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ギアを扱うお店を始めてもうすぐ丸5年になりますが、今考えるとトレイルランニングのシーンとそこに生まれるギアがググッと盛り上がる良いタイミングに居合わせることができたのかなと思います。

お店の準備を始めた2012年頃は『BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族”』に端を発するベアフットやミニマルなシューズが盛り上がっていましたし、その少し後には厚底シューズのHOKA ONE ONEがウルトラトレイルに挑むランナーたちにすごい勢いで広がっていきました。

レインシェルやウインドシェルはどんどん軽くなっていくし、ザックはベスト型への移行が進んでいて、いろんな面白いアイテムが雨後の筍のように次々とポコポコリリースされていました。

が、ここ1、2年は、「お、新しい」と思えるギアのリリースは少なくなってきています。良い、悪いの話ではなくて、ギアの進化(アイデア/テクノロジーともに)がある程度ユーザーのニーズを満たすところまで来たのかなと感じるのです。もちろん、レインウェアなどは、耐候性と通気性と軽さが高いバランスで取れた製品が今後もさまざまなテクノロジーを背景にリリースされて行くでしょうが、少なくとも現在では「とにかく軽く」という、軽量化への“単一の”ベクトル自体は収束したように感じます。

そうしたイノベーティブなギアのリリースが減った一方で、それぞれのギアに起こっているのは、「成熟化」とも言える細部の使い勝手の向上です。これはこれで、特にトレイルランニングのような、ギアのちょっとした使い勝手がストレスに直結するアクティビティではありがたい話だったりします。

そんな中、今回紹介するのは、成熟化が進むベスト型ザック、Ultimate Direction / Ultra Vest 4.0 と Mountain Vest 4.0です。

Ultimate Direction

Ultimate Direction(以下UD)はハイドレーションパックをはじめて作ったブランド。1985年にBryce Thatcherが立ち上げました。ですが、僕がトレイルランニングを始めた2011年頃は、少し勢いが衰えていて(Bryce Thatcherは1999年にブランドを売却し、Nathanを経て2011年にUltrAspireを設立)、日本で使っている人はあまり見ませんでした。というか、身の回りでは友人のDomingo(Ultra Lunch)がハンドヘルドボトルのFastdrawを使っていたくらいでしたね(笑)。

Ultimate Direction

2011年当時のFastdraw

そんなUDですが、2012年に再びハイドレーションパックのトップブランドへと華々しく返り咲きます。そのきっかけとなったのはベスト型ザック、Signatureシリーズの発売です。

2012年当時トレイルランニングの世界では、胸に“ボトルが2本させるタイプ(2本ってところが重要)”のベスト型サックは、salomonがリリースはしていましたが、他に同等のアイテムを出しているブランドが多くなく、まだ主流という状況ではありませんでした。そこに彗星の如く現れたUDSignatureシリーズは、SIgnatureの名の通り、Anton Krupicka、Scott Jurek、Peter Bakwinというカリスマ的アスリートと共同開発され、機能性とスタイルがあいまって、世界的に大ブレイクしました。

Ultimate Direction
Ultimate Direction

AK rece vest と 開発に関わった Anton Krupicka

今回紹介するUltra Vest 4.0Mountain Vest 4.0、数字に4.0とついていることからわかるように、Signatureシリーズ4世代目のモデルです。

ここまでの変遷を追ってみると、1.0から2.0はカラーや素材変更のマイナーアップデート。2.0から3.0で仕様を大きく変えるメジャーアップデートを果たしましたが、1.0/2.0の完成度が高かったため、過渡期のモデルであったように感じます。今回は3.0からのマイナーアップデート的な位置付けですが、細かい使い勝手が向上したのと(Ultra Vestは3.0から背面の構造も大きく変わり、1.0/2.0の頃の使い勝手の良さに戻りました) 、新しく採用されたComfort Cinch Technologyによってサイズの調整ができるようになり、フィット感が格段に向上しました。

Comfort Cinch Technologyがどんな機構かは上の動画を見ていただくとして、このシステムの何が良いかというと、構造上サイズ感を調整しにくいというベスト型ザックの問題点を、フィット感を損なわず解決しているところです。

実はUDにおいては、ベスト型ザックのフィット感を損なわずにサイズ調整をするというチャレンジは、レディースモデルであるAdventure Vestaの前バージョンで行われていたんですが(MARK GEARでも紹介させていただいています)、今回のComfort Cinch Technologyは、よりシンプルなアクションでサイズ調整が可能になっていることと、メンズ/レディースのSignatureシリーズのトレランパック全てに採用されていることが評価できます。

ザックをパッと見ただけではこの変化はわかりません。ただ、4世代のモデルチェンジやノウハウの積み重ねを経て、使い勝手は確実に向上していますし、3.0はちょっと見送った旧来のSignatureシリーズのファンの人でも、これなら使って見たいなと思わせる作りになっていると思います。

もちろん、初心者の1つ目のザックとしても最適ですし、UTMFのザックをお探しの方には、収納力の高いMountain Vestは心強い味方になってくれるはずです。

Ultimate Direction

Mountain Vest 4.0。フロントのポールホルダーの使い勝手も向上。

最近、センセーショナルなギアが減ってきてるなあとお思いのあなた。見慣れてしまったギアに詰まった、さまざまな成熟の跡を探してみるのも面白いですよ。

各ザックの詳細は以下のURLよりご確認ください。

Ultra Vest 4.0
http://shop.rb-rg.jp/?pid=141157093

Mountain Vest 4.0
http://shop.rb-rg.jp/?pid=141163188

また、女性向けのザックもバージョンアップしています。

Race Vesta
http://shop.rb-rg.jp/?pid=128451940

Ultra Vesta
http://shop.rb-rg.jp/?pid=128451868

最新情報
3/24 千葉の山を走る初心者イベント PEANUTS RUN 今年も開催。
http://rb-rg.jp/?p=6336

3/28 トレイルランニングのムービーフェスタ、Trails in Motion 6 開催します。
http://rb-rg.jp/?p=6349

3/31,4/1 TRAIL OPEN AIR DEMO 4にRun boys! Run girls! / Trail Butterで出展します。
http://trailopenairdemo.com/

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