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(写真 渡辺宏樹 / 文 大草朋宏 / 協力 THE NORTH FACE

フィットネスやトレーニング、スポーツ系のモデルとして活躍しているMIKAさんは、「BEST BODY JAPAN 2014」という美しい身体を競う大会で優勝したことでも知られている。しかしその数年前までは、今より15kg以上も太っていたという。現在の完璧なスタイルを手に入れるきっかけは、ダイエットだった。

「街で知らない人に、後ろから“でかい”と言われたんです。友だちではなく知らない人に、しかも後ろからだし、なんだか余計にくやしくて。今でもその言い方と言葉をはっきりと覚えています。それから本気でダイエットを始めました」

とはいえ、それまではダイエットは愚か、スポーツもまったく好きではなかった。ダイエットに関する知識もなく、インターネットや人から聞いた話を鵜呑みにして、いろいろ試してみる日々。自分に合うものを探していくなかで、ランニングに出合った。

「まず体重自体を落とさないと、と思って、有酸素運動であるランニングをやろうと思いました。ジムのマシンで走っていたのですが、最初の頃は、マシンに乗るのも、見るのもイヤでしたね」

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着用アイテム:トップス S/S Ambition Crew [NTW11877] ¥5,900 COLOR:AB / ボトムス Light Very Short [NBW41883] ¥7,900 COLOR:UN / ショートタイツ Active Half Tights [NBW41876] ¥5,600 / シューズ Ultra Velocity [NF51706] ¥11,800 COLOR:KW

ダイエットができない人の背中を押してあげたい

その後、トレーニング方法や食事制限などをうまく取り入れることで、身体が変化していくことを感じていた。そこで見つけたのが、前述の「BEST BODY JAPAN」の募集ポスターだ。

「今思えばすごく勝手なんですが、そのときにポスターに載っていた人よりも、私の方がきれいな身体をしていると思ったんです。この人に勝てるという根拠のない自信がありました。それがダイエットの次の新しい目標になったんです」

こうして「BEST BODY JAPAN 2014」に出場し、本当に優勝してしまうのだから、目標を持って進んでいくことは、時に強い力を発揮するようだ。そしてこれがMIKAさんにとって大きな自信になったのは言うまでもない。次のフェーズは、自身の体験を広く伝えていくことだ。その手段として選んだのが、モデルである。

「同じようにダイエットがうまくできない人、一歩踏み出したいけど踏み出せない人、そういう人たちの背中を押してあげたい」

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たしかにMIKAさんがいえば、説得力がある。世間には「簡単に痩せられる」「らくちんダイエット」という幻想のような言葉が並んでいるが、MIKAさんははっきりと「ダイエットは簡単ではない」と言っている。耳馴染みがいいだけの言葉に、NOを突きつける。

「苦労しないとダメだし、食事制限もつらい。イヤなこともありました。そうしたネガティブなことも包み隠さず、伝えていきたい。実際は、何事にも挑戦して、自分に合った方法をみつけるのがいいと思います。合わなかったらやめればいい。そのうちに見つかると思います」

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やはりあきらめずに継続すること、それにはモチベーションを保つこと。トレーニングのためのトレーニング、ではつまらない。トレーニングは目的ではなく、手段だ。

「まずは小さな目標を設定してほしい。その目標を達成する直前に、次の目標を設定する。すると自分でどんどん目標を設定するクセが付いていくと思います。来週末のデートに行くための洋服をきれいに着たいとか、そのくらいでいい。女性なら、これで自分がきれいになれると思ったら、楽しくできるんじゃないかな」

好きなスポーツを組み合わせて、総合的に鍛える

現在は、ランニング、筋トレ、ヨガ、キックボクシングがMIKAさんのライフスタイルの中心。いくつも取り入れてきたなかで、好きなものが残った。飽きないように4つをうまく組み合わせている。筋肉だけでなく、女性らしい柔軟さも取り入れるための工夫にもつながる。

昨年2017年11月、それまでは10km程度が最高だったランニングだったが、初めてフルマラソンに挑戦した。無事に4時間59分で完走した。キックボクシングも、ボクササイズではなく、しっかりと汗をかきながらミット打ちなどをしている。これまでトレーニングしてきた筋肉とは違う箇所を鍛えられるし、3分間のミット打ちはかなり苦しいという。どのスポーツにおいても、レベルを徐々にあげていき、真剣かつストイックに取り組む姿勢が、素晴らしい肉体をつくるのだろう。

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こうして総合的に身体を鍛えて行くその先に、MIKAさんが今取り組みたいと思っているのがなんとパルクールだという。パルクールとは、街中の階段や壁などを障害物と見立てて、身体ひとつで走り、登り、跳び、超えていくもの。まさに“忍者的な”身体能力が必要だ。

「パルクールができるようになると、モデルの撮影で、もっと動きの幅が広がったり、自分で演出できるようになるのではないかと思っています。最近、バク転の練習から始めました。でも身体が硬いと言われて。これだけ運動しているのに、所変わればまったく意味を成さない。くやしくて、意地になって練習しています。今年中にパルクールデビューするつもりです!」

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着用アイテム:トップス S/S GTD Melange V-Neck [NTW11885] ¥4,900 COLOR:Z / ヘアバンド Dipsea Cover-it Short [NN01876] ¥2,300 COLOR:DN / シューズ Ultra Velocity [NF51706] ¥11,800 COLOR:KW

アスレジャーを地でいくファッション

モデルであれば普段着も注目されるもの。MIKAさんは、仕事にも直接つながるようなアスレジャー(アスレチック+レジャー)スタイルが多いようだ。

「普段着でも着られるようなトレーニングウェアを、ついつい選んでしまいます。いつどこで動いても大丈夫なように。特に夏場はトレーニングウェアばかりかもしれない(笑)。今日のこのTHE NORTH FACEのパンツも、シンプルで好みです。スニーカー履いて、アウターを着ちゃえば、このまま普段着として外でも使えそう」

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普段着にも合わせやすいように、シンプルな色や柄を選ぶのが鉄則だとか。そしてフォルムにもこだわりがある。

「身体のラインがわかりやすいものを選びます。自分の体型をすぐにチェックできるし、それを維持できていれば、自分に自信がつくんです」

MIKAさんのモデルの仕事は、フィットネスやトレーニング、スポーツ系が多く、たとえばランニングなら脚、トレーニングなら腹筋と、特定の部位が重要になる仕事もある。そうした仕事の予定が入ると、撮影日までを逆算して、しっかりと身体を鍛え、作り込むという。そうしたプロとしての身体への姿勢は、もうアスリートのそれと変わらない。それがMIKAさんのモデルとしての矜恃だ。

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MIKA
1992年生まれ。日本、スペイン、フィリピンの血をひくモデルとして活躍。ヨガ、ボクシング、サーフィンなど、さまざまなスポーツを楽しむアクティブウーマン。BEST BODY JAPAN2014 ガールズクラス優勝、ヨガインストラクターの資格を習得するなど、さまざまなアプローチで美しい身体作りを行なっている。