2018.02.21 - 22:00

結果を出すために、リカバリーは重要なトレーニング
トライアスリート ルイス・クナーブル

(写真 三浦咲恵 / 文 小泉咲子 / 取材協力・大会写真提供 C3fit

自然豊かなオーストリアの街で、ウルトラマラソンやトレイルランニングに親しむ父と、テニスやランニングを楽しむ母のもと、スポーツ一家生まれ育った、ルイス・クナーブル選手。「当たり前のように日常生活にスポーツがあった」という彼は、スイム1.5km、バイク40km、ラン10kmの合計タイムを競う、ショート・ディスタンス(オリンピック・ディスタンス)のトップ選手で、オーストリアのトライアスロン・ナショナルチャンピオンだ。昨年からは、運動機能を着ることをコンセプトとしたブランド「C3fit」とアスリート契約がスタート。先日、オフシーズン中に来日した彼に、第一線で走るトライアスリートとしての生活について聞いた。

 

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5、6歳の頃にはマウンテンバイクやスキーを始めた。高校は、スポーツに特化した学校へ。その際、専門種目を絞らねばならず、トライアスロンを選んだ。小さい頃からやっていたスイムは、今でもトライアスロンの3種目で最も得意な種目。

「泳いで、バイクに乗って、走る。そのサイクルがとにかく楽しいんだ。それまでもいろんなスポーツに親しんできたこともあって、僕には、プールで泳ぐだけ、走るだけというのはちょっと耐えられない(笑)。もちろんトライアスロンには3種目あることが難しいところでもあるんだけど、ランニングで脚が疲れたらスイム、バイクで腕が疲れたらランニングというふうに、身体をメンテナンスしながらトレーニングできるのは、僕にとっては面白さでもあるんだ」

 

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オーストリアの高校は4年制だが、クナーブル選手が通ったスポーツ専門の高校は、一年多い5年制。週3日、始業が遅い日があり、じっくりトレーニングできる環境だった。

「2004年、オーストリアからオリンピックチャンピオンが出たのをきっかけに、トライアスロンが人気になったんだ。在学中は、トライアスロン選択の生徒が10人くらいいたかな。週30時間トレーニングできる、とても恵まれた環境だったと思う」

リカバリーこそがパフォーマンスを上げる
今は、人口1000人ほどの小さな村がトレーニングの拠点。

「山の中でバイクを漕いだり、湖で泳いだり、自然の中でトレーニングができることが、僕にとってのトライアスロンの大きな魅力になっているよ。東京やNYといった大都市は、数日滞在するには刺激的だけど、2週間もすると自然に戻りたくなる。やっぱり、山や森がある場所がベストだね」

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トレーニングは早朝、5~6kmのスイムからスタート。朝食後、ランニングを行い、2時間ほど休憩を取り、バイク、筋トレ、ふたたびランニングというのが通常メニュー。夜はストレッチで身体をほぐす。週35時間ほどトレーニングに費やすのだが、実際に身体を動かしている時間以上に、重視しているのが“リカバリー(=回復)”だ。

「朝早くからトレーニングを始めるのは、十分なレストを取れるようにするためなんだ。レストを取らないままハードなトレーニングを続けても、リカバリーが追いつかず、トレーニングの成果はけっして身につかない。回復するためのレストはトレーニングの一環であり、最も大事と言っても過言じゃないね」

 

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リカバリーに欠かせないのが、C3fitのコンプレッションウェアだ。

「リカバリーのスピードが上がれば、より効率的にトレーニングができるから、パフォーマンスアップに繋がるんだ。フライトの時にもコンプレッションウェアは愛用しているよ。世界各国の大会に出るから、長時間のフライトが多いんだけど、履いているのと履いてないのとでは、飛行機から降りた時の身体のむくみや疲れがまるで違うんだ」

 

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 C3fitシリーズでは、足裏のアーチをサポートするテーピング効果のあるソックスもお気に入り。

「走りながらフットマッサージをされているような感覚があるし、カラーリングもいいよね。とくに蛍光イエローは、モチベーションが上がるカラー。僕のガールフレンドもソックスをすごく気に入っていて、僕のを大量に持って行ってしまったよ(笑)。アスリート仲間にも評判がいいね。ヨーロッパではまだあまり知られてないブランニングドだから『どこの?』と聞かれるんだけど、『日本のプロダクトだ』と伝えて試してもらうと『すごくいい』って言われるんだ」

3種目のバランスを保つための身体づくり

早寝早起きを心掛け、睡眠時間は8時間確保。食生活も、炭水化物から魚中心に替え、タンパク質を意識するようになった。以前はコーチに頼っていたメンタルコントロールも、もう自分自身でやれる自信もある。

「メンタルコントロールのポイントは、いかに集中力を高めるか、そして自信をもてるか。しっかりトレーニングしていれば、それが自信になるし、勝つ姿を想像して試合に臨むようにしている」

 

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得意のスイムとバイクで差をつけて、ランニングで逃げ切るのがクナーブル選手のレース展開。よりタイムを上げるために、ランニングの強化に力を入れている。

「トライアスリートは、だいたい65kg前後なんだけど、僕は71kgで筋肉が多い方。体重が重いとやはりランニングは不利なので、筋肉のつけ方を変えることが課題だね。ただ、ランニングを強化したいからと、週10回走って、週2回しか泳がないというのでは、バランスが崩れてしまう。これまでと同じくらい泳ぎながら、ランニングに重点を置いてトレーニングをしているよ」

楽しいからこそ、ストイックに追い込める

「生活のすべてがトライアスロンを中心に回っている」という。すべては、目標とする東京五輪ため。そんなストイックな生活の中で、何か楽しみはないのか尋ねると、意外な答えが返ってきた。

「数年前から始めた法律の勉強が楽しいんだ。スポーツに関係ない世界の人たちと触れ合うのはすごく新鮮だよ。トレーニング後に30分とか1時間とかしか勉強できないから、試験も年に1科目くらいしか受けられなくて、すべての課程を終えるには10年くらいかかりそうだけどね(笑)。もちろん、トライアスロンそのものも楽しんでいる。じゃなきゃ、トライアスロンに人生を捧げられないよ。もっとも、スポーツをするすべての人に伝えたいんだけど、トライアスロンに限らず、スポーツは楽しくなくちゃ!」

 

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最後に、トライアスロンで最も快感を覚える瞬間を聞いた。

「ゴールした時だね。自分が持っているすべてを出し切れたと実感できた時は、もう最高だよ。結果がついてくれば言うことはないけど、成績に関わらず、限界までやり切った時は、疲れはピークに達しているんだけど、ほんとうに気持ちがいいんだ」

 

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Luis Knabl(ルイス・クナーブル)
1992年、オーストリア・インスブルックで生まれる。幼い時から、スキーやマウンテンバイクなどに親しみ、7歳で初めてトライアスロン大会に出場。オーストリアのトライアスロン・ナショナルチャンピオン。2017年のITUワールドトライアスロンシリーズランキング30位(エリート男子/2017年7月25日時点)。“Compression”“Conditioning”“Comfort”の3つの“C”から名付けられた、人間工学に基づくスポーツウェアブランド「C3fit」契約アスリートでもある。