20代でサーフィン、30代でランニングと、年齢を重ねていくごとにスポーツのあるライフスタイルがスタンダードになってきたという田中利栄さん。大手セレクトショップでランニングコミュニティを立ち上げた経験から芽生えた、競技志向ではないスポーツの魅力を聞きました。

(写真 古谷勝 / 文 onyourmark)

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2018年の東京マラソンで3時間12分08秒の自己ベストを記録。40歳を越えても、着実に長距離ランナーとしてレベルを上げてきた田中利栄さんは、ファッション業界では名の知れたシリアスランナー。今では高い競技レベルでランニングを日々楽しんでいますが、幼少期は今ほどスポーツにのめり込むことはなかったそう。

「親が阪神タイガースファンだったのですが、球技はめっきり苦手で(笑)。ただ、スポーツ自体は嫌いではなく外で体を動かすことが好きだったので、中高時代は陸上競技部に入部して、200mや400mの中距離選手として練習に励んでいました。なんとか県大会まで出場できるレベルまではたどり着いたのですが、同学年にはスター選手が多くそれ以上は望めない状況で……。高校を卒業し、大学に進学して以降はパッタリとスポーツから離れていきましたね」

大学時代は大手セレクトショップのでアルバイトをしていたことから、卒業後にそのまま入社。3年ほど大阪でセールススタッフとして勤めた後、26歳の時に転勤で上京することに。この転勤のタイミングが、田中さんとスポーツを再び結びつけることになります。

「当時、新宿の店舗で働いていたのですが、ふとしたきっかけで同僚と湘南でサーフィンをすることになったんです。昔ハワイに行った時にスクールに入っていた経験もあったので、“簡単に立てるだろう”とたかをくくっていたのですが、全くできなくて(笑)。失敗したことで逆に、もっと上手くなりたいとハマっていきました。サーフィンは自然の力を波の上で感じるスポーツ。波とリズムを同調させることで、心地良い瞬間がクセになるんです。あまりに没頭しすぎて本社勤務となってからは、サーフィンがすぐできるように茅ヶ崎に引っ越したほどのめり込んでいきました」

茅ヶ崎の自宅から目と鼻の先にあったのが、国道134号線。ここは、毎年1月に開催される箱根駅伝往路3区、復路8区のコースでもあります。多くの学生ランナー達が襷を繋いでいく姿をみて、「また走ろうかな」と田中さんはふと思い立ったと言います。ちょうど同時期のタイミングで、会社でオリジナルアパレルとスポーツウエアを掛け合わせた新ブランドがローンチ。同ブランドのMDを担当することになったため、商品企画を担う一方、コミュニティを立ち上げ自身も再び走り始めたのです。

「最初は3kmも走れなかったのですが、5km、10kmと距離を伸ばせるようになっていきました。ただ、それよりも重要だったのは個人のパフォーマンスよりも、人と一緒に走るということが楽しいと気づいたことですね。ロンドンやパリなど、仕事で海外に商品をバイイングすることもあったのですが、現地では国籍やバックボーンは違えども、ランが媒介となってコミュニケーションを取れる。競技志向ではない、生活に根ざすランニングとしての面白さを体感するようになって行ったんです」

一方で、ランニングの節目としてマラソン大会へも積極的に出場するように。2014年の湘南国際マラソンでは4時間22分で初マラソンを完走。このレースをきっかけに強度を上げた練習を積み重ね、2回目となる東京マラソン2018では3時間12分08秒と自己ベストを更新することができました。

「将来的には、ベルリンマラソンやボストンマラソンなどの6大マラソン『マラソンワールドマラソンメジャーズ』を制覇してみたいですね。ちょうど2018年から、ECモール運営会社のMDという新しいプロジェクトに関わらせていただくことができたので、ランナーとしても仕事としても次のステージに行ければと考えています」

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【名前】田中利栄 TOSHIHIDE TANAKA
【生年月日】1977年1月17日
【職業or所属】会社員
【やっているスポーツ】ランニング、サーフィン
【instagram】@toshi_toshihide

お気に入りアイテム

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「Ciele Athletics」のキャップ、「District Vision」のサングラス、「tomtom」のウォッチ

「ランウェアを黒でまとめることが多いので、ギア類も黒が置いですね。機能はもちろんなのですが、デザインで選ぶことがほとんどです。情報はインスタグラムでかいがいのランクルーから得ています」