「集中力が切れると怖さが増すので、できるだけ休憩を挟まずゴールを目指しました。ホールドの間隔も均等で、足を入れ替えたり高く上げたりする必要もないので動き自体は簡単で楽しい」と、のちに振り返る信太さん。

2/3地点を過ぎてゴールは目前、下で見守るスタッフの「もう少し!」「あとちょっと!」という声も自然と大きくなる。最後の力を振り絞りゴールのホールドを掴んだ瞬間、拍手喝采。信太さんも思わず「やったー!」とガッツポーズ。

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「これからロープを引っ張るので、膝を伸ばして壁に向かって立ててください。ロープを掴み、消防士のように両足で壁を蹴りながらゆっくりと降りましょう」(森さん)

地上に足が着くと、安堵の笑み。
「登っているときはアドレナリンが出てるから疲れを感じなかったけど、今降りてきて想像以上に腕がパンパンでびっくりしました。1回のトライは長く楽しめるけど、2〜3回が限界かも。ファーストトライでどこまで勝負できるかがポイントだと思いました」(信太さん)

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トップロープクライミングとリードクライミングの違い

信太さんが挑戦した垂壁に対し、同じウォールのメインパートはやや難易度が高い前傾壁。上部は角度が120°〜170°まで変えられ、中上級者も登りごたえがあるルートになっている。アドバイザーとして同行したクライマーの永山さん(THE NORTH FACEのプロモーション担当)が、この壁を「リードクライミング」しながら信太さんが行った「トップロープ」との違いを解説してくれた。

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「リードクライミングはトップロープ同様、ハーネスを装着して2人一組のペアで行います。あらかじめ壁にセットしてあるヌンチャク(カラビナのようなもの)に自分でロープをかけながら登るのがリードクライミングの特徴。命綱はあるものの、しっかり体勢を保持した状態でロープをかけないと手足を滑らせて数メートル落下してしまう危険があります。壁を登る動作+ロープをかける技術が必要なので、ボルダリングやトップロープである程度経験を積んでから挑戦することをおすすめします」(永山さん)

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トップロープクライミングを終えて

永山 トップロープ体験してみて、どうでしたか?

信太 正直、怖かった! 屋外だから開放感があって気持ちよかったけど、1本目はとくに周りの景色をみている余裕はなかったですね。壁との距離が近いから登ってる最中は高さを感じないけど、気が緩むと「あれ、こんなに高い場所にいる!」って。

永山 その怖さに打ち勝てるかどうか、という駆け引きがトップロープの醍醐味。とくに外岩は足場がシビアなうえに高さもあり、上級者でも足がガタガタ震えることがあります。でも、それを乗り越えられれば確実に強くなる。

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信太 前回のボルダリングですぐに腕が疲れるとわかっていたから、1回目に絶対ゴールしようって決めていました。

永山 ファーストトライを大事にするのはクライマーの基本なので、それはとてもいい心構えですね。

信太 初めての人は、ボルダリングを何度か経験したうえでトップロープに挑戦したほうがいいんですか?

永山 そんなこともないです。むしろ最初にトップロープクライミングをやったほうがいいと僕は思っていて。なぜなら、トップロープは安全確保がされていて怪我のリスクが少ないから。高さがある分ホールドにはクセがなく、ボルダリングのような複雑なムーブも出てこないので初心者でも登りやすいんです。どちらかというと、テクニックよりは強いメンタルのほうが重要。どんな場面でも冷静に判断できる力をつけておくと、今後外岩クライミングに挑戦する時に役立ちます。

信太 確かに、高さに対する恐怖心以外は想像してたよりもずっとラクだった。怖さを乗り越えてゴールできた時は、ボルダリングとは違った達成感がありますね。人間、やればなんでもできるんだ!って思えた(笑)外岩に向けて、気持ちの面でレベルアップできた気がします。

—–次回はいよいよ、外岩でボルダリングに挑戦!

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「モリパーク アウトドアヴィレッジ」には、カフェが併設した『THE NORTH FACE』の店舗も。本格的なアウトドアギアから、ライフスタイルに適したウエアまで幅広いラインナップを取り揃えている。

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PLAY
URL:https://www.play-tokyo.com
住所 〒196-8533 東京都昭島市田中町610-4 MORIPARK Outdoor Village内
電話 042-541-3223
営業時間:平日9:00〜22:00/土日祝9:00〜21:00 水曜定休
登録料:1620円
クライミング利用料:4,540円〜(利用時間よって金額が異なる)

大自然のなかで自分と向き合う、1泊2日のキャンプツアーに向けて

THE NORTH FACEとonyourmarkがアテンドする『ROCK&RUN RETREAT CAMP』では、本連載でクライミングに挑戦している信太美月さんがスペシャルアンバサダーとして登場。ロッククライミングはもちろん、トレイルランニングも楽しむ予定だ。

<お申し込みはコチラから!>
バス送迎つきプラン
現地集合プラン

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「学生時代は陸上部に所属していたこともありましたが、トレイルランニングは未経験。当日に向けて少しだけ山を走ってみたら、ロードランニングとはまったくの別物で新しい発見をした気分でした。見える景色がぐるぐる変わって飽きないし、岩や枝を飛び越えながら走るのはゲーム感覚で楽しい。当日はコーチ付きということで、走り方のコツを聞けるのが楽しみです。

一人で山に行くのはハードルが高いけど、ROCK&RUN RETREAT CAMPはアクティビティに必要な道具がすべて揃っているから気軽に参加できる。ビギナーさんにはこのキャンプで仲間を作ってもらえたら嬉しいですね。むしろ私も自然の中で遊べる仲間を作りたい。そんな思いで参加しようと思っています」(信太さん)

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信太美月(しだ・みづき)
1992年、茨城県生まれ。日本女子体育大学卒業。表参道にある「LATTEST」でバリスタを務めながら、フィトネスモデルとして活動中。6歳から始めたクラシックバレエは17歳まで続け、学生時代には並行してバレーボールや陸上、水泳といったスポーツも経験。現在の趣味はヨガやサーフィンとアクティブな生活を送っている。